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「プレミアリーグのプライドを持って戦う」青森山田高校・黒田剛監督×名古屋グランパスU-18・古賀聡監督対談 高円宮杯 JFA U-18サッカースーパープリンスリーグ 2020
2020年08月27日
高円宮杯 JFA U-18 サッカープレミアリーグ 2020は新型コロナウイルスの影響により、開催方法を変更して9月5日(土)に関東地域のチームのみで開幕を迎えます。その他の地域の出場予定チームは地域の高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ 2020に参戦します。ここでは昨年のプレミアリーグファイナル進出の青森山田高校と名古屋グランパスU-18の黒田剛監督と古賀聡監督に登場いただき、今年のここまでの活動やリーグ戦開幕に向けた意気込みを聞きました。
オンライン取材日:2020年8月18日
監督撮影日:2020年2月26日
――リーグ開幕前にもお二方には対談を実施していただきましたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い残念ながらお蔵入りとなってしまいました。今回はあらためてお二方に集まっていただき、お話をお伺いしたいと思います。まずは緊急事態宣言が発令された4月上旬までの活動はいかがでしたでしょうか。
古賀 3月初旬から活動自粛になりましたので、春休みに参加予定だったいくつかのフェスティバルもなくなりました。そこまでトレーニングマッチなどの試合もできていなかったので、その時点ではまだこれからという状況でした。
黒田 青森ではそこまでコロナウイルス感染者は出ていなかったので、トレーニングは続行することができていました。もちろんウイルスにより生死を脅かされているような状況でもあったので、オリンピックの延期、高校でも野球の選抜大会が中止になるなど、さまざまな行事がなくなる中で、サッカーだけが大会を続けるわけにもいきません。それは選手たちも割り切りながら秋冬に向けて活動し、サッカーができているだけでもありがたいと思っていました。
――自粛期間中に考える時間も多かったと思いますが、その中でサッカーに対して感じたことはありますか。
古賀 3カ月近く学校も行けず、自宅にとどまりながらやれることをやるという時間があったわけですけども、その部分でネガティブなことばかりではなかったと感じます。行動の制約はあるにせよ、自分でトレーニングの計画を立てて、走りに行ったり、公園でボールを蹴ったりとか、あるいは勉強や家事の手伝いをする時間をつくりました。その期間は料理をする選手が増えて、家族の方に喜んでもらったという話も聞いています。普段は学校とクラブの活動で時間に追われていますが、自由に使える時間ができて、そこを自分で計画的に自分の成長のために使う、良い習慣ができたのではないかと思います。
黒田 この期間は試合こそありませんでしたが、サッカー選手として自分がどうあるべきか、またはウィークポイントを見つめ直してどう克服していくかということをしました。考え方一つだと思うので、そういう部分を見直す期間を得られたということをポジティブに捉えました。
――現在の活動、再開後の選手に見える変化についてはいかがでしょうか。
黒田 今はコロナと熱中症と両方の対策をしながら通常通りの練習ができていて、全国高等学校総合体育大会の代替大会が7月21日から開催されたのといくつかフェスティバルに参加しました。なかなか高いレベルで試合ができていないので、自分たちのレベルがどこにあるのか分かりにくい状態にあると思います。そんな模索している状態が続いています。
古賀 公式戦が戦えないという状況の中で、サッカーができる喜びは噛み締めながら普段のトレーニングには臨んでいます。とはいえ公式戦ではプレッシャーやストレスを感じながら戦うことで成長できますが、その経験が少なくなっているのは事実です。その危機感は選手たちも我々スタッフも強く感じています。それらを普段のトレーニングでいかにカバーするかを考えながら取り組んでいるところです。
――プレミアリーグは形を変えて、関東を除いた各地域のチームはスーパープリンスリーグに参戦、東北は8月29日(土)、東海は9月5日(土)に開幕します。このリーグ戦をどう位置づけて臨んでいこうと考えていますか。
黒田 もともとプリンスリーグには青森山田のセカンドチームが参加していますが、トップチームも参加させていただけるということで感謝の気持ちを持って戦いたいと思います。同時に、やはりプレミアリーグに10年間在籍し続けているというプライドを全面的に出さなくてはいけないと思っています。東北で圧倒的な差をつけて勝たなくてはならないというプレッシャーを自分たちで感じながらいいリーグ戦にできればと思います。
古賀 この状況下で大会に参加できることで、携わった方々に感謝したいです。東海地域では静岡学園が前年度の選手権で優勝したり、清水エスパルスユースであったり、強豪の高校やクラブチームが揃っている地域ですので、とてもやりがいのある、貴重な機会をいただいたと感じています。そうした中で、青森山田と同様に私たちのクラブがいかに周りのチームや選手に対していい影響を及ぼしていけるかというのが目指すべきところなのかなと思います。
――残りの数カ月でどのように選手たちの成長を促していきますか。
黒田 大会はあるに越したことはないですが、これがどうなっても動じることなく、JFAや高体連が決めたことに準じて速やかにそれに対応移行できるような準備はしていきたいと思います。とりあえず我々のスタンスや取り組みは全く変わることはないので、選手は自分の人生のために一所懸命やるだけだと思います。そこだけはきっちり彼らに伝えていきたいと思います。
古賀 3年生に関してはまだまだ表現する力が足りないのが課題としてあります。公式戦を戦っていく中で、チームリーダーとして、いろいろな部分で後輩たちや仲間たちに刺激を与えられるようになってほしいですし、また周囲を巻き込めるような発言や行動、振る舞いを求めていきたいと思います。まだまだ殻を破れていない選手が多いので、そこを破らせて能動的なリーダーとしての姿を見せて次のステージにチャレンジできる機会にしてほしいと思います。
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