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【Match Report】フットサル日本代表 モロッコ代表に3-0で勝利、弾みをつけてワールドカップへ
2021年09月08日
フットサル日本代表は7日(火)、FIFAフットサルワールドカップの開催国のリトアニアで同じく強化活動中のモロッコ代表と国際親善試合を行い、清水和也選手とオリベイラ・アルトゥール選手のゴールにより3-0で勝利しました。
日本を離れてポルトガル、スペインで活動を行う中でこれまで5試合を戦ってきた日本は、12日(日)のワールドカップの開幕を控えて最後の強化試合に臨みました。対戦するモロッコ代表はアフリカ大陸予選を自国で開催し、見事に連覇を飾って出場権を獲得した強豪です。日本としては、初戦で戦うアンゴラを想定した貴重なテストマッチとなりました。
キックオフは18時、スタメンはGKにピレス・イゴール選手、FPに吉川智貴選手、オリベイラ選手、逸見勝利ラファエル選手、清水選手がピッチに並びました。モロッコのキックオフで始まった試合、序盤は完全に日本がペースを握ります。集中した守備でモロッコに余裕を与えず、多くの時間をモロッコ陣内でプレーして時計が進みます。しかし、得点を奪えずにいると徐々に拮抗した展開になり、両者我慢の時間が続きます。
日本は3つのセットをローテーションさせながら、攻守に強度を保ってアフリカ王者のモロッコゴールに迫ります。毛利元亮選手が前線で奪ってシュート、八木聖人選手が思いきりのいいミドルシュートを放ちますがゴールならず。トレーニングを重ねてきたフリーキックやコーナーキックでも揺さぶりをかけますが、なかなか得点には至りません。試合後に選手たちも「前半は守備がうまく出せなかった」と振り返るように、守備からリズムを作れず、第1ピリオドは0-0で折り返します。
第2ピリオドはGKを関口優志選手に代えて日本のキックオフでスタート。日本の持ち味であり生命線でもある守備を立て直して勝利を目指します。第2ピリオドも序盤はシーソーゲームの様相をみせていましたが、30分経過を前にモロッコのペースがダウン。モロッコにほとんどチャンスを与えず、あとはゴールを奪うだけという期待が高まる中、29分、清水選手が直前に自らのシュートで得たコーナーキックのチャンスを生かして待望の先制点を奪います。するとビハインドを背負ったモロッコは焦りからかファールが増え、2枚目の警告で退場者を出すなど試合が大きく動き始めます。31分にはモロッコの6個目のファールで日本が第2PKを得ると、これをアルトゥール選手が冷静に決めて2-0と突き放します。
残り時間はまだある中で、とどめの一撃を加えて勝利を決定づけたい日本でしたが、そうはさせまいとモロッコはパワープレーを始めます。攻撃を仕掛けるモロッコに対し、GK関口選手もクリアボールでゴールを狙うなどして牽制します。日本のタイムアウトを挟んで迎えた終盤38分、逸見選手が2人に囲まれてシャツを引っ張られながらも力強くボールを運ぶと、前線で受けたアルトゥール選手の落としに走り込んだ清水選手が思い切りよく足を振り抜いてゴール。試合は3-0で終了しました。
日本はうまくいかない時間帯を耐え、試合中に自分たちで修正し、相手の隙の逃さずにチャンスを生かして勝ち取った勝利となりました。
FIFAフットサルワールドカップリトアニア2021は12日(日)に開幕し、日本は14日(火)に初戦のアンゴラ戦を迎えます。
監督・選手コメント
ブルーノ・ガルシア 監督
とても良いゲームでした。モロッコはクオリティが非常に高く、スピードある選手を揃えたチームで、あまり対戦する機会のないアフリカ固有のスタイルを持ったチームでしたが、その特徴は初戦でぶつかるアンゴラと非常に似ています。その相手にゲームプラン通りに着実にゲームを支配することができましたし、うまく機能していたところがたくさんありました。ワールドカップに向けた準備を進めていく上で大きな大きな収穫だったと思います。ここからワールドカップ開幕までの一週間は、まずはしっかりとリカバリーを行い、それからはグループステージを勝ち抜くために必要になることを、細部に渡って磨き込んでいきたいと思います。
FP 星翔太 選手(名古屋オーシャンズ)
ワールドカップ直前の親善試合で、結果が求められる中で3-0という結果は非常に良かったと思います。自分たちの武器をしっかり認識でき、ワールドカップで必要なものが何か、課題と武器が明確になったことが収穫でした。試合の中では苦しい時間は必ずあって、そこでどう反応できるかはチームとして大事に考えています。今日は耐えしのいで、セットプレーや第2PKでゴールを奪えたのは大きかったです。ワールドカップは簡単な大会ではないので、今日の試合で我慢強く戦い続けることができたのは収穫でした。ワールドカップについては、コロナ禍で中止も検討されてきた結果の延期であったり、自分が引退する年に開催されることや、そこに日本代表として選ばれて、戦えることは光栄なことです。自分が持っている責任や誇りを表現して、日本という国を代表しているという気持ちを持って全力で臨みます。
FP 吉川智貴 選手(名古屋オーシャンズ)
前半からある程度は自分たちの試合ができたとは思いますが、5分すぎくらいからバタバタする時間もあり、自分たちの持ち味の守備の裏を取られたり、上手くボールを回されてチャンスを作られてしまいました。しかし失点はせずに、結果的に後半にゴールを奪って試合が動いたという展開でしたが、総合的には悪くない流れだったかなと思います。ハーフタイム、ロッカーでは守備面の話が多く、ボールへのプレスや相手のライン間を封じるといった指示がありました。試合終盤は相手の強度が落ちた状況でしたが、こちらは40分間強度を落とさずに攻守に自分たちのゲームができたことがこの結果に繋がったと思います。ヨーロッパ遠征で戦ってきた5試合ではなかなか勝つことができていなかったので、この勝利を勢いに変えてワールドカップに臨みたいと思います。
FP 清水和也 選手(コルドバ・パトリモニオ/スペイン)
前半は、自分たちの守備を発揮できませんでしたが、ハーフタイムにしっかり修正できたことによって前からボールを奪うことに繋がり、高い位置でのキックインが増えたことでゴールを奪えたと思います。日本が先制したことで相手はフラストレーションを感じたでしょうし、そこからファールが積み上がって第2PKを奪えましたし、第2ピリオドは自分たちのプランでペースを持て来ることができました。本当に勝ててよかったです。前半から、CKではアルトゥール選手に相手守備がつられるというのは分かっていたので、ブロックをかけてからフリーになったところに吉川選手が素晴らしいパスを通してくれて、自分は触るだけでした。セットプレーで点が取れたことは非常に良かったです。3点目は、相手が前がかりになったところを逸見選手が頑張ってくれましたし、アルトゥール選手も「お前決めろよ」というメッセージのあるパスを出してくれて、コース云々ではなく、思い切り足を振りました。最後の親善試合に勝てたことはプラスになりますし、ここから初戦に向けて修正点を改善して目標に向かってチーム一丸で戦っていきたいと思います。
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