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ワールドカップを見据えた韓国と前回大会以来の日韓戦~E-1サッカー選手権プレビュー~
2017年12月06日
攻守にアグレッシブなスタイルでワールドカップ出場を決める
今大会でSAMURAI BLUE(日本代表)ととともにアジア代表として、2018年のFIFAワールドカップロシア大会に出場するのが韓国代表だ。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が「ワールドカップに向けた最終ストレートに入る前の最後のテスト」と位置付ける今大会のラストマッチ。ライバルとのプライドを懸けた一戦は、火花散る展開になるに違いない。
FIFAランキングは日本が55位、韓国は59位。日本がリードしているが、そこまで大きな差はない。
韓国の指揮を執るシン・テヨン監督は、今年7月に更迭された前指揮官のウリ・シュティーリケ氏からバトンを引き継いだ。シュティーリケ体制下でコーチを務めていた間、年代別代表の監督も兼任し、リオデジャネイロオリンピックでベスト8、今年6~7月に自国開催となったFIFA選手 U-20ワールドカップでもチームをベスト16に導いている。47歳と比較的若く、コーチ時代は選手たちの兄貴分的な存在として慕われてきたという。
勝点の取りこぼしが絶対に許せなかったワールドカップ最終予選では、守備に重点を置きながら、前線のスピードとパワーを生かす、攻守にアグレッシブなスタイルを採用。苦しみながらも9大会連続10回目のワールドカップ出場を決めた。
Jリーグでプレーする守護神が立ちふさがる
韓国代表は4チーム中で最も早い11月21日に、今大会に臨む代表メンバー24人を発表している。シン・テヨン監督はその記者会見で、「優勝を目指す」と高らかに宣言。日本と同様に海外でプレーする選手が不在のため、戦術的なプランBとCを試したいという意向も示していた。選手たちには、球際で負けない強さ、どんな状況にも屈しないメンタルの強さを要求する。一方で、指揮官も相手チームを綿密にスカウティングし、対策も練ってくる。そういったデータを基に冷静かつ瞬時の判断などクレバーな戦い方も浸透させてきた。しぶとく力強い韓国代表が来日してきそうだ。
招集メンバーのうち、Jリーグでプレーするのは4人。GKキム・スンギュ選手(ヴィッセル神戸)、キム・ジンヒョン選手(セレッソ大阪)、DFチャン・ヒョンス選手(FC東京)、チョン・スヒョン選手(サガン鳥栖)と、守備の選手が選ばれている。
最近5試合のGKは、キム・スンギュ選手が3試合、キム・ジンヒョン選手が1試合にフル出場している。日本戦で果たして誰がゴールマウスの前に立つのか。Jリーグを代表する日本代表のストライカー陣と、その特長を十分に知り尽くした守護神との駆け引きは、試合の注目ポイントになる。
Kリーグの2017シーズン王者の全北現代からはクラブ別最多の5人が選出されている。日本にとって脅威になるのが、MVPを受賞したイ・ジェソン選手だ。韓国では貴重な技巧派レフティーとして、中盤のあらゆるポジションをこなし、多くのゴールを演出してきた。俊敏性に長け、一瞬で相手を置き去りにする突破力と鋭く放つシュートを武器とする。できるだけバイタルエリアへの進入は防ぎたいタレントだ。
ハリルホジッチ監督はメンバー発表の記者会見で、「Jリーグの選手にとって、A代表に立候補する場にしてほしい」と期待を寄せていた。その中で、24歳の伊東純也選手について「違いを生み出せるタレント。A代表でどのようになるか見たかった」と初めて招集した理由を語っていた。物おじしない堂々としたプレースタイルや、スピードはJリーグトップレベル。タイプの似るイ・ジェソン選手に勝てば、その名は一気に世界に轟くはずだ。
また、先日のJ1最終節の大宮戦で、開始早々に先制点を突き刺し川崎フロンターレに逆転優勝を手繰り寄せた阿部浩之選手も注目の一人に挙げられる。初の移籍、リーグ10得点、優勝、代表入りを果たした今2017年シーズンについて、「出来すぎです」と語るが、「でも、もっと成長したい」と意欲を示していた。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いにあり、今回のE-1選手権で大化けする予感も漂う。
過去の日韓戦からは、数多くの新たなヒーローが生まれ、日本代表を背負っていく選手が活躍していった若手の登竜門と言える。味の素スタジアムで、未来のダイヤモンドが輝きを放つ――。そんな歴史の目撃者になれるかもしれない。
SAMURAI BLUE(日本代表) EAFF E-1 サッカー選手権 2017 決勝大会
12月9日(土) 19:15キックオフ(予定)
SAMURAI BLUE(日本代表) vs 朝鮮民主主義人民共和国代表
12/12(火) 19:15キックオフ(予定)
SAMURAI BLUE(日本代表) vs 中国代表
12/16(土) 19:15キックオフ(予定)
SAMURAI BLUE(日本代表) vs 韓国代表
すべて会場は、東京/味の素スタジアム
EAFF E-1 サッカー選手権 2017 決勝大会
男女ともに、中国、日本、朝鮮民主主義人民共和国、韓国の4チーム総当りによるリーグ戦で東アジアサッカーの頂点を競います。12月8日(金)から16日(土)まで、男子は味の素スタジアム(東京)、女子は千葉市蘇我球技場(フクダ電子アリーナ/千葉)で行われます。
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