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北海道で初めての「スポーツ救命ライセンス講習会」を開催
2019年11月13日
日本サッカー協会は、ピッチ上の選手の安全を守ることを第一とした「スポーツ救命ライセンス講習会」と「JFA+PUSHコース」を2017年から実施しています。「スポーツ救命ライセンス講習会」は、(公財)日本スポーツ協会(JSPO)公認アスレティックトレーナーが資格更新のために保有しなければならないBLS(Basic Life Support:一次救命処置)資格取得のための講習会として認定されています。
11月3日(日)、札幌医科大学でチーム関係者など30名を対象に「スポーツ救命ライセンス講習会」を開催しました。北海道では初となるスポーツ救命ライセンス講習会です。当日は、北海道サッカー協会医学委員の矢倉幸久先生による熱中症・脳振盪(のうしんとう)の講義などを行い、実技では心肺蘇生の中でも最も重要な胸骨圧迫とAED(自動体外式除細動器)の使い方を学習しました。またバックボードへの全身固定・搬送法についても学びました。本講習会の合格者には修了証(3年間有効のライセンス証)が渡されました。
※講習会開催希望の団体は、「講習会を開催するには」(http://www.jfa.jp/medical/critical_care.html)の[問い合わせフォームはこちら]からお問い合わせください。
コースディレクターコメント
矢倉幸久 (公財)北海道サッカー協会医学委員
スポーツの現場で命を落とす人を無くしたいという思いから、北海道でこの講習会を広め、一人でも多くの方にピッチの選手を守る知識とスキルを身につけてもらいたいと準備を進めてまいりました。今回はコースディレクター、講師、インストラクター全て北海道で担当しました。指導者、チームスタッフ、審判員、大会運営関係などの多くの受講者は、医学的知識がなくても、とても熱心に講義を聴き、インストラクターの指導のもと、マネキンを使って実際に胸骨圧迫を行い、AEDの使い方を体験し、納得いくまで質問されていました。
本講習会独特のバックボード搬送の実技では、搬送される側も体験していただき、安全で確実な搬送法を学んでいただけました。オリンピック・パラリンピックを控え、他競技やパラスポーツのチームドクターの方も参加され、定員30名のところに50名以上の受講申込みがあり、北海道でこの講習会が幅広く求められていることを痛感しました。北海道でも安全なピッチを作るために、今後も講習会開催を継続・拡大していく予定です。
受講者コメント
伊東美智子 北海道シニアサッカー連盟事務局長
大変貴重な経験ができて本当に良かったというのが一番の感想です。企画していただき、ありがとうございました。現在シニアサッカーに関わり、大会の運営のお手伝いを多く行っていますが、過去にはグラウンドで倒れたシニア世代の選手が亡くなった残念な事故もあり、もしそのような場面に居合わせたらどうしていただろうと考えました。
今回の講習会では特にサッカーやフットサルのピッチ上での対処方法を、映像を見ながらわかりやすい理論講義と実技講習を行うことで理解が深まったと思います。私は過去に消防署が地域で行う救急法を受講したことがありますが、AEDを利用しない講習でした。今はスポーツ(サッカー)をする施設や、公共のいろいろな場所でAEDを見かけるようになりましたので、より迅速に誰もが救命処置を行える環境が整いつつあるのでしょう。ただ、実際その場になって自分がどのように行動できるかというと、とても自信がありませんでした。今回の講習のように、特にAEDのデモ機を使用しての実技演習を何度も繰り返し行えた事で、もしもそのような場面に遭遇しても勇気を持って行動できるのではないかと思えるようになりました。この経験が生かされる場面が無い事を願いつつ、次回また更新講習を受けたいと思います。
山田昂 さん(理学療法士)
今回のスポーツ救命ライセンス講習会を受講し、改めて正しく迅速な対応をすることの重要性を認識できたと思います。熱中症や脳振盪など実際のスポーツ現場で身近に起こりうる傷病に対しての概要から対応方法に関してしっかりと説明をしていただけたため、細かい部分まで理解が深まり大変参考になりました。また、アナフィラキシーショックに関しては実際に現場に出る前に選手個人毎の情報収集の必要性を再認識し、今後現場に出る際に活かしていければと思います。これまでも、何度かAEDの使用方法については説明を受けたことがありましたが、理解が不十分なことが多く、今回の講習で実践的な場面を想定し使用方法を確認できたため胸骨圧迫の実施方法やAEDの使用方法に関してかなり理解が深まったように思います。実技講習だけではなく、実技試験を実施していただいたため、ほどよい緊張感の中で使用方法を確認できたことで理解が不十分な点が明確になりました。
怪我で倒れた人がいた際の搬送方法に関しても、実際に搬送する側とされる側を体験することで重要なポイントがしっかり理解できたように思います。全体を通しても講義自体も分かりやすく、実技もインストラクターの方々が丁寧かつ親切にご指導くださり、楽しく学ぶことが出来ました。なかなか北海道という地域でこのようなスポーツに特化した救命ライセンス講習会を受講する機会がないため、大変貴重な時間を過ごせました。今後もサッカーやスポーツの活動に関わる際に、今回の講習で学んだことを活かしていければと考えています。
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