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鹿島、初のアジア制覇への挑戦 ~AFCチャンピオンズリーグ2018 決勝第2戦~
2018年11月05日
11月3日(土)に行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)2018の決勝第1戦で、鹿島アントラーズはホームの茨城県立カシマサッカースタジアムでイランのペルセポリスに2-0で勝って先勝、初のアジア制覇に王手をかけています。11月10日(土)のテヘランでの第2戦を前に、鹿島の今大会の歩みを振り返ります。
今年のACLに日本から出場した4チームのうち、唯一グループステージを突破したのが鹿島です。昨年のJリーグで2位に入り2年連続通算8度目の出場権を獲得した鹿島は、グループステージでは水原三星ブルーウィングス(韓国)、上海申花(中国)、シドニーFC(オーストラリア)とグループHで戦いました。しかし、常に多くの怪我人を抱えるという苦しい状況が続き、リーグ戦との日程も考慮して、鹿島は若手を起用しながら乗り切り、勝点を積み重ねました。
2月14日の初戦をホームで上海申花と対戦し、試合開始早々に元コロンビア代表MFジョバンニ・モレノ選手に失点を許しましたが、51分にMF遠藤康選手のゴールで追いついて1-1ドローで今大会をスタートしました。同月21日の第2戦では韓国で水原三星と対戦。FW金崎夢生選手(現・鳥栖)の2ゴールでリードを奪い、試合終了間際に1点を返されたものの2-1で逃げ切り、アウェイで貴重な勝点3を挙げて1勝1分でグループ首位に立ちました。
Jリーグ開幕直後の3月7日の第3戦ではアウェイでシドニーと対戦。前半終了目前の40分にMF土居聖真選手が決めて、試合終盤の87分にも植田直通選手(現・セルクル・ブルージュKSV/ベルギー)のゴールで追加点を奪い、2-0の勝利で再びアウェイで勝点3を手にし、2位の水原三星との差を勝点3差に広げました。
3月13日のホームでのリターンレグでは、金崎選手のゴールで前半を折り返しましたが、後半半ばにシドニーに失点を許して1-1ドロー。しかし、首位をキープして4戦を終えて3位との差を5差に伸ばし、次の試合で引き分ければ突破確定が決まる状況になりました。
そして、アウェイで迎えた4月3日の上海申花戦で、鹿島は前半で2点ビハインドの苦しい展開になりますが、後半反撃。FW鈴木優磨選手とFWレアンドロ選手のゴールで追いつき、首位をキープしてグループ2位以内を確定させて突破を決めました。
ホームに戻っての4月17日のグループステージ最終戦では、引き分け以上で1位通過でしたが、鹿島は、勝てば首位突破の可能性のある水原三星の攻撃を受けて31分にFWデヤン・ダムヤノヴィッチ選手に得点を許し、後半反撃を見せたものの1点を奪えずに0-1で終了。今大会初黒星で鹿島は2勝3分1敗となり、グループ2位でノックアウトステージに進出しました。
鹿島にとってラウンド16は、昨年大会を含めて過去4回敗退している、越えなくてはならない壁でした。対戦したのは中国の上海上港。元ブラジル代表MFオスカル選手や中国代表FWウー・レイ選手を擁し、2016年に初出場で8強、昨年は4強に進出している急成長の強豪です。鹿島は5月9日のホームでの第1戦に鈴木選手、DF西大伍選手の得点とオウンゴールで3-1とし、一週間後の16日のアウェイ戦は1-2で落としたものの、2戦合計4-3として、初のベスト8進出を決めました。
8強対決前の夏に迎えた変化
その後、大会は準々決勝まで約3か月の中断を挟んで8月下旬に再開しましたが、8強対決を前にした夏に、鹿島は大きな転機を迎えていました。ロシアで行われた2018FIFAワールドカップを経て、植田選手、グループステージでチームの得点源だった金崎選手、FWペドロ・ジュニオール選手が移籍でクラブを離れ、日本のワールドカップ16強進出にも貢献したDF昌子源選手が再開後のJリーグで負傷し、戦線離脱を余儀なくされました。
鹿島はDFチョン・スンヒョン選手を鳥栖から、FWセルジーニョ選手をブラジルのサントスFCから獲得。また、クラブOBで元日本代表監督のジーコ氏がテクニカルディレクターに就任。16年ぶりの復帰となったジーコ氏は、選手に勝者鹿島としての心構えを説いてメンタルの強化をサポートし、セルジーニョ選手の獲得を推薦しました。
一方で、この頃になるとFW安部裕葵選手やDF安西幸輝選手ら若手も成長。今季清水から加入したDF犬飼智也選手は、チョン選手とともに最終ラインで力を発揮するようになり、鈴木選手も攻守で大きく貢献。金崎選手の抜けた穴を埋める以上の活躍で、セルジーニョ選手とともにチームの攻撃を牽引するようになりました。
こうして迎えた準々決勝で鹿島は中国の天津権健と対戦。ACL初出場で8強進出でしたが、今夏のワールドカップで活躍したベルギー代表MFアクセル・ヴィツェル選手が大会後に移籍。中盤の要を失った天津に、8月28日のホームでの第1戦でMFレオ・シルバ選手、セルジーニョ選手の得点で2-0で制すると、9月8日のアウェイでの第2戦もセルジーニョ選手、安部選手、土居選手のゴールで3-0勝利を収め、4強に進出しました。
準決勝で対戦したのは、グループステージでも対戦した水原三星です。今大会の水原はアウェイで力を発揮。ソ・ジョンウォン監督が国内リーグ不振を受けて10月3日の第1戦直前にクラブを離れたものの、10月24日の第2戦では復帰するという迷走もありましたが、準決勝では大会初制覇へ奮闘。鹿島は厳しい戦いを強いられました。
ホームでの第1戦、鹿島は開始早々に2点のビハインドを負う苦しい展開になりましたが、セルジーニョ選手の鋭いクロスに鈴木選手が飛び込むと、相手DFの頭に当たってゴールに吸い込まれて1-2に。その後は辛抱強くパスをつないで好機をうかがうと84分、途中出場のDF西大伍選手のクロスをセルジーニョ選手が右足で捉えて同点。さらに攻撃を畳み掛けて、後半アディショナルタイム3分にFKの流れから最後はDF内田篤人選手がゴールを決めて3-2で勝利しました。
勝つか引き分け以上、または1点差負けでも3得点以上であれば鹿島の決勝進出が決まるなか、アウェイでは水原の猛反撃に苦しめられました。前半25分にDF山本脩斗選手のゴールで1-0のリードを奪いましたが、後半開始早々に水原が猛攻撃をしかけ、52分からの8分で3ゴールを返されて1-3となり、鹿島は敗退の危機に直面します。しかし、64分に西選手のゴールで1点差にすると、82分にセルジーニョ選手がゴールネットを揺らして同点に追いつき、2戦合計を6-5として鹿島が決勝へ進出しました。
そして迎えた決勝。鹿島の相手は、昨年大会ベスト4でイランリーグ優勝11回の強豪のペルセポリスです。大一番を前に、準決勝第2戦からは昌子選手も戦列復帰し、鹿島は最終ラインに心強い戦力を加えていました。
11月3日(土)にホーム今季公式戦最多の35,022人を集めて行われた第1戦で、鹿島は初のイランチームとの対戦に立ち上がりから押し込まれて苦戦。ゴールを脅かされる場面を作られましたが、これをチャン選手やGKクォン・スンテ選手の好プレーで凌ぐと、その後は忍耐強くプレーを続けて徐々にペースをつかみました。後半に入ると鹿島らしいパスワークが見られるようになり、58分にMFレオ・シルバ選手が土居選手とのワン・ツーから先制。さらに、動きの落ちた相手に攻撃を畳み掛け、70分にはFKを蹴ったセルジーニョ選手がゴール前に顔を出して、MF三竿健斗選手の浮き球に左足を合わせて、今大会5戦連続ゴールで2-0で勝利しました。クラブのACL通算32勝目は日本のクラブでの最多勝利です。
この結果、11月10日(土)のアウェイでの第2戦で、鹿島は勝つか引き分ければ無条件で優勝が決まり、クラブ史上20冠目獲得でアジア初制覇達成となります。注目の一戦はもうすぐです。
大会期間:2018年1月30日(火)~2018年11月10日(土)
決勝 第1戦
11/3(土) 15:00 鹿島アントラーズ(日本) vs ペルセポリス(イラン)
会場:茨城県立カシマサッカースタジアム
決勝 第2戦
11/10(土) 18:30 ペルセポリス(イラン) vs 鹿島アントラーズ(日本)
会場:アザディスタジアム
日程・結果など大会情報はこちら
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