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【Match Report】地元フランスがPK戦でアルゼンチンを下し初優勝。日本は勝利ならず~パリ2024パラリンピック競技大会
2024年09月09日
パリ2024パラリンピック競技大会ブラインドサッカー(※パリパラリンピックでの競技名は「ブラインドフットボール」)は、現地時間の9月5日(木)に準決勝、5位決定戦、7位決定戦が、同7日(土)に3位決定戦と決勝戦が行われ、最終順位が確定しました。
9月5日、グループB 4位の日本はグループA 4位のトルコと7位決定戦に臨みました。小雨がぱらつく中のキックオフ。3分の平林太一選手のドリブルからのシュートに始まり、4分には後藤将起選手が、8分に再び平林選手がシュートを放ちます。10分ごろからキャプテン川村怜選手が高い位置に上がり、積極的にシュートを放ちますが、相手GKの好守に阻まれ、0-0で前半を終えます。川村選手は「雨が降ってスリッピーだったため、シュートが浮いてしまった。もっと転がしたかった」と悔やみました。
トルコとの7位決定戦で、川村選手(写真中央の10番)がシュートを放つ
後半、日本は体格で押してくるトルコに対して空間認知力に優れた平林選手をフィクソに下げ、アラの鳥居健人選手と共に相手ピヴォにボールが渡る前にカットしてカウンターを狙います。狙い通りの攻撃を繰り出すシーンもありましたが、ゴールを奪うことはできません。逆に7分、トルコにゴール正面でFKを与えてしまい、そこから1点を失います。「この1点でメンタル的に急いでしまい、立て直すことができなかった」と川村選手は振り返りました。13分に追加点を許した日本は0-2で試合終了。日本は4戦全敗、無得点でパラリンピックを終えることになりました。チームを率いた中川英治監督は「ブラジル、アルゼンチン、中国というトップグループに対して、日本を含む他の5チームがセカンドグループ。そこからこぼれないように、僅差の勝負を制して勝ち上がっていけるようにしなければならない」と今大会を総括しました。
試合終了後、サポーターに挨拶するブラインドサッカー日本代表
5位決定戦ではモロッコと中国が対戦し、中国が1-0で勝利を収めました。準決勝では、開催国のフランスがコロンビアに1-0で勝利。もう一つの試合、ブラジル対アルゼンチンはスコアレスのままPK戦に突入、ここではアルゼンチンが4-3で競り勝ち、ブラジルの6連覇を阻止しました。この結果、決勝はフランスとアルゼンチンが初優勝をかけて争うことになりました。
準決勝から一日空けて9月7日、小雨が降る中で、3位決定戦のコロンビア対ブラジルが行われました。南米勢の対戦は1-0でブラジルが勝利し、銅メダルを獲得しました。
この後、行われたフランスとアルゼンチンの決勝戦には12,000人の観客が集まりました。先制したのはフランス。12分、キャプテンのVILLEROUX選手が大会3点目となるゴールを相手ゴールに叩き込みます。対するアルゼンチンもすぐさま反撃に出ます。PADILLA選手が音の出ない浮き球でペナルティーエリア付近にパスを送ります。そこに図ったかのように走り込んだESPINILLO選手のシュートがフランスのGK、BARTOLOMUCCI選手に当たってゴールイン。ESPINILLO選手が「練習の賜物」と語るスーパープレーでアルゼンチンが試合を振り出しに戻します。
後半はアルゼンチンが主導権を握ってフランス陣内に攻め込みますが、フランスのGK、BARTOLOMUCCI選手の好守もあり、ゴールを割ることができません。結局試合は1-1のままタイムアップ。アルゼンチンの先攻で3人によるPK戦に進みます。それぞれ2人が決めて迎えたアルゼンチンの3人目のキッカー、HEREDIA選手のシュートをBARTOLOMUCCI選手がストップします。フランスは3人目のキッカー、VILLEROUX選手がゴール左下に決め、優勝をたぐり寄せました。
フランスは2018年、12年のロンドン大会でチームを銀メダルに導いたAKPWEHToussaint監督を再び招へいします。東京2020大会では最下位の8位に終わりましたが、そこからチームを再建し、自国開催のパラリンピックで見事金メダルに輝いています。今大会の最終順位は、フランス、アルゼンチン、ブラジル、コロンビア、中国、モロッコ、トルコ、そして日本の順で終わりました。
決勝戦で好守を見せたフランスのBARTOLOMUCCI選手(写真上)
第33回オリンピック競技大会/第17回パラリンピック競技大会(2024/パリ)
サッカー競技日程:2024年7月25日(木)~2024年9月7日(土)
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