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「指導するのは本当に楽しい!」鈴木淳JFA指導者養成ダイレクターが語る指導者の魅力
2021年10月29日
日本サッカー協会(JFA)は指導者のレベルアップのために、ニーズに合わせた指導者養成講習会を開催しています。ここでは鈴木淳JFA指導者養成ダイレクターに指導者のやりがいや指導者養成講習会の魅力について聞きました。
オンライン取材日:2021年8月19日
――サッカーの現場における指導者の役割を教えてください。
鈴木 選手が楽しくプレーできるようにサポートするのが一番の役割だと思います。また、選手が上達できるようコーチングすること、自然災害や暑熱への対策、けがの予防、暴力や暴言の排除など、いろいろな意味で安全を確保することも指導者の役割になります。サッカーの知識やコーチングスキルも大切ですが、選手をサポートすることが最大の役割であり、そのためにさまざまなスキルを身に着けておく必要があります。
――鈴木ダイレクター自身が指導者のやりがいや魅力と感じる部分を教えてください。
鈴木 選手が上達し、成長していく姿や、チームが強くなり、成熟していく様子を見守ることができる部分にやりがいを感じます。また、自分で考案したトレーニングが思いどおりの成果を発揮し、選手の成長やチーム状態の改善につながったと実感できた時、コミュニケーションを取ることによって選手の動きが変わったり、試合中の指示で状況が大きく変わって勝利に繋がったりした時も、指導者をやっていてよかったと実感できます。
――指導者ライセンスにはD級からS級まであり、段階を踏んで学びながらステップアップしていく部分も醍醐味の一つだと思います。
鈴木 コーチの学びには「ここまでやればいい」という限界はありません。サッカーは日々、変わっていますし、選手が成長すれば、指導者もそれに対応しなければなりません。その意味では、D級からS級まで一つずつ階段を上り、自分のスキルを高めていくことも非常に楽しいと思います。S級を取得して終わりではなく、リフレッシュ研修会などを受けて知識を増やし、考えを柔軟にしていくことも魅力の一つですね。何はともあれ、ピッチに立って指導している時って本当に楽しんですよ! 今でもたまに指導現場に立たせてもらいますが、やっぱりすごく楽しいですよね。
――指導者にはどのような能力や知識が必要なのでしょうか。
鈴木 まずはサッカーが好きなこと、情熱があることが大前提だと思います。本当に好きな人は探求心もありますし、どうすれば子どもたちやチームを成長させられるのかを考え続けることができます。もちろんコーチングスキルは重要ですが、自分が持っているものを押し付けるのではなく、選手の状況を見て分析し、何をコーチングすればいいかを的確に判断しなければなりません。他にもサッカーの知識やスポーツ科学の知識、医学や栄養、コミュニケーションスキルなども非常に大事ですし、生活面などサッカー以外のことを指導できる能力や知識も必要だと思います。また、チームを取り巻く人たちとうまく関わる能力も求められます。多岐にわたる能力や知識が必要になりますが、それらは自分で本を読んだり、映像を見たり、講習会に参加したりすれば得ることができますので、まずはサッカーが好きで情熱を持っていることが大前提です。
――指導者養成講習会はどのような場なのでしょうか。
鈴木 指導者講習会は自分の指導を見つめ直し、より良い指導法を見つける場だと考えています。多くの人が来るので、いろいろな考え方、いろいろなサッカーがあると再確認できますし、他の指導者から話を聞くことで、自分の幅を広げることができます。A級やS級になればハードルは高くなりますが、自分の持っているものをレベルアップさせられる場だと思っています。
――指導者はライセンスを保有する必要があるのでしょうか。
鈴木 人を指導することには責任が伴います。選手や子どもたちを成長させ、安心・安全にプレーできる環境を提供するためには、基本的な知識を身に着け、モラルやリスペクトの精神を理解した方々に指導をしていただきたいと考えており、それがライセンス取得の意義だと思います。特に上のカテゴリーの指導者養成講習会はそういった知識やスキルを習得する場でもありますし、楽しくプレーしてもらうためにはどのような責任が伴うのかを理解してもらうための指導者ライセンスだと思っています。
――指導者ライセンスや指導者養成講習会に興味がある人へのメッセージをお願いします。
鈴木 今の指導者講習会はグループワークやディスカッションを通じたアクティブラーニングが増えていますし、優秀なインストラクターから多くを学び、受講生同士でも意見交換ができるので、すごく楽しい場だと思います。多くの意見を吸収したい方、サッカーのいろいろな話を聞きたい方は、ぜひ指導者講習会を受けてほしいです。サッカー経験がなくても全く問題はありません。そういう方が増えればサッカー界の刺激にもなりますし、他のスポーツの知識や親としての子育ての知識、仕事での部下や上司とのコミュニケーションの仕方など、持っているものを生かしてほしいと思っています。興味がある方はぜひ一度受講してほしいですね。
出身地:宮城県
生年月日:1961年8月17日
資格:S級コーチライセンス
<指導歴>
1991年 松島サッカークラブ 監督
1992年~1994年 東北電力サッカー部 コーチ
1995年~1996年 ブランメル仙台 コーチ
1997年~1999年 ソニー仙台FC コーチ
1997年~2003年 日本サッカー協会ナショナルトレセンコーチ
2001年 U-15日本代表 コーチ、U-14日本選抜 監督
2002年 U-16日本代表 コーチ、U-17日本代表 監督
2003年 U-14日本選抜 監督、U-22日本代表 コーチ、U-13,14エリートプログラム担当コーチ
2003年~2004年 モンテディオ山形 監督
2005年~2009年 アルビレックス新潟 監督
2010年~2012年 大宮アルディージャ 監督
2013年~2014年 ジェフユナイテッド市原・千葉 監督
2016年~ 日本サッカー協会ナショナルトレセンコーチ
2017年 日本サッカー協会指導者養成サブダイレクター
2018年~ 日本サッカー協会指導者養成ダイレクター
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