ニュース
第25回全日本高等学校女子サッカー選手権大会 十文字が初優勝
2017年01月09日
第25回全日本高等学校女子サッカー選手権大会の決勝が1月8日(日)、兵庫・ノエビアスタジアム神戸で行われ、十文字高校(関東3/東京)が初の栄冠に輝きました。
十文字と大商学園高校(関西2/大阪)は、ともに初の決勝進出で、どちらが勝っても初優勝となる一戦でした。互いに最後の1勝へ気持ちを高める一戦で、先にペースを握ったのは十文字。小気味良くボールを動かしつつ、長いパスを絡めてチャンスをうかがいます。8分には左サイドへの長いスルーパスで蔵田あかり選手を走らせ、12分には左からのアーリークロスに松本茉奈加選手が走り込み、ヘディングで大商学園ゴールを脅かしました。その松本選手はさらにゴールへ向かう意欲を強く打ち出します。19分には縦パスに抜け出してシュートへ持ち込み、22分にはドリブルで力強く自らゴール前へと運んでいきました。
大商学園は耐える展開が続きます。中盤では何とか相手選手を捕まえようとポジショニングに気を使いながら足を止めず、最終ラインも懸命に相手とボールに食らいつき続けました。攻撃時は久保田晴香選手にボールを集めて打開の糸口を探しますが、前線に人数を割くことが難しく、前半の大商学園はシュート0本に終わりました。
後半に入っても、十文字は松本選手の突破などで大商学園ゴールに迫ります。大商学園は50分に相手DFのミスパスを拾った久保田選手が持ち込み、56分にはFKから相手ペナルティエリア内にボールを送りますが、ビッグチャンスには至りません。すると61分、ついに試合が動きました。十文字は、大商学園のGK西村清花選手が蹴ったボールを相手陣で拾って縦パス。これを受けた村上真帆選手はゴールまで30メートル近い距離がありましたが、ワンタッチでボールをコントロールすると、思い切り左足を振り抜きます。このシュートが大きな弧を描いて、ゴール左隅に決まりました。
負う立場になった大商学園は、後半開始時に続き、67分に選手を交代。準決勝同様に矢野粧子選手を中盤に入れて、パスの出しどころを増やします。アイデア豊かな矢野選手のパスから、何とかゴールに近づこうとしますが、十文字の守備陣も集中力を保ち続けます。堅守は攻撃にも良い流れをもたらし、86分にCKから惜しいシュート、90分にはクロスバーを叩く一撃を放つなど、最後までゴールを目指し続けた十文字が、1-0とリードしたまま大会初優勝を飾りました。
監督・選手コメント
石山隆之 監督(十文字高校)
決勝の前日ミーティングでは、「勝っても負けても、今まで積み上げてきたものを発揮しよう」と話しました。相手は守備が強固で前線に速い選手もいますが、自分たちも集中して守ることができたと思います。運もありました。カウンターアタック一発でやられるという展開が怖かったのですが、選手たちを信じて全体をコンパクトにしてボールを保持できたのが良かったと思います。中学、大学も含めてコンセプトを統一し、目指すサッカーから逆算しながら育成してきました。また来年に向けて、チャレンジをしていきたいです。
村上真帆 選手(十文字高校)
「決勝は最後の試合だから自分たちのサッカーをして勝とう」とみんなで話していました。試合前日の練習で、ゴールが見えた瞬間に打ったシュートがクロスバーに当たる場面がありました。今日の得点場面もほぼ同じ状況で、絶対に決めたいと思って打ったら本当に決まりました。運もあったと思いますし、良い流れで余裕があったことで、前を見ることができたのだと思います。プレーする11人だけではなく、ベンチのメンバーやスタンドから応援してくれた人などの支えがあっての優勝なので、そうした方々に感謝したいです。
岡久奨 監督(大商学園高校)
前半はよく耐えて、先制された後も前に出てチャンスをつくったのですが、難しかったですね。選手たちはたくさん走り、声をかけ合い、粘っていました。力を出し切った結果の敗戦なので、清々しい気持ちです。自分たちが取り組んできたことは間違っていないので、あとは個々が課題と向き合い、成長していってほしいです。3年生は下級生の見本になる存在で、普段から「何かやってくれるんじゃないか」と思わせてくれるほど、サッカーに打ち込んでいました。ここまで来られたのは、その取り組みの成果です。今日の差を、これからのサッカー人生で覆せるように頑張ってほしいです。
久保田晴香 選手(大商学園高校)
とても悔しいですが、自信を持ってピッチに立ち、自信を持ってサッカーができました。その点に後悔は全くありません。決勝で出せたものが今の実力だということを受け止めて、次のステージでも頑張りたいです。決勝までサッカーができて本当に幸せでした。自分たちがここまで勝った裏には、負けたチームがいます。負けた瞬間に崩れ落ちたら、そういうチームに失礼という思いが無意識に出て、最後まで胸を張っていたのだと思います。日本一になれなかったので、100%の達成感ではありませんが、みんなが今年のチームが大好きだったと言っています。その点はどのチームにも負けないという自信があります。
第25回全日本高等学校女子サッカー選手権大会
2016年12月30日(土)~2017年1月8日(日) [全試合無料]
1回戦~準々決勝:兵庫県内会場
準決勝~決勝:ノエビアスタジアム神戸(兵庫県)
関連ニュース
最新ニュース
- 大会・試合 2024/11/26 組み合わせ および 決勝のテレビ放送・配信、準々決勝~準決勝の配信が決定 第33回全日本高等学校女子サッカー選手権大会
- JFA 2024/11/26 移籍リスト 第25-02号
- 日本代表 2024/11/25 フットサル日本女子代表候補 国内トレーニングキャンプ メンバー・スケジュール(11.28-12.1@千葉/高円宮記念JFA夢フィールド)
- 2024/11/25 令和6年能登半島地震 復興支援活動 サッカーファミリー復興支援チャリティーオークション第8弾、本日より開始
- 大会・試合 2024/11/25 大津がWEST初制覇 高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2024第20節