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【Match Report】ブラインドサッカー日本代表、善戦虚しく準決勝進出を逃す~パリ2024パラリンピック競技大会
2024年09月05日
現地時間の9月1日(日)、パリ2024パラリンピック競技大会ブラインドサッカー(※パリパラリンピックでの競技名は「ブラインドフットボール」)のグループリーグ初戦が、エッフェル塔スタジアムにおいて日本対コロンビアの対戦で幕を開けました。世界ランキング3位の日本は、グループBでアルゼンチン(1位)、モロッコ(8位)、コロンビア(12位)と対戦しました。日本の目標はメダル獲得です。
9月1日は、近年成長著しいコロンビアとの対戦でした。日本の先発はGKが佐藤大介選手、DFに佐々木ロベルト泉選手、MFにキャプテンの川村怜選手と平林太一選手、FWに後藤将起選手です。後藤選手を左、平林選手を右に配置し、1-1-2のフォーメーションをつくります。対するコロンビアは、ジョン・ゴンザレス選手とホアン・デビット・ペレス選手が1-2-1の「2」の位置に入るフォーメーションです。7,000人を超える観衆が入ったスタジアム。場内はMCによる盛り上げ、観客の話し声で、通常の静粛を求める環境とは全く異なる雰囲気の中でキックオフしました。
試合は8分、ペレス選手がペナルティエリアの左から放ったシュートがクロスバーに当たって決まり、コロンビアが先制します。後半に入ると、会場の雰囲気に慣れた日本が、コロンビア陣内でプレーする回数を増やし、平林選手らがドリブルで局面を打開しようとしますが、チームとしてゴール前での精度を欠き、0-1で初戦を落としました。キャプテンの川村選手は「緊張感もあって多少バタつくことは想定していた。先制され、なかなか立て直せずに終わった」と試合後に振り返りました。
コロンビアとの初戦、ドリブルで進む川村選手(写真中央)
翌日の9月2日(月)は、今年7月に大阪で対戦したモロッコとの再戦です。日本の先発メンバーは前日と変わらず、後藤選手と平林選手の位置が入れ替わった1-2-1です。モロッコは主力選手2人のうちズハイール・スニスラ選手が先発しましたが、アブデラザク・ハッタブ選手はベンチスタート。こちらは2-2のフォーメーションです。ここで敗れるとメダル獲得の可能性がなくなる日本は、初戦と打って変わり、前半からチャンスと見るや、積極的に仕掛けていきます。後半はモロッコが主導権を握る時間が長くなりますが、決定的なシュートを打たせません。ところが、残り4分を切ったところで、オウンゴールでモロッコに先制を許します。この後、日本はモロッコゴールに迫りますが、クロスバーに嫌われるなど1点を奪うことができず、0-1で試合終了となりました。なお、この一戦の前に行われたコロンビア対アルゼンチンの結果、日本はグループリーグ最終戦の結果を待たずして準決勝に進めないことが決まり、メダル獲得の目標がついえました。
グループリーグ最終日、日本はアルゼンチンとの一戦を迎えます。「先輩の積み上げたことを未来につなげる大切な役割があるので、それを果たすためにも、前を向いて戦う」(中川英治監督)という決意のもと、日本はモロッコ戦と同じ布陣で挑みました。一方、アルゼンチンは準決勝進出が懸かる重要な試合。強力なストライカー、マクシミリアーノ・エスピニージョ選手が開始から積極的にシュートを放ちますが、日本はゴールを許しません。しかし、10分に佐々木選手がパスカットしたボールにデルド・ガルシア選手が反応し、逆サイドのフェルナンデス選手へパス。フェルナンデス選手がそのまま得点を挙げ、アルゼンチンが先制します。日本は残された時間、選手交代やフォーメーション変更などで反撃の糸口を探りますが、1点が遠く、0-1で試合を終えました。
アルゼンチンのエスピニージョ選手を囲む佐々木選手、川村選手、平林選手、後藤選手(向かって左より)
グループリーグ3試合を終え、惜しくも勝利を挙げることができなかった日本。前回大会の5位という成績を上回ることができず、中川監督は「4年に1度の大舞台に備えたつもりだが、認識が甘かったのかもしれない」と振り返りました。
ブラインドサッカー日本代表のパリパラリンピックでの最終戦は9月5日(木)、トルコとの7位決定戦です。
第33回オリンピック競技大会/第17回パラリンピック競技大会(2024/パリ)
サッカー競技日程:2024年7月25日(木)~2024年9月7日(土)
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