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【Match Report】なでしこジャパン、終盤の2得点でブラジルに逆転勝利 第33回オリンピック競技大会(2024/パリ)

2024年07月29日

【Match Report】なでしこジャパン、終盤の2得点でブラジルに逆転勝利 第33回オリンピック競技大会(2024/パリ)

なでしこジャパン(日本女子代表)は、7月28日(日/現地時間)に第33回オリンピック競技大会(2024/パリ)の第2節でブラジル女子代表と対戦しました。

池田太監督は、3日前のスペイン戦からメンバー3人を変更。日本はGK山下杏也加選手(INAC神戸レオネッサ)、最終ラインは高橋はな選手(三菱重工浦和レッズレディース)、熊谷紗希選手、南萌華選手(ともにASローマ/イタリア)が3バックを形成し、ウイングバックは左に守屋都弥選手(INAC神戸レオネッサ)、右に古賀塔子選手(フェイエノールト/オランダ)が入ります。ダブルボランチはスペイン戦に続き、長谷川唯選手(マンチェスター・シティ/イングランド)と長野風花選手(リバプールFC/イングランド)。3トップは左に浜野まいか選手(チェルシー/イングランド)、右に宮澤ひなた選手(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド)、1トップに田中美南選手(ユタ・ロイヤルズ/アメリカ)が並ぶ3-4-3でスタートしました。会場となったパリのパルク・デ・プランスには多くのブラジルファンが詰めかけ、同国のレジェンドMARTA選手がボールを持つたびに歓声が上がりました。

前半、日本は慎重な立ち上がりを見せます。ロングボールを使って前線に人数をかけるブラジルに対し、守備時は5バックで対応し、カウンターから得点の機会を探ります。

最初の決定機は19分。山下選手のロングフィードを受けた宮澤選手がドリブルで仕掛け、ペナルティーエリア内でパスを受けた田中選手が右足で合わせましたが、惜しくも枠をとらえることができません。38分には守屋選手のクロスボールに長谷川選手が飛び込みますが、GKのLORENA選手がセーブ。前半終了間際、日本は守屋選手のシュートが相手選手のハンドを誘い、PKを獲得します。しかし、キッカーの田中選手が蹴ったボールはコースを読んでいたLORENA選手に止められ、先制とはなりませんでした。

後半、ブラジルは3人の選手交代を行い、攻勢を強めます。そして56分、MARTA選手のスルーパスに走り込んだLUDMILA選手がラストパスを送り、最後はJHENIFFER選手がゴール右隅に決めて、ブラジルが先手を奪います。

リードを許した日本は、直後に植木理子選手(ウェストハム・ユナイテッド/イングランド)を投入し、前線から守備のスイッチを入れ直します。63分に植木選手のチャンスメークから田中選手がシュートを打ち、68分にも守屋選手のクロスボールを受けた田中選手が巧みな反転からボレーシュートを放ちますが、いずれもゴールには至りません。

日本は70分、右サイドに清家貴子選手(三菱重工浦和レッズレディース)を投入。80分に千葉玲海菜選手(アイントラハト・フランクフルト/ドイツ)と谷川萌々子選手(FCローゼンゴード/スウェーデン)を送り出すと、縦への推進力が増し、チャンスが生まれます。そして90+2分、谷川選手がドリブルで切り返した際に相手選手のハンドを誘い、日本がPKを獲得します。これをキッカーの熊谷選手が冷静に沈め、日本が土壇場で同点に追いつきます。

その後、両者ともに攻撃を仕掛けるオープンな展開となった中、2点目を奪ったのは日本でした。90+6分、清家選手の仕掛けからこぼれてきたボールに対し、谷川選手が右足一閃。鮮やかなロングシュートがゴール左隅に突き刺さり、日本が逆転に成功します。ラスト2分間を守り切った日本は劇的な勝利で勝ち点3を積み上げ、グループ2位に浮上しました。

チームはこの後、移動を挟む中2日で、7月31日(水/現地時間)にナントのスタッド・ドゥ・ラ・ボージョワールでナイジェリアとグループステージ最終戦を戦います。

監督・選手コメント

池田太 監督
前半、決めるチャンスはありましたがスコアレスで折り返しました。後半にビハインドになってからも、選手が自分たちにやれることを、自分や味方、チームを信じて戦ってくれて嬉しく思います。交代で入った選手も自分の役割を全うしてくれました。そういう意味ではチームに勢いがつくというか、勇気づけられるものになったと思います。谷川選手の投入は交代機会の3回目になるので残り時間でのアクシデントも考えて、ギリギリのところ、それも2人変えるかどうかなど枚数と回数の決断をしました。谷川選手は体の強さやドリブル、シュートも武器なのでそれを生かして得点してくれました。いい準備をしてくれたからこそ出た結果です。試合は続いていくのでまた準備していきたいです。

MF #10 長野風花 選手(リバプールFC/イングランド)
分析では相手のダブルボランチが強く私たちのダブルボランチに来るので、しっかり相手を引き付けて裏のスペースを使おうというプランでした。ゲームの入りで硬くなって合わないところはありましたが、消極的というよりは自分たちのリズムをつかむまでに時間が掛かりました。ブラジルがマンマークなのは分かっていたので、裏を狙うのは徹底していて悪くはないと思っていました。ひなたが何回も裏に抜けるシーンは、自分たちが準備してきて狙っていたものです。もう少し中盤で、近い位置で距離感良くできたらよかったですが、それは次に向けてという感じです。

MF #12 谷川萌々子 選手(FCローゼンゴード/スウェーデン)
試合に入る前にも父から連絡があり、ブラジルのGKは結構前に出ているのでどんどん狙っていけと伝えてもらっていました。そのおかげでその狙いを意識して入ることができて、いいこぼれ球が来たので思い切って振って、チームに貢献できたのが嬉しいです。自分が変えてやるという強い気持ちを持っていました。いける気がするという思いがありましたし、チャンスをくれたことに感謝しかないですし、そのチャンスをものにできて本当に良かったです。まずはチームのためにできることを意識して、声掛けややるべきことを考えて行動していました。ピッチに立った時にどうするか考えていました。守備の部分では唯さんと風花さんがどうプレスを掛けているとか、奪った時にどこが空いているかを見ていました。

FW #11 田中美南 選手(ユタ・ロイヤルズ/アメリカ)
また自分が壊してしまうのではと思い一生懸命やっていたのですが、仲間が頼もしかったです。勝てたこと、本当にみんなに感謝しています。試合中も怖い気持ちもあったのですが、出ている限り、太さんが信じて出させてくれている限り、やはりゴールを狙い続けたり、守備でも追わなくてはという気持ちの中でやっていました。(怖かったというのは)東京オリンピックのこともありましたし、PKももちろんこの時のために準備して入ったのですが、自分にがっかりしました。またこのまま負けたりして、次に向けて厳しくなる可能性もあったので、そういう意味で怖かったです。

第33回オリンピック競技大会/第17回パラリンピック競技大会(2024/パリ)

サッカー競技日程:2024年7月25日(木)~2024年9月7日(土)
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