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なでしこ、オーストラリアに敗れて黒星スタート ~女子オリンピックアジア最終予選~

2016年03月01日

なでしこ、オーストラリアに敗れて黒星スタート ~女子オリンピックアジア最終予選~

なでしこジャパン(日本女子代表)は2月29日(月)、大阪で開幕したリオデジャネイロオリンピックのアジア最終予選第1戦でオーストラリアと対戦。1-3で敗れて、黒星スタートとなりました。

日本が準優勝した昨夏のFIFA女子ワールドカップ準々決勝以来の顔合わせとなった対戦で、互いに当時出場した選手を10人ずつ揃える先発で臨みましたが、今回の展開は違ったものになりました。

立ち上がりから激しく積極的に日本にプレスをかけて、ロングボールに頼らずにパスをつないで組み立てるオーストラリアに対し、MF宮間あや選手が「隙があった」と振り返ったように、日本は動き出しで一歩遅れ、思うようにボールを奪って展開することができません。

前半25分、日本は中央での相手シュートをブロックしますが、そのこぼれ球を繋がれ、MFカトリーナ・ゴリー選手に右からクロスボールを上げられ、逆サイドでフリーになったFWリサ・デバンナ選手に頭であわされて失点します。

その後も日本は中盤でボールを左右にさばいて動き回るゴリー選手を抑えることができません。ボールを奪っても前線でキープできず、苦しい展開が続きます。

40分にFW大野忍選手に代えてFW横山久美選手をベンチから投入しますが、その直後に不運にも見舞われました。MF阪口夢穂選手がサイドチェンジを狙ったボールがレフェリーに当たってMFリサ・デバンナ選手の前へ。そのボールを拾われて攻め込まれ、FWミッチェル・ヘイマン選手に繋がれ、ヘイマン選手がGK山根恵里奈選手を交わしてゴールを決めました。

4大会連続5度目のオリンピック出場を目指す日本は、前半終了直前のアディショナルタイムに1点を返します。右サイドからMF川澄奈穂美選手がペナルティエリア内に攻め上がったDF有吉佐織選手へ繋ぐと、有吉選手のマイナスのボールを受けた阪口選手がゴール前へパスを通します。これに反応したFW大儀見優季選手がゴールネットを揺らして1-2にしました。

後半、反撃に出たい日本は49分にCKからつないで、最後は阪口選手が大儀見選手の浮き球のパスを胸でトラップして右足を振り抜きますが、GKリディア・ウィリアムズ選手に止められます。

13分にはMF中島依美選手が攻め上がってシュートを狙い、その3分後には宮間あや選手がミドルレンジから相手ゴールを脅かすシュートを放ちますが、再びGKに阻止され相手ゴールを割れず、なかなか流れを引き寄せることができません。

78分には、オーストラリアに右サイドのスローインから繋がれ、MFエミリー・バネグモンド選手の右からのクロスボールに、逆サイドを攻め上がったゴリー選手が頭で合わせて痛い3失点目。DF熊谷紗希選手は「完全にマークが外れていた」と振り返りました。

日本は84分にDF鮫島彩選手に代えてFW岩渕真奈選手、MF川澄奈穂美選手に代えてMF川村優理選手を投入して攻撃的なシフトに切り替えて追撃を試みます。88分には右サイドで得たFKで宮間選手が直接ゴールを狙い、アディショナルタイムにも再び宮間選手がFKを狙いましたが、いずれもGKに弾かれてゴールネットを揺らすことはできずに試合終了を迎えました。

試合詳細はこちら

大会では出場2枠を懸けて6チームが1回戦総当たりで対戦し、上位2チームが出場権を獲得します。この日の他2試合では、中国が予選を勝ち上がってきたベトナムに2-0で勝ち、朝鮮民主主義人民共和国は韓国と1-1で引き分けました。

この結果、初日を終えて勝ち点3を手にしたオーストラリアが得失点差で首位に立ち、中国が2位。韓国と朝鮮民主主義人民共和国が勝ち点1で3位に並び、日本は5位、ベトナムは6位です。

次戦は3月2日(水)に行われ、日本は韓国と対戦。その後、4日(金)に中国、7日(月)にベトナム、9日(水)に朝鮮民主主義人民共和国と対戦します。

監督・選手コメント

佐々木則夫 なでしこジャパン(日本女子代表)監督
オーストラリアの非常にアグレッシブなサッカーを想定して準備していましたが、相手のゴールを死守する気持ちが勝っていました。攻守において非常にパワフルでメリハリのある相手のプレーに対して、我々はボールの動かし方や仕掛けで精度が落ちていました。前半はサイドハーフが引き気味になりすぎて、相手のビルドアップを抑えることを怠ってリズムを与えてしまったことは反省点の一つです。いままでやってきたこと一つ一つの精度を確認したいです。下を向くわけにはいかないので切り替えて、残り4試合を全て勝つ気持ちで次戦へ準備します。

DF #4 熊谷紗希 選手(オリンピック・リヨン/フランス)
失点は完全にマークが外れていました。前半は向こうが3トップで前から喰いついてきて、自分たちは思うようにビルドアップで前に運べませんでした。そういう部分を豪州は準備してきていたと思いますし、相手の勢いやパワーに対して、自分たちは自信を持って前に行けなかったのではないかと思います。コミュニケーションと、クロスボールの対応を見直したいと思います。

FW #10 大儀見優季 選手(1.FFCフランクフルト/ドイツ)
得点はこぼれ球を押し込みました。こうした大会では相手のGKやDFもペナルティエリアで慌てる場面が出てくるので、狙っていかないと、と思っています。一点を返して流れを作りかけましたが、さらなる流れを作ることができませんでした。自分たちの力だと思います。次戦に向けて前向きに切り替えて、クロスボール一つでも工夫をして攻撃のポイントを絞って、各試合に挑んでいきます。

MF #6 阪口夢穂 選手(日テレ・ベレーザ)
負けてしまって悔しいです。私が決めていれば流れは変わっていたので責任を感じます。審判に当たって失点した不運もありましたが、こぼれた後に何かできたかもしれません。韓国戦は内容より、とにかく結果です。

アレン・スタジッチ オーストラリア女子代表 監督
世界トップクラスの日本に公式戦で勝てたことは歴史的です。この3~4週間は日本戦へ向けて準備しましたし、自信を持ってプレーして日本のリズムを崩すことが狙いでした。ワールドカップの時よりもフィットネスは良く活力もあり、当時よりも良いプレーができました。勝利に値すると思います。

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スケジュール

女子サッカー アジア最終予選(リオデジャネイロオリンピック2016)
2月29日(月) 1-3 第1戦 vs オーストラリア女子代表(キンチョウスタジアム)
3月1日(火) AM トレーニング
3月2日(水) 19:35 第2戦 vs 韓国女子代表(キンチョウスタジアム)
3月3日(木) AM トレーニング
3月4日(金) 19:35 第3戦 vs 中国女子代表(キンチョウスタジアム)
3月5日(土) AM トレーニング
3月6日(日) AM トレーニング
3月7日(月) 19:35 第4戦 vs ベトナム女子代表(キンチョウスタジアム)
3月8日(火) AM トレーニング
3月9日(水) 19:35 第5戦 vs 朝鮮民主主義人民共和国女子代表(キンチョウスタジアム)

※スケジュールや会場は変更になる場合がございます。

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