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なでしこジャパン 炎天下で頭も身体もフル回転の充実したトレーニング
2021年07月12日
オーストラリア女子代表とのMS&ADカップ2021を控えてトレーニングに励むなでしこジャパンは11日(日)、昼にチームミーティングと、夕方にトレーニングを行いました。
19:20キックオフのオーストラリア戦、そしてその後に開幕し、ナイトゲームで行われる東京オリンピックの試合を想定し、これまで午前中だったトレーニングを午後にスライドさせて、スケジュール全体をオリンピックモードに仕上げます。体のケアや個別トレーニングに充てる時間も午前にスライドさせ、ミーティングも昼食前に行う形になりました。
ミーティングで高倉麻子監督は、ボールを持っている時間(ON)と持っていない時間(OFF)に関わらず、ピッチ上では常に情報を集め、それを元に予測を働かせて状況を分析した上でプレーを決定して実行に移すという「認知・予測・判断・実行」のサイクルを、絶え間なく回し続けることを選手たちに求めます。試合時間90分のうち、一人の選手がボールに触れるのはわずか数分。ピッチ上の11人がその限られたONの時間で最大のパフォーマンスを発揮するために、それ以外のOFFの時間でいかに相手に対して優位に立てるか。それができるのが日本のサッカーであり、日本にしかできない強みだと話しました。北京大会でベスト4、続くロンドン大会で銀メダルを獲得。そして、「サッカーはそんなに甘いものじゃない」(高倉監督)ことを改めて思い知らされたリオデジャネイロ大会を経て臨む自国開催の東京大会。「世界で異彩を放つ唯一無二のサッカーで、22人全員で新たな歴史を刻もう」と、あらためてチームの士気を高めました。
梅雨の晴れ間で30℃を超える気温の中行われたトレーニングでは、基礎的なパス&コントールやポゼッションで連係を高めながら、終盤は実際の試合を想定したビルドアップからの攻守を確認。形にこだわるのではなく、「認知・予測・判断・実行」のプロセスをフル回転させ、猛暑のなか走り続け選手たちはシャツを汗で濡らして充実のトレーニングを終えました。
選手コメント
GK 18 山下杏也加 選手(INAC神戸レオネッサ)
オーストラリアは男子高校生のように後ろから長いボールを蹴り込んで、前線の選手の身体能力を活かしたり、ロングシュートを打つイメージがあります。そこに対しては、千葉キャンプで戦った男子高校生との試合で生まれた修正点をこの数日間で修正できるかと思います。試合序盤に押し込まれる時間は多くなると思いますが、先日の千葉キャンプで男子高校生を相手にそうした状況にあっても、個人的にはストレスには思わず、練習試合ということもありましたが、自分たちがどれくらいできるのか最終確認することができました。私がサッカーを続けている大きな理由は、なでしこジャパンでプレーしたいという思いが強いからで、特に今は東京オリンピックの最終メンバー22人に入ることができているので、試合に出られる可能性があります。現役でプレーしている期間に自国開催のオリンピックがあり、恵まれていると感じるのと同時に何かを残さないといけない立場にいると思うので、後悔することがないように頑張りたいです。所属クラブで、トレーニング後に壮行会を開いてくれました。目に見える形の応援に、自分はこんなにも応援されているんだなと感じて、自分の悩んでいたことがちっぽけなものだと感じましたし、そうして応援してくれている人のためにも手ぶらでは帰りたくないと改めて思いました。
DF 5 南萌華 選手(三菱重工浦和レッズレディース)
5日ほどあったオフでは、家に戻って家族と過ごしたりと、みんなリフレッシュできたようで、気持ちを新たに、フレッシュな状態で集まることができたと思います。笑顔も多く、とてもいい雰囲気です。特に海外組の選手は帰国後も長い期間ホテルにいたので、家族に会うなどして心身ともにリフレッシュできたようです。試合においては、失点しないことは守備の選手として意識をして試合に臨みたいところです。失点しないだけでなく、もちろん早い時間帯に得点できれば試合の進め方も楽になると思うので、そこはチームとして意識して取り組んでいこうと思います。無観客開催が決まりましたが、これまでも無観客の試合でも多くの応援メッセージをいただいてきました。現場で声を聞くことはできませんが、色々なところで多くの方が応援してくれていて、気持ちは届いているので、私たちはプレーで、ピッチ上で表現するだけだと思っています。チーム全員で、見えないところからの応援を力に変えて頑張っていきたいです。
MF 7 中島依美 選手(INAC神戸レオネッサ)
2018年のAFC女子アジアカップ以来の対戦となるオーストラリア戦より、私たちもチームとして成長していると思いますし、その成果を出せればいいと思いますし、本番前にいい相手とできるので、自分たちがどこまでできるのか明確にできればいいなと思います。無観客試合というのは寂しさを感じる部分でもありますが、自分たちがやるべきことは変わらないので、結果を出すことを目標にしっかりやれればと思います。最近はボランチのポジションでプレーしていますが、試合のコントロールはすごく意識していて、もっともっと自分発信でやっていけたらいいなと思っています。難しさもあり、自分ひとりではできないので、沢山試合を見たり、色々な人と話をすることで出来上がるものだと思うのと、もっともっと質を上げていきたいと思います。所属クラブのみんなも応援してくれているので、自分たちはその期待にしっかり応えられるように頑張りたいと強く思いました。
FW 15 籾木結花 選手(OLレインFC/アメリカ)
活動の合間のオフでは、半年ぶりの家や家族だったので、できるだけ家族と過ごすようにして、体のメンテナンスもしながらゆっくり過ごしました。いいリフレッシュができたので、このキャンプにもフレッシュな状態で臨めています。オーストラリアは攻撃面で良いものを持っている選手が揃っている印象で、身体能力が高い選手も多いです。同じアジアですが、欧米のような強さを持っているチームなので、オリンピックに向けていいテストマッチができる舞台だと思っています。どれだけ相手を走らせることができるのか、日本の気候の下での戦い方を考えたときにはそこに勝機があると思っています。一生に一度あるかないかという自国開催のオリンピックが無観客になってしまうことは残念ですし、私たち選手だけでなく、応援してくださる方々も同じような気持ちだと思います。そうした方々に対して、どれだけピッチの上で激しい戦いになっている姿を見せられるのか、心に残るような試合にできるか。自分たちがコントロールできないことに左右されるのではなく、自分たちができることを全力で悔いが残らないように、と選手間でも話しました。大会を終える時に、全てを出し切ったと言える気持ちで臨みたいと思います。オリンピック開催には賛否両論ありますが、スポーツにしか生めない感動があると思っています。サッカーだけでなく、アスリートたちがどれだけ感動を作れる大会にできるかどうかだと思いますし、自分たちが戦う姿でメッセージを届けることができればと考えています。
第32回オリンピック競技大会(2020/東京)
サッカー競技日程:2021年7月21日(水)~2021年8月7日(土)
なでしこジャパン(日本女子代表)対 オーストラリア女子代表
開催日:2021年7月14日(水)
会場:京都/サンガスタジアム by KYOCERA
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