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東京オリンピック聖火リレー、なでしこジャパン2011優勝メンバーが第一走者を務める
2021年03月26日
東京オリンピック2020競技大会の聖火リレーが3月25日(木)、福島県のJヴィレッジでスタートし、なでしこジャパン(日本女子代表)のFIFA女子ワールドカップドイツ2011優勝メンバーが第一走者を務めました。
グランドスタート聖火ランナーとして参加したのは、現在海外リーグに所属し、入国制限措置などから帰国を断念した5名(永里優季選手、川澄奈穂美選手、田中明日菜選手、熊谷紗希選手、岩渕真奈選手)と体調不良から急きょ参加を回避した澤穂希さんをのぞくメンバー15名と佐々木則夫元監督。なでしこジャパンのキャンプ中だった鮫島彩選手、髙瀬愛実選手も鹿児島から駆けつけました。
この日、約10年ぶりに集まったメンバーは当時と変わらぬチームワークと機転の良さ、笑顔でグランドスタートを盛り上げました。東日本大震災の復興支援活動にも積極的に取り組んできた岩清水梓さんが代表してトーチを持ち、宮間あやさん、大野忍さんが先頭でチームを引っ張ります。そのほかのメンバーがトーチを守るようにフォーメーションを組み、「メインは選手たちだから」と最後方から佐々木元監督が続きました。Jヴィレッジの全天候型練習場から出発し、約200メートルを走ったメンバーは、無事に第2走者に聖火を引き継ぎました。
FIFA女子ワールドカップや北京オリンピックの前に幾度となくキャンプを重ねたJヴィレッジは、「なでしこの聖地、福島の復興の証であると思う」(佐々木元監督)。東京電力女子サッカー部マリーゼでもプレーし、福島県で5年間を過ごした丸山桂里奈さんは「福島を第二の故郷だと思っていて、身体の半分は福島が作ってくれた。いろんな人に感謝の気持ちを届けたいと思って走って、素敵な芝とアスファルトで足の裏が熱くなった」と喜びを表現しました。
「まだまだいろんなことが難しくて、気をつけなければいけないことが多い世の中で、難しい感情ではあった。ただ、多くの方と、オリンピックを成功させようという思いをひとつにした経験を、このメンバーでさせていただいたことがありがたかった」とは宮間あやさん。聖火リレーは、国立競技場を目指して全国各地を巡ります。
なお、なでしこジャパンが担当した聖火リレーのトーチは、日本サッカーミュージアムで今後展示予定です。
コメント
佐々木則夫 なでしこジャパン元監督
本日参加したくてもできなかったメンバーの思いも込めて、みんなで走らせてもらいました。Jヴィレッジはなでしこの聖地、福島の復興の証でもあると思っています。この灯火を、ぜひ国立競技場まで届けてほしいです。2011年、FIFA女子ワールドカップで、選手たちは日本への思い、被災地への思いをしっかりと受け止めて頑張ってくれて、なんとか優勝にこぎつけられました。こういった状況のとき、スポーツの力というものがあります。映像でも感激や感動、感じることがたくさんあると思います。新型コロナウイルスで大変な思いがありますが、規律を守った、安全、安心な、日本だからこそできる東京オリンピックの成功を願っています。
鮫島彩 選手(大宮アルディージャVENTUS)
福島では(マリーゼ時代)、5年間を過ごして、毎日のように仲間たちとボールを蹴って走って、なでしこジャパンでも多くの期間をここで過ごさせていただきました。本当に思い出のある場所です。希望の光の聖火ランナー、スターターとして、走らせていただけたことを非常に光栄に思います。明るいニュースがないなかで、ポジティブなニュースとして広がっていったらいいなぁという思いがあります。