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第98回天皇杯 磐田が打ち合いを制し、2大会連続のベスト8進出を決める
2018年09月28日
天皇杯JFA第98回全日本サッカー選手権大会は9月26日(水)、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の影響で日程変更となっていたラウンド16(4回戦)の残り2試合が行われ、ヤマハスタジアムではジュビロ磐田(J1)と北海道コンサドーレ札幌(J1)が対戦しました。
我慢していた空も、ついに試合開始1時間前に泣き始めました。徐々に雨脚が強まる中、ゴール裏に集ったファン・サポーターは声を振り絞って両チームを準々決勝進出へと後押しします。
試合は開始15分を待たずして、ゴールを奪い合う展開となりました。先手を取ったのはホームの磐田です。自陣から逆襲に移りつつ、右から逆サイドへと大きく展開すると、ボックス手前で受けたのは左サイドバックの小川大貴選手。「縦パスの意識を強く持っていた」というこの試合、チャンスで選択したスルーパスを、ゴール前に入り込んだ川又堅碁選手が冷静にワンタッチでゴールネットを揺らしました。
しかし、その2分後には、札幌が狙っていた形で追いつきます。センターサークル左からのキム・ミンテ選手のロングパスが、ボックス内右へ走り込んだ早坂良太選手へピタリと通ります。早坂選手は走りながらの見事なトラップに続き、思い切ってニアサイドを打ち抜き、試合を振り出しに戻しました。
この同点の場面のように、札幌はロングボールを活用して磐田を揺さぶります。斜めのボールのみならず、14分には兵藤慎剛選手が隙を逃さず縦にロングパス。ミートできなかったものの、エリア内には内村圭宏選手が走り込んでチャンスをうかがっていました。その内村選手は早々に負傷して交代を強いられますが、札幌は宮吉拓実選手を1トップに上げ、シャドーの位置に小野伸二選手を投入。負傷交代という緊急事態を、パスの出どころが増えるというポジティブなものに転換しようとします。
同点で試合を折り返しますが、シュート数で上回ったのは磐田です。すると59分、柔らかいタッチで裏へのパスを狙っていた山田大記選手が、今度は自ら狙います。CKのこぼれ球をファーサイドで拾うと、パスを狙うふりをしながら位置を変えて思い切ってシュート。かなり狭いニアサイドを抜いて、再び磐田が勝ち越しました。
しかし、札幌の名手も負けていません。2度目のリードを奪われた10分後、左サイドを崩してからのクロスのこぼれに、最後に走り込んだのは小野選手でした。柔らかく送ったボールはゴール前の兵藤選手が頭で合わせて再度追いつきます。後半から兵藤選手は2列目、小野選手は中盤の底への入れ替えたポジション変更が奏功しました。
それでも磐田はギアを落としません。流れを加速させたのは、交代で入った荒木大吾選手です。72分には山田選手がスリッピーなピッチを利したエリア内へのパスに走り込み、オウンゴールを誘発。さらにボックス前での混戦で思い切って右足を振るい、豪快な一撃で突き放します。札幌の反撃もしのぎ切った磐田が4-2で勝利し、昨年に続く準々決勝進出を決めました。
監督・選手コメント
名波浩 監督(ジュビロ磐田)
リーグ戦の悪い流れを断ち切ろう、出ている選手で頑張ろうと試合に入りました。失点はあっさり取られた感じがありましたが、ラインコントロールをまめにすること、ボールホルダーへのアプローチにこだわることで改善できると思っています。4点取れたことは良かったですし、ゴールに向かっていく姿勢と回数について2日間にわたって言い続けてきたので、それを見せてくれました。昨季の天皇杯はベスト8で負けているので、もう1つ上へという気持ちを持ってやっていきたいと思います。
MF #19 山田大記 選手(ジュビロ磐田)
次の試合に進むことが大事だったので、勝てて良かったです。ゴールシーンは、あの状況でボールを持った時には狙おうと思っていました。コースは、あの相手の股下しかありませんでした。システムを少し変えて、ボールをつなぐ時には前の人数が増えるという良い部分、守備では最終ラインにスペースができてしまうという悪い部分も見えました。まだまだ課題もありますが、天皇杯で勝ち上がることはもちろん、とにかく勝ってリーグにもつなげるという意識を持ってやったので、結果につながって良かったです。チームとして勢いにつなげていきたいと思います。
ミハイロ・ペトロヴィッチ 監督(北海道コンサドーレ札幌)
両チームとも攻撃的に戦った好ゲームでしたが、残念ながら多く失点して敗退してしまいました。それでも、勇気を持って攻撃的に戦ったゲームだったと思います。先制されても追いついて、またリードされても追いつきましたが、3点目を取るチャンスを決め切れませんでした。常に後手を踏むという、難しい試合展開になりました。チームは現在、リーグ戦で連敗しており、これで公式戦3連敗です。これで、勝負は残されたJ1に絞られました。そこに集中して、戦っていきます。
MF #6 兵藤慎剛 選手(北海道コンサドーレ札幌)
得点場面は(小野)伸二さんのところにボールが行った瞬間にこちらを見ていたので、来るかなと思っていました。ヘディングはあまり得意ではないのですが、うまくスリッピーなグラウンドを利用すれば入るのではという狙い通りに決まってくれました。追いついても勝ち越せず、ずっと追いかける厳しい展開になりました。人数がいるのに守れず、イージーミスからのピンチも多いので、まだまだ課題は多いですね。何度か良いシーンはつくれているので、その攻撃の継続と、全員で粘り強く守るという基本的なところを、チームを引き締め直すためにも、練習からもっとやっていなければいけないと思います。
【1回戦】5月26日(土)、27日(日)
【2回戦】6月6日(水)
【3回戦】7月11日(水)
【ラウンド16(4回戦)】8月22日(水)、一部予備日 9月26日(水)
【準々決勝】10月24日(水)、11月21日(水)
【準決勝】12月16日(日)
【決勝】12月24日(月・振休)
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