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U-24日本代表、PK戦を制して準決勝進出
2021年08月01日
第32回オリンピック競技大会(2020/東京)の男子サッカー競技の準々決勝が7月31日(土)に開催され、茨城カシマスタジアムで、日本がニュージーランドと対戦しました。
日本は先発FWに林大地選手が復帰し、左MFに相馬勇紀選手を起用。出場停止のDF酒井宏樹選手に代わってDF橋岡大樹選手が右サイドバックの位置に入りました。対するニュージーランドは5人のDFに3人のMF、そして2トップという5-3-2の配置を採用。これは「1トップだと思ったので、予想していなかった」と冨安選手が振り返ったとおり、予測とは異なる並びでした。
3人のMFは日本の中盤の中央に位置する選手たちを厳しく監視。「ほぼマンツーマンで付いてきた」とMF遠藤航選手が語るとおりの、日本のビルドアップをしっかり研究した上での戦術に、日本は試合を通して苦しめられることとなりました。
相手が中央を厳しくマークする分、「サイドが空いている」(冨安)状況となり、日本は多くの状況でフリーになるサイドバックを使った形での攻撃から状況の打開を図ります。前半10分には、ショートCKから遠藤選手にビッグチャンスが訪れますが、シュートは枠外へ。31分にはMF久保建英選手からMF堂安律選手、同34分には相馬選手から堂安選手という形で決定機を作りましたが、いずれもゴールには結びつきませんでした。
後半に入っても、日本はペースを掴み切れません。51分には、ニュージーランドが選手交代から4-3-1-2の形にシフトチェンジして勝負手を繰り出すと、試合はより難しい展開になり、日本のゴールに迫られるシーンも増えていきます。それでも82分に日本は、堂安選手のクロスから後半最大の決定機を迎えたものの、交代出場のFW上田綺世選手のシュートはGKマイケル・バウド選手に阻まれてゴールネットを揺らすことはありませんでした。
延長に入ってからは苦しい時間帯もありましたが、「タフな試合になることは最初から予想していた。(相手に主導権があった時間帯も)やられている感はなく、やらせている感を持ってやれていた」(冨安)という守備陣がゼロ封。一方、日本の攻撃も実らず、決着はPK戦へと委ねられることになりました。
このPK戦では「最後は自分の直感を信じて跳べ」という川口能活GKコーチのアドバイスを受けたGK谷晃生選手がニュージーランドの2番手、DFリベラト・カカーチェ選手のシュートをストップして流れを引き寄せると、その後も1人が枠を外したニュージーランドに対し、日本はDF吉田麻也選手までの4人全員が成功。4-2のスコアで日本がPK戦を制しました。
森保一監督は「選手たちは勇気を持ってキッカーとして立候補してくれた。その勇気やこの試合を自分が決めて勝ち切るという思いが、PK戦の勝利につながった」と、名乗り出たキッカーたちの勇気を称え、「選手たちがタフに粘り強く戦い抜いてくれた」と選手たちの奮闘を称賛しました。
これで日本は2012年のロンドン大会以来となる準決勝進出。中2日で迎える8月3日(火)、埼玉スタジアムにてスペインと対戦します。
監督・選手コメント
森保一 監督
無失点に抑えながら、最後はオリンピックで結果を出すという強い気持ちを持って戦い抜いてくれました。まずは勝つことが大切なので、選手たちの頑張りを称えたいと思っています。内容としては、無失点で戦えたところはもちろん良かったですが、攻撃の部分では、できればゴールを決めて勝ち切りたかったと選手も思っていると思いますし、私にもその思いがあります。しかし、今日の対戦相手のニュージーランドはなかなかゴールをこじ開けさせてもらえないだろうと予想はしていました。次のスペイン戦ではまたチャンスを作って得点することができればと思っています。
GK #12 谷晃生 選手(湘南ベルマーレ)
難しい試合展開になりましたが、元からそうなると思っていました。相手に高さのある選手が多く、ハイボール対応は自分の強みなので、そこで相手のストロングを消せればと思いながらプレーしていました。PK戦は最後までライン上に足を残し、あとは自分の直感を信じて全力で跳ぼうという、それだけですね。止めた場面は読みも跳ぶタイミングもバッチリだったと思います。
DF #5 吉田麻也 選手(サンプドリア/イタリア)
「よく我慢した」と思える試合でした。間違いなくタフな試合になるとは思っていましたし、相手もそんなに簡単に諦めるチームじゃないとは感じていました。点のたくさん入る試合が続いていたので、今日もそうなると期待されていた方もいらっしゃったと思いますけど、こういう試合ももちろんあります。こういうときに、やっぱり後ろが我慢してチャンスをうかがう、我慢ができるかが大事になってきます。谷選手は大会を通じて成長しているなと僕も感じていますし、今日もよく止めてくれました。
DF #13 旗手怜央 選手(川崎フロンターレ)
結構引かれている相手でしたし、チームの連係もよくできていて本当に手強い相手でした。局面局面の球際の攻防でも相手は強かったです。PK戦に関して自分はもうピッチにいなかったので、谷選手に「ヒーローになるチャンスだぞ」と言ったあとは、「なんとかしてくれ!」と祈りながら見守っていました。その祈りの通りにしっかり止めてくれて、谷選手は本当に良いGKだなあと思いましたね。自分は今日もチャンスで決められなかったので、次は結果を残せるように頑張ります。
DF #14 冨安健洋 選手(ボローニャFC/イタリア)
難しい試合になることは予想していました。1試合を通して自分たちの時間帯にできるわけもないですし、耐える時間帯も必要だと最初から思ってもいました。ニュージーランドは絶対に最後まで諦めずにやるという予想もあったので、「僕らも最後までやろう」とは思っていました。PK戦が始まる前に、谷選手には「頼むぞ!」ということと、「今日は当たってるよ!」ということは伝えました。
MF #6 遠藤航 選手(VfBシュツットガルト/ドイツ)
今日はひとつ、自分のところで決められていればというのもありましたし、チームとしても決め切れていればという場面がありました。ただ、グループステージでは前の選手たちに点を取ってもらって助けてもらっていたので、「今日は自分たちが我慢するゲーム展開だな」と思っていました。相手もタフに戦ってくる中で、我慢しながら試合を進めて最後はPK戦で勝つことができてよかったです。
第32回オリンピック競技大会(2020/東京)
サッカー競技日程:2021年7月21日(水)~2021年8月7日(土)