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なでしこジャパン、第2戦へ向けチームの幅を広げるトレーニング
2022年07月22日
なでしこジャパン(日本女子代表)は7月21日(木)午後、EAFF E-1サッカー選手権 2022 決勝大会の第2戦、チャイニーズ・タイペイ戦に向けトレーニングを行いました。
厚い雲が空を覆う中始まったトレーニングは、ステップワークや4人グループでのパスを織り交ぜたボールトレーニングで身体を温めたあと、4対4+フリーマン3人によるポゼッションを実施。先日の韓国女子代表戦で出た課題「自陣で奪ったボールをいかに攻撃につなげていくか」に対し、ボール奪取後に素早くポジションを取り直してパスコースを作る意識を身体に沁み込ませました。トレーニング中には宮本ともみコーチから、ボールを受けるために1歩単位での動き直しやポジションの取り方に気を配るよう声がかけられました。その後はサイドバックとアタッカー陣を中心とした選手は攻撃時のスローインの練習、ゴールキーパーとDF陣は自陣でのビルドアップの練習に移行。1試合に両チーム合わせて40回程度あると言われているスローインは、一見何気ないプレーと思われますが試合を左右するセットプレーのうちのひとつであり、またスローインでのボールロストからピンチを招くシーンも少なくありません。今回は主に相手陣でのものにフォーカスし、効果的にゴール近くへ進入していく動きを確認しました。ピッチ反対側の半面で行われた自陣からのビルドアップ練習では、奪ったボールを素早く前進させていくために、パススピードやテンポ、また機を見て中距離のパスも織り交ぜるなど、相手のプレッシャーを回避しながら攻撃へ転じていくボールの動かし方の共通理解を深めました。前線からアグレッシブにボールを奪うことを信条とするチームですが、相手が選択する戦術によっては自分たちの狙いを実行できるとは限りません。チームとして持つ優先順位は明確にしながらも、戦い方の幅を広げる作業にも全員で取り組んでいます。
その後、韓国戦で先発出場した選手の一部はジョギングと体幹トレーニングに移り、同時進行でピッチ内では6対6+GKのスモールサイドゲームが行われました。ピッチ4分の1程度の広さで行われたゲームはゴール前の局面の応酬となり、各選手はボールを必死に追いますが、セット間の休憩で池田太監督から声がかかる度にプレーの強度が一段上がります。攻守の切り替えや球際での奪い合い、そしてゴールに向かっていく姿勢など、最後のセットではいずれも強度の高さが見られました。その中でも千葉玲海菜選手は積極的に裏へ抜け出す動きを見せたり、またゴール前で受けたボールを素早くシュートに持ち込み得点を挙げたりするなど、状態の良さを見せました。
チームは翌22日(金)に試合前日の練習を行い、23日(土)のチャイニーズ・タイペイとの一戦に臨みます。
選手コメント
GK #21 平尾知佳 選手(アルビレックス新潟レディース)
4月に招集された国内合宿で自分のプレーに手応えがあったので、その後の海外遠征に招集されず悔しい気持ちがありました。その間、所属チームで課題克服に取り組んでいました。WEリーグのシーズンが終わり試合はなかったですが、今回の活動でその練習の成果が出せているので、そこはどんどんアピールしていきたいです。チャイニーズ・タイペイに対しては、シンプルにボールを放り込んで来てそこに合わせて来るイメージがあります。自分はハイボールやクロス対応が得意なので、そういった自分の良さが出せると思います。試合に出たらそこでアピールしていきたいです。
自分も26歳になり、若い選手がいい雰囲気でトレーニングに入れるようにとか、初招集の選手がうまくトレーニングや試合に臨めるように、雰囲気づくりも意識してやっています。初招集で緊張していそうな選手を楽しませるコミュニケーションを取ったり、トレーニングの入り方などを説明してその選手が入りやすいように心掛けています。
DF #3 宝田沙織 選手(リンシェーピングFC/スウェーデン)
韓国戦はサイドバックでの出場でしたが、回数を重ねる毎にポジショニングなど少しずつ手応えを掴んでいますが、もっと試合を重ねて細かい部分を突き詰めていかなければいけないと思っています。逆サイドにボールがある時はしっかり絞ることと、コンパクトにすることは意識していましたし、自分のサイドに振られたときは慌てずに全体がスライドできる時間を作ることを意識していました。守備のポジションなので、まずは背の高い相手選手にやられないこと、ハイボールに負けないことも意識しています。
前回のFIFA女子ワールドカップは追加招集ということもありすごく緊張していましたし、初めてのワールドカップだったので自分のプレーができなかった印象があります。準々決勝で敗れて悔しい思いがあったのはもちろんですが、年上の選手が涙している姿を見て、まだ自分には覚悟や自覚が足りないと思いました。下からもっと突き上げて、もっと自分たちが成長して先輩たちを追い抜くという覚悟を持たなければと思いました。次はもっと成長した姿で、もう同じ思いをしないように、堂々と海外の選手と渡り合えるように取り組んでいきたいと思います。
MF #17 成宮唯 選手(INAC神戸レオネッサ)
韓国戦の前半はチームとしても重たい感じで試合に入ってしまい、韓国の流れを受ける形になってしまいましたが、耐える時間をしっかり耐えて、自分としては流れを変える得点のアシストができて良かったです。あの場面は(清水)梨紗がボールを持った時にサポートに入り、梨紗がもう一度縦に走ってくれた時に相手がつられているのが見えたので、そこで冷静な判断ができたと思います。相手が勢いを持ってロングボールを入れてきた中で、自分たちの両サイドハーフやトップ下がライン間でボールを受けられるようになってからコンビネーションを出せるようになり、日本のペースも作れたと思います。
池田監督になってから毎回招集していただいていますが、自分自身は代表に定着しているという感覚もなく、常に危機感を持ってやっていますし、毎試合、毎トレーニングキャンプで結果を積み重ねていかないと次はないという思いでやっています。個人的にワールドカップに懸ける思いは強くて、そのために日々が大事だなと思っています。自分自身の成長スピードを上げていかないとメンバーに食い込んでいくのは簡単ではないと思っています。得点の部分で、個人で打開できる選手にならなければと思っています。周りを使って自分が生きることはできてきていると思うので、苦しい場面で自分で打開することができるようにならないといけません。走力は負ける気はしませんが、そこにプラスして身体の強さ、一歩の出足の速さはまだ足りないです。海外の選手相手でもひとりで1枚、2枚剥がしていけるような選手にならなければと思っています。
EAFF E-1 サッカー選手権 2022 決勝大会
大会期間:2022年7月19日(火)~26日(火)
会場:茨城/茨城県立カシマサッカースタジアム
女子出場国:日本、中国、韓国、チャイニーズ・タイペイ
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