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「全力で戦って、未来の可能性を広げてほしい」鈴木隆二U-20フットサル日本代表監督インタビュー ~JFA 第6回全日本U-18フットサル選手権大会~
2019年07月30日
JFA 第6回全日本U-18フットサル選手権大会が8月1日(木)に開幕します。ここでは、AFC U-20フットサル選手権2019でU-20フットサル日本代表を初優勝に導いた鈴木隆二監督に、本大会の印象や出場選手へのメッセージなどを聞きました。
※このインタビューは2019年7月8日に実施しました。
インタビュー「努力をすれば必ず成長できる」大塚尋斗選手(法政大学/U-20フットサル日本代表)
――本大会にどのような印象がありますか?
鈴木 サッカーとフットサルという2つの競技が融合している素晴らしい大会だと思います。融合は日本独自のフットボール界の発展であり、私が以前に指導をしていたスペインとは違うところです。2つの競技がそれぞれ独立して、育成年代からリーグ戦やカップ戦を開催しているスペインと、サッカーチームがフットサルの大会に意義を持って参加をする融合型の日本という違いです。今までの大会を視察する中で、フットサルという競技の特性がサッカーチームにも少しずつ、しかも確実に浸透していると感じてきました。大会全体としても進化・発展してきているという印象を持っています。
――スペインでは、どのように行われているのですか?
鈴木 スペインでのフットサルは、6~7歳から年間を通したリーグ戦とカップ戦が行われています。そこは日本と違うところです。サッカーとフットサルの行き来も活発で、子どもと家族の意思、どちらが楽しいか、自分に向いているか、どちらの競技が人生を豊かにできるかという視点で、それぞれが主体性をもって選ぶことができる環境があります。育成年代でも年間を通したリーグ戦、昇降格をかけた入れ替え戦があり、また年に一度のカップ戦もあります。種目を変えたとしても試合を通して充実した経験ができるのです。
――日本ではまだU-18年代のリーグ戦はありません。
鈴木 そうですね。だからこそこの大会は非常に大きな意味を持っています。選手は公式戦を通して成長します。大会期間中、さまざまなスタイルのチームと対戦することで選手としてもチームとしても大きく成長することができます。また、この大会では、普段サッカーをプレーしサッカー特有の技術・戦術やパワー、スピードを身に付けたチームと、フットサルを専門でやってきたチームが対戦します。両者が大会を通して個としてもチームとしても、それぞれの局面で異なった優位性を発揮しています。それはスペインでは見られない非常に興味深い光景です。
――実際、過去2回のAFC U-20フットサル選手権には、サッカー部でプレーしていた選手たちも招集していました。どういう意図があったのですか?
鈴木 U-20日本代表はチームを構成するにあたり60人弱のラージリストを作ります。そのうちの約3分の1はサッカー選手です。第1回大会では5名の選手、第2回大会は大塚尋斗選手、橋本澪良選手、本石猛裕選手、松川綱太選手がサッカーとフットサルを両立、またはサッカーからフットサルに転向し、本戦で活躍をしてくれました。サッカー選手を招集してきた目的は、フットサルプロパーの選手に対して優位性を示す部分が多々あることです。そこを融合させる取り組みに挑戦することで、日本独自のフットボール(サッカー・フットサル)文化の発展のきっかけにすることです。そして、それが直接的・間接的にそれぞれの競技力発展に貢献してほしいという思いでした。すでにそれは波及効果の段階に入っていると思います。
――U-18年代を指導するフットサルの指導者には、どんなことが重要でしょうか?
鈴木 ここでは僕が強く意識していることを3つご紹介します。1つ目はフィロソフィーを明確にすることです。U-20フットサル日本代表には、3つのフィロソフィーがあります。①「前のめりの姿勢」。これはどのような試合状況においても、常に前のめりの姿勢でなければいけないということ。②「シンクロ」。その時ピッチに立っている選手同士が同時に同調するということ。③「ファミリー」。お互いが主張し合い、仮に喧嘩をしたとしても、最後には必ず戻ってくることができる場所であること。この3つのフィロソフィーはピッチ内外において全てを貫く指針となるものであり、選手には常に伝え続けてきました。
2つ目は、選手がプレーを決断するにあたり、ベースとなる原則を明確にすること。原則をベースに常に変化する試合の状況に適応していくことが重要だと考えています。
3つ目は、日々のトレーニングと1試合1試合の位置づけを明確にすること。選手に意識的に取り組んでもらい、その試合が決して戻って来ない唯一の時間であることを理解してもらうことです。
――大会直前の準備としてできること、またはやってほしいと期待することはありますか?
鈴木 フットサルという競技への理解、取り組みは大会毎に高まっています。特にセットプレーの場面では組織的に意図を持って行われているものが増えました。今後の発展の余地というところでは、一つのパターンからいくつかの選択肢があることを選手が理解し、動き出しやそのタイミングなどの細部を詰めていくことです。相手の守り方によってセットプレーに変化をつけられるようになると、選手の駆け引きをする場面が増え、よりプレーを楽しめるようになると思います。そして、競技レベルが上がり大会全体の発展にもつながると思います。
――今大会に出る選手たちにメッセージをお願いします。
鈴木 ピッチでプレーをする選手、ベンチで次のプレー機会を待つ選手全員が1分1秒を全力で楽しみながら、チーム全体で一丸となって戦い抜いてほしいと思います。勝利を呼び込むための1つ1つの選択と決断には後悔を残さないようにしてほしいと思います。そして、この大会からはU-20フットサル日本代表の中核を担う選手たちが、数多く輩出されています。また、大会でのプレーをきっかけにFリーグや大学フットサルの道を歩み始めた選手もたくさんいます。ぜひ、この大会を全力で楽しみ、未来の可能性を広げてほしいです。
インタビュー「努力をすれば必ず成長できる」大塚尋斗選手(法政大学/U-20フットサル日本代表)
大会期間:2019年8月1日(木)~4日(日)
大会会場:静岡県/浜松アリーナ
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