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イングランドに0-2で敗れるも、2位でグループを突破 ~FIFA女子ワールドカップフランス2019
2019年06月20日
なでしこジャパンは19日(水)、FIFA女子ワールドカップフランス2019グループステージ第3戦のイングランド戦を迎えました。
この日のキックオフはグループステージ3戦の中で最も遅い21時。それでも夕方程度に明るい中でキックオフを迎えました。
キックオフは日本。勝って首位突破を狙いたい日本は、守備陣はスコットランド戦から変わらず、ボランチに普段右サイドでプレーする中島依美選手を配置、杉田妃和選手と中盤を支えます。サイドに遠藤純選手と小林里歌子選手を起用し、岩渕真奈選手と横山久美選手のツートップと攻撃的な布陣で臨みます。
対するイングランドは引き分けでも1位を確保できることから、自陣深い位置で慎重にパスを繋ぎ、チャンスの場面では一気にスピードを上げて前線を狙います
日本は、主導権を握るために前線から積極的にボールを追いかけます。「前からどんどん行こう」という試合前の指示通り積極的な守備で相手のミスを誘発します。そしてこの試合の最初のシュートは日本。イングランドのパスが乱れたところを奪ってすばやく繋ぎ、最後は横山選手が足を振りますがゴール上に外れます。その後の9分、横山選手が倒されて得たフリーキックに、横山選手自らキッカーとして立ちます。ゴールまで約30mの距離から放たれたシュートは勢いを持ってゴール左上に飛びますが、相手GKのファインセーブで得点にはなりません。
慎重に試合を進めるイングランドに対してアグレッシブな守備で押し込んでいた日本ですが、14分、ビルドアップがずれて相手に拾われると、杉田選手が体をぶつけるも出されたスルーパスがセンターバック2人の間を通り、これに抜け出した18番ホワイト選手に決められて先制を許します。
追いつきたい日本でしたが、イングランドはパワフルなミドルシュートで度々日本ゴールを脅かします。これをゴールキーパー山下杏也加選手が何度も防いで追加点を許しません。
両チームともにチャンスを作りながらも、ゴールキーパーのファインセーブもあってスコアは動かず、前半はそのまま0対1で試合を折り返します。
日本はメンバーを変更せず、後半が開始。序盤からギアを上げてきたイングランドに押し込まれる展開が続きましたが、山下選手を中心にしのいで試合を落ち着かせます。
高倉麻子監督は「攻撃にパワーを増やす」意図で61分に横山選手に代えて菅澤優衣香選手、小林選手に代えて三浦成美選手を投入、中島選手を元の右サイドに戻します。すると早速菅澤選手がターゲットになり、攻撃陣の中央に構えて連携が生まれます。運動量が落ちてきたイングランドに対して日本は変わらず走り続け、前半のようなパスワークを封じ込めて主導権を握り、いよいよゴールの期待が高まります。その後立て続けにチャンスを作りますが最後の大事なところで合わず、チャンスを逃します。83分の鮫島選手のクロスに飛び込んだ菅澤選手のシュートも枠を捉えることができず、同点弾が生まれません。
その直後の84分、1本のパスを最終ラインの裏に出されると、タイミングよく抜け出した18番ホワイト選手に再びゴールを許し、0-2と突き放されます。試合終盤の失点で万事休す、試合は0対2で終了し、グループ首位突破は叶いませんでした。
しかしながら、同時刻に行われたスコットランド対アルゼンチンの一戦が3対3の引き分けだったため、アルゼンチンが勝点2、スコットランドが勝点1と日本を下回り、グループ2位が確定しました。
いよいよ一発勝負のノックアウトステージが始まります。ラウンド16の対戦相手は、グループEの1位を狙うオランダかカナダのいずれか、20日(木)の試合結果で決まります。なでしこジャパンはレンヌに再び戻り、25日(火)21時にキックオフを迎えます。
監督・選手コメント
高倉麻子 監督
イングランドは力のあるチームで、スピードのあるいい攻撃を受けることになりましたが、ミスが絡んで前半に失点したことで引き腰になったのかなと思います。後半は少し日本のリズムを取り戻すことができた中でゴールに迫るシーンも増えましたが、しっかり決められないところで相手の速攻をきれいに食らってしまった形になりました。グループステージをなんとか抜けられることができて、私達のチームがやるべきこと、やるべきスタイル、そしてやってはいけないことというのがチームとして明確になったゲームだと思うので、ここからはノックアウトステージで、全力で1試合1試合戦っていくということになるので、一度リセットして、しっかりと準備したいと思います。グループステージを通過したこと以外は何も満足していません。
GK #18 山下杏也加 選手(日テレ・ベレーザ)
思った以上にイングランドの攻撃に迫力がなく、前半をゼロで抑えれば、後半必ず自分たちの時間が来ると思っていましたが、前半で1失点してしまったことは、自分の体のコーディネーションや判断というのが、相手GKより劣っていたと思います。そこは反省しないといけない点です。2失点ともゴールキーパーが止めなければいけないボールでした。他の10人は体を張ってゴールを守ってくれていた中で、自分のあのパフォーマンスでは上に行けないと思います。前半をゼロで折り返して、後半に前線の選手を勢いづけることができなかったことが敗因かと思います。4年に一度の大会で、もう一度同じ選手と戦える機会というのは少ないと思うので、自分の人生を懸けて守りたいと思います。
DF #3 鮫島彩 選手(INAC神戸レオネッサ)
残念な結果ですし、力の差を感じました。失点シーンは、スピードとパワーのある海外勢チームとやるときに、まさにこういったやられ方が今までもあったなというシーンでした。気をつけなければいけないパターンだったので、それを出させてしまったということは痛いですが、ここからノックアウトステージに入ってそういった機会はもっと増えてくると思うので、それをこの時点で課題として取り組めることをプラスに捉えて、しっかり修正していきたいです。このチームでできる限り勝ち進んでいきたいという想いは全員あり、それは1試合1試合高まっているので、継続して選手間でもミーティングをしていきたいと思います。
DF #4 熊谷紗希 選手(オリンピック・リヨン)
前半の早い時間帯で失点して、2点目も同じ形でやられてしまい、その失点に関しての反省というのはディフェンダーの中で、あるいはセンターバック2人の中でしなければいけません。点を奪いに行く中で、後半あれだけ前線から押し込めて、それでも得点にならなかったということは自分たちの課題だと思います。今はこの結果を受け入れて、迎える相手に勝つだけだと思うので、いい準備をしてノックアウトステージに向かいたいと思います。あと5日で劇的にチームが変わるわけではないですし、ここにいる23人がもう一度ひとつになって、全員で戦いたいと思います。局面のひとつひとつのプレーがここから本当に大事になってくるので、みんなで再確認しながら次に向けていい準備をしていきます。
スケジュール
FIFA女子ワールドカップフランス 2019
大会期間:2019年6月7日(金)~2019年7月7日(日)
ノックアウトステージ ラウンド16:
2019/6/26(水) 04:00キックオフ(日本時間)
vs オランダ代表 or カナダ代表
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