リオデジャネイロオリンピックへ向けてブラジルのアラカジュで直前合宿に臨んでいる日本代表チームは7月27日（水）、地元クラブのC.S.セルジッペと練習試合を行い、FW興梠慎三選手（浦和レッズ）のゴールで先制しましたが前半終了間際に失点して1-1で引分けました。

日本は4-2-3-1の布陣でスタート。45分ハーフ2本で、選手交代および退出選手の再起用も認められていましたが、前半はこのメンバーをキープして戦いました。

試合開始のキックオフからMF遠藤航選手（浦和レッズ）からのパスを受けたMF中島翔哉選手（FC東京）が相手DF裏のスペースへのパスを送ると、興梠選手が走り込んでゴールネットを揺らしました。

中島選手はその後も積極的に動いて、14分には左サイドから入れたクロスに興梠選手が反応しますが、あと一歩で相手DFにクリアされます。DF藤春廣輝選手（ガンバ大阪）も左サイドで攻撃参加を試みるものの、中央の選手となかなかうまく噛み合いません。

前半の半ば過ぎから日本にはミスも増え、セルジッペにボールを取られて縦を突かれる場面が増えます。前半終了間際の失点場面もHiago選手に突破を許し、走り込んできたRafael選手にゴール前で合わされて同点にされました。

後半は開始からDF亀川諒太選手（アビスパ福岡）、DF岩波拓也選手（ヴィッセル神戸）、MF井手口陽介選手（ガンバ大阪）、中島選手以外は選手を入れ替えて4-1-4-1で臨みます。しかし、岩波選手は62分に体調不良を訴えてトレーニングパートナーのDF小島雅也選手（ベガルタ仙台）と交代。その2分後には亀川選手がトレーニングパートナーのMF渡辺皓太選手（東京ヴェルディユース）と入れ代わりました。

64分に中島選手、その2分後に後半から出場のMF矢島慎也選手（ファジアーノ岡山）がシュートチャンスを作りましたが、それ以外はなかなかゴールに迫ることができません。59分にはMarlon選手に近い距離からシュートを打たれましたが、後半交代出場のGK中村航輔選手（柏レイソル）が好セーブ。1-1で試合を終えました。

平日午後の練習試合にもかかわらず、多くの地元ファンが駆けつけて会場を盛り上げていました。キックオフ前にはセルジッペ州関係者とオリンピック日本代表チームとの間で記念品の交換が行われ、試合終了後、場内の電光スクリーンに「リオ五輪頑張って下さい！応援」の文字が映し出されると、スタンドは温かい拍手で包まれました。

手倉森誠監督は、「良いトレーニングだった。コンディショニングを整えながら自分たちの現状の位置を知る狙いだったが、こんなもんだなと感じている」とコメントし、塩谷選手は、「一緒にやってきたメンバーがあまりいないので、僕たちオーバーエイジの選手にとってはありがたい試合。こういう機会や練習の一つひとつ、1日1日が凄く大事になる」と語りました。

なお、前日まで発熱と腹痛による体調不良でホテルで静養に努めていたMF大島僚太選手（川崎フロンターレ）は試合を観戦。試合後、グラウンドでランニングを行ないました。

チームは28日に当地で練習後、30日にブラジル戦を行うゴイアニアへ移動します。

監督・選手コメント

手倉森誠 オリンピック日本代表監督
今日の先発は、大会をうまく全員で勝ち進むためのコントロールを考えてのもので、これからの試合の多さを考えてオーバーエイジの起用も45分に留めました。後半はU-19年代を含め、それぞれの特長がしっかり出せる布陣を試そうとした中で、みんな持ち味を出してくれました。ただ、やろうとしていることが一辺倒で、興梠選手の足元やフリックが決まれば鋭さのある良い攻撃が表現できますが、自分たちが前線でパワーを使っている分、ボールを獲られると陣形が整わないうちに攻め込まれることになります。今日ミスが出たのは良かったです。試合の終わらせ方、時間の使い方、前を取らないときに相手をばらけさせながらボールを繋いだり、その際にボールを失って自分たちからピンチを招いていることなど、いい復習ができています。大会前に体感できたのがよかったです。

DF #6 塩谷司 選手（サンフレッチェ広島）
結果よりも練習でやっていたことやDFやGKとのコミュニケーションに重点を置いていました。そこはすごくよかったですし、ラインコントロールのところも悪くなかったと思います。話をしながらできました。失点場面はファウルだと思って足が止まってしまいましたが、笛が鳴るまで足を止めずに対応することが大事だと再認識しました。45分だけ（の出場）でしたが、世界トップとの対戦ではハイペースな展開が90分続きます。それまでに自分たちが対応できるようなコンディションを作っていきたいです。

FW #13 興梠慎三 選手（浦和レッズ）
本大会ではチャンスが少ない中で1、2本のチャンスをどれだけ決められるかが大事です。その意味でああいう場面で決められたのはすごく良かったと思います。中盤では1タッチ2タッチで良いコンビネーションができていましたが、一番危険なバイタルでなかなか崩せなかったのは課題ですし、シュート1本だけでは物足りない。センタリングが少なかった点でも前線でのキープが必要だと感じました。今日やってみて結構いけると感じました。
MF #10 中島翔哉 選手（FC東京）
興梠選手とはすごくやりやすかったです。あと１試合あるので、より連係をしっかりとりたいと思います。これからまだ１週間ちょっとあるので、ここでチームとしてもレベルアップしないといけません。危機感を持って大会に臨めるので良いと思います。自分たちのレベルの低さを自覚して、自信を持ってプレーできるように練習したいです。

スケジュール

※時間はすべて現地時間。
※スケジュールは、チームのコンディションや天候等により急きょ変更する場合があります。

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