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【ホットピ!~HotTopic~】U-20日本女子代表がコロンビアの地で躍進
2024年09月25日
8月31日から9月22日にかけて、FIFA U-20女子ワールドカップ コロンビア2024が開催されました。U-20日本女子代表はグループステージから攻撃的なサッカーを見せ、現地の観客を魅了。同大会の決勝に勝ち進み、準優勝に輝いたU-20日本女子代表の戦いを振り返ります。
グループステージで3連勝を飾る
U-20日本女子代表を率いた狩野倫久監督は、今大会に向けて、今年3月のAFC U20女子アジアカップ ウズベキスタン 2024を戦ったメンバーを中心に21人を選出しました。大会が開催されたコロンビアの会場は、標高が約2600mの首都・ボゴタ、約1500mのメデジン、約1000mのカリとすべて高地だったため、チームは約2週間前に現地入りして高地順化を促して調整。「食事や、水分を多めにとることや、練習量を調整しリカバリーに徹底して取り組み、コンディションを上げていった」と狩野監督が話す通り、大きなケガやコンディション不良者を出さずに全7試合を戦い抜きました。
「見る人の心を動かすようなフットボールをして、優勝する」という目標を掲げて今大会に臨んだ日本は、ニュージーランドとのグループステージ初戦で7-0の大勝。土方麻椰選手と笹井一愛選手が2点ずつを挙げてゴールラッシュを導き、幸先の良いスタートを切りました。
ニュージーランドとの初戦に7-0で勝利し、好スタートを切った日本。3試合で1失点と守備も安定していた
第2戦はガーナと対戦。前半のうちに笹井選手と松窪真心選手のゴールで2点をリードし、後半も早間美空選手と松永未夢選手が追加点を決めて4-1で勝利しました。早々にグループステージ突破を決めて迎えた第3戦は、オーストリアの堅守を多彩な攻撃で崩し、土方選手の2ゴールで勝利を収め、3連勝を飾りました。
前回大会のリベンジを果たす
グループステージ3試合でフィールドプレーヤー全員がピッチに立ち、7人がゴール。理想的な形で勝ち上がった日本は、狩野監督が「チーム一丸となって戦い、さらにギアを上げて臨んだ」と振り返るラウンド16でナイジェリアと対戦。この試合も流れの中から数多くの決定機を生み出し、松永選手のゴールと、土方選手の今大会5点目で2-1と勝利。ベスト8に駒を進めました。
4試合を戦ったボゴタのEl Techo Stadium(エル・テチョスタジアム)から、会場をメデジンのAtanasio Girardot Stadium(アタナシオ・ヒラルドスタジアム)に移して行われた準々決勝。前回大会の決勝で敗れたスペインと相まみえました。日本は大山愛笑選手、小山史乃観選手のダブルボランチを中心に中盤をコントロールし、「DFと連係しながら、相手にあまりシュートをうたせなかった」と話したGK大熊茜選手ら守備陣の奮闘も光りました。
一方、スペインもGKのEunate ASTRALAGA選手が好セーブを連発し、90分では決着がつかず延長戦に突入。待望の決勝ゴールが生まれたのは延長前半12分でした。大山選手のフリーキックを米田博美選手が頭で決め、死闘を制した日本がベスト4に進出。前回大会も出場し、決勝でスペインと対戦していた小山選手は、「日本と戦い方が似ている分、相手がやろうとしていることも分かっていたので、試合中に早く改善できた」と振り返り、チームが大会中に成長している手応えを語りました。
準々決勝で延長戦の末にスペインを下し、喜びを爆発させる。拮抗した展開だったが、最後まで焦ることなく冷静にプレー
決勝のアジア勢対決で敗戦
準決勝は、今大会で最も標高が低いカリのPascual Guerrero Stadium(パスカル・ゲレーロスタジアム)で行われ、地元コロンビアを準々決勝で破ったオランダと対戦。「標高が下がって、体力がついて走れると感じた」(土方選手)という環境の変化も味方につけ、厚みのある攻撃を展開します。終始試合を優勢に運び、松窪選手の2ゴールでオランダを2-0と撃破し、決勝進出を決めました。
オランダとの準決勝で勝利し、ピッチに寝転ぶ選手たち。準々決勝後も「寝転びパフォ」で喜びを表現していた
決勝は再び高地ボゴタに戻り、El Campin Stadium(エル・カンピンスタジアム)で朝鮮民主主義人民共和国と戦いました。3万2908人の大観衆が見守る中、日本は3月のAFC U20女子アジアカップにおいてグループステージと決勝で2度敗れた相手と、3度目の決戦に挑みました。
しかし、立ち上がりから相手の守備の圧力に押され、「今までは見られないようなミスもあった」と狩野監督が話すように、耐える展開となります。そして前半15分、ドリブルからチェ・イルソン(CHOE Il Son)選手に決められ、今大会で初めて先制を許します。後半は日本も反撃の糸口を探りますが、相手の堅守を破ることはできず、0-1で敗戦。朝鮮民主主義人民共和国が3大会ぶり3度目の優勝を飾り、日本は2大会連続の準優勝となりました。
決勝では朝鮮民主主義人民共和国に一歩及ばず。それでも最後まで粘り強く戦い、相手に食らいついた
世界大会の経験を未来につなげる
目標だった優勝はかないませんでしたが、3大会連続の決勝進出は史上初の快挙です。狩野監督は「選手は一戦一戦成長し、大会を通じても個々が大きく成長してくれた」と振り返り、「選手たちにとって、ここからが強いなでしこジャパン(日本女子代表)をつくっていくスタートになる」と選手にエールを送りました。
2大会連続で攻撃の軸となった大山選手は、「リーチの長い海外の選手に対して、予測してボールを奪うところは成果として出たと思う」と手応えを語った一方、「決勝の相手はフィジカルも技術もあって、まだまだ足りないと感じた」と話します。また、米田選手とともに守備陣をけん引した白垣うの選手は「フィジカルの強みを生かしてボールを奪えた部分は自信になった。たくさんのチームと対戦し、フィジカル面や戦術面でも学ばせてもらった」と、世界大会での貴重な経験を振り返りました。
表彰式では、松窪選手がadidasシルバーボール、通算5得点を挙げた土方選手が同ブロンズブーツを受賞。土方選手は「世界と戦う上では判断や予測がもっと大事になると感じた。サッカー人生の中でこの悔しい気持ちを忘れず、今後に生かしていきたい」と語り、なでしこジャパン入りへの強い気持ちも口にしました。
国内組の選手たちは9月24日に帰国。狩野監督は今後の日本女子サッカーの育成年代の伸びしろについて、「世界のサッカーが高速化している中で、フィットネスレベルは継続して追求していく必要がある。また、早いプレッシャーに対応するためにシンキングスピードを上げ、その中で技術を発揮していくことが求められる」と今大会を総括しました。
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