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第26回全日本高等学校女子サッカー選手権大会 作陽と藤枝順心が決勝進出を決める

2018年01月05日

第26回全日本高等学校女子サッカー選手権大会 作陽と藤枝順心が決勝進出を決める

「第26回全日本高等学校女子サッカー選手権大会」は1月4日(木)、兵庫県の神戸ユニバー記念競技場で準決勝2試合が行われました。

ピックアップマッチ1

岡山県作陽高校 1-1(前半0-1、後半1-0、PK5-4)福井工業大学附属福井高校

第1試合では、岡山県作陽高校(中国1/岡山)と福井工業大学附属福井高校(北信越2/福井)が対戦しました。共に初の準決勝を戦うチーム同士が、序盤から激しく相手にプレッシャーをかけ合いました。このつばぜり合いの中で、1本のスルーパスから工大福井が連続して好機をつくります。11分に抜け出した清水紀良里選手がドリブルに移ると、ボックスペナルティエリア外左でファウルを誘発。直接ゴールを狙ったFKはGKに弾かれたものの、キッカーの村上賀梨選手はこのCKを得点に結びつけます。ファーサイドに走り込んだ小林和音選手に合わせる、今大会何度も見せてきた“ホットライン”で先制点が生まれました。

作陽は何度か1トップの越島杏佳選手を長いパスで走らせたものの、なかなかチャンスに至りません。流れをつかめないままハーフタイムに入ると、選手交代はしないもののポジションをさまざま入れ替えて状況の打開を狙います。蓮輪真琴選手を最終ラインから1列上げ、山﨑涼帆選手を右MFから中央へと移し、共にボールをキープでき、競り合いにも強い2人でセンターラインを強化します。するとこれが奏功し、チーム全体でボールを持ち、動かせるようになっていきました。さらに63分に2枚目の交代カードを切ると、これが的中。69分の遠目からのFKを、6分前に交代出場していた牛久保鈴子選手がヘディングで決めて、試合を振り出しに戻しました。

さらに作陽は、スピードのある神田絢音選手を前線に投入。すると90分には縦パスに抜け出し、飛び出したGKもかわしてシュート。この枠内への一撃は中盤から戻った工大福井MF渡邊真衣選手のカバーリングに防がれますが、もつれ込んだPK戦でも作陽が勢いを自ら引き寄せます。一時はリードされたものの、今大会初出場のGK藪下真唯選手が2本をセーブして逆転。采配が見事に的中した作陽が、初の決勝進出をつかみ取りました。

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ピックアップマッチ2

大商学園高校 0-2(前半0-1、後半0-1)藤枝順心高校

第2試合では前回大会のファイナリストである大商学園高校(関西2/大阪)と、2度の優勝を誇る藤枝順心高校(東海2/静岡)が対戦しました。ボールを幅広く動かそうとする藤枝順心に対して、大商学園は走力と球際の強さを前面に押し出し、前線から封じ込めにかかります。ボールを下げさせ、さらにサイドに追い込んでは、ボールの回収につなげます。この苦しい局面で、力を発揮したのが藤枝順心の背番号10、千葉玲海菜選手でした。14分、左タッチライン際に流れたボールを全力で追うと、ギリギリで追いついて縦にパス。さらに足を止めずに前に出ると、戻ってきたボールを運んで、ゴール左からのシュートに持ち込みます。この一撃は弾き出されたものの、このCKを大村琴美選手が押し込んで、藤枝順心がリードを奪いました。

先制した後も、藤枝順心は大商学園の圧力を受けながらも好機をつくります。29分には今田紗良選手が相手ボックス付近でDFからボールを奪ってシュート。これはわずかに枠を外れましたが、45分にも縦に抜け出し、怖さを示します。すると今田選手は後半に大きな仕事をします。後半早々にこぼれ球を直接たたいて大きくふかしてしまうも、ベンチから「仕掛けていいぞ」と声を受けて迎えた13分、再びチャンスが訪れます。左サイドでパスを受けて縦にスピードに乗ると、ボックス左で切り返してエリア内に侵入し、自らシュート。この一撃が逆サイドのゴールネットを揺らし、リードを広げました。

大商学園はハーフタイムに続き、60分、69分と攻撃的なカードを切ります。運動量を落とすことなく、後半途中からは最終ラインの林かおる選手を1列上げて中盤を厚くし、ボールを奪えば縦への速い攻撃を狙い続けました。しかし、藤枝順心は最後まで集中を切らさずに予測と足を止めない守備を続け、ゴールを許さず。優勝を果たした前々回大会以来となる決勝に、藤枝順心がたどり着きました。

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決勝は1月7日(日)、神戸ユニバー記念競技場で14時10分にキックオフとなります。

監督・選手コメント

牛久保鈴子 選手(岡山県作陽高校)
自分が入って点を決めようと思っていました。準々決勝でも同じような形がありましたが、ポストに当ててしまったので、今日は何としても決めようと思っていました。先発ではなくても、相手は疲れている状況で私が走れば優位に立てると、いつも前向きにとらえています。2年生の時のインターハイ決勝は、ベンチから見ただけで出場機会はありませんでしたが、負けて倒れ込んで泣く先輩たちの姿が目に焼き付いています。その先輩たちの分の思いも背負って、優勝して終わりたいと思います。

久保直也 監督(福井工業大学附属福井高校)
相手の方が個々の力は上だと分かっていましたが、「うちは守備からゲームをつくるチームだからむしろかみ合うぞ」と話していました。前半はそういう試合にできましたが、後半はリードしていたためか、少し受け身の守備になったのかなと思います。今までも力のある選手たちはいましたが、壁を乗り越えられませんでした。過去とチーム力は同じくらいだとしても、先輩たちが歴史をつくり思いを残してくれたからこそ身についた勝負強さのおかげで、今回ここまで来られたと思います。皆の胸に決勝進出という思いが去来したであろう天国の一瞬から地獄へ落ちましたが、これがサッカーの難しさであり、醍醐味です。このしびれる試合で選手全員が、悔しく思うだけではなく、もっとサッカーを好きになってくれたら嬉しいです。

今田紗良 選手(藤枝順心高校)
ゴールの場面では、カットインばかりしていると相手にも分かってしまうと思ったので、縦にスピードで仕掛けようと思って、そこから左で打ちました。足首には痛みがありましたが、ピッチに立ったからには関係ありません。出たくても出られない人のためにも、やらなければいけないという義務があります。去年は同じ1月4日に、大商学園に負けました。試合前には、たくさんの先輩に頑張れと言ってもらったので、恩返しのためにもやらなければいけないという思いがありました。私は全国優勝するために藤枝順心に来たので、何が何でも優勝をつかみ取ります。

岡久奨 監督(大商学園高校
相手の個々の能力が高いことは分かっていました。サイドバックの裏を取りたいと思っていて、立ち上がりにはうまく押し込めていましたが、先制点を奪われて最終ラインが引いてしまいました。2失点目の衝撃も大きかったと思います。前半に消耗したのか、後半は押し込まれる時間が続き、前に行く力がなくなりました。それでもよく戦って、最後まであきらめずにやってくれました。3年生は卒業後もサッカーを続けるので、ここでしか感じられないものや、どうしたら格上にも勝てるかということが分かったと思います。次のステージで悔しさをバネに頑張ってほしいと思います。

第26回全日本高等学校女子サッカー選手権大会

開催期間:2017年12月30日(土)~2018年1月7日(日)
会場:三木総合防災公園(兵庫県三木市)、五色台運動公園(兵庫県洲本市)、いぶきの森球技場(兵庫県神戸市)、しあわせの村(兵庫県神戸市)、神戸総合運動公園(兵庫県神戸市)
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