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フットサル日本代表 スペイン戦に向けて非公開でトレーニングを実施
2021年09月17日
FIFAフットサルワールドカップリトアニア2021のグループステージ第2戦スペイン戦を翌日に控えたフットサル日本代表は16日(木)、これまでと変わらずミーティングとトレーニングを行って試合に向けた準備を進めました。
ブルーノ・ガルシア監督は午前のトレーニングに出発する前のミーティングで、「試合は毎回違う。だから考えるべきは過去に終わった試合ではなく次に迎える試合のこと。しかしながら学びはあるからそこを振り返ろう」と話し。8月にスペインで行われたスペイン戦を中心に映像で振り返りました。
このシーンが良かった、あるいは良くなかったと、今更どうすることも出来ない過去の結果に対して評価、分析することはなく、次のスペイン戦で起こりうる事象に対して原理原則に従って攻守に自分たちの特徴を発揮することを念頭に置いて今チームとして為すべきことを細部に渡って整理していきます。優勝候補の一角と目されるスペインは、プレーの強度や戦術の緻密さ、各選手の経験値やスキルなど、全てにおいて初戦のアンゴラを大きく上回る相手。パスを受ける前の予備動作をサボらずに行い、その上で動きながらパスを迎えに行くことや、モーションを悟られにくい足首を柔らかく使ったパスや足裏を使った背後方向へのパスといった個人技術に加え、ライン間を使った二人組のワンツーやブロックスクリーンといったグループ戦術など、局面において有用なスキルや戦術をおさらいしました。ゴールクリアランスやキックインについても細かく確認し、トレーニング前にイメージを共有する時間になりました。
冒頭15分以降の時間をメディア非公開で行ったトレーニングではゲームを中心に行い、監督や選手が「大きなチャンスになる」と揃って話すセットプレーについても細かく確認しました。ゴールに直結するコーナーキックや相手ゴールに近い位置のキックインの際、キッカーを中心に選手間で狙いを共有することが成功の鍵になります。選手間のコミュニケーションが少ないと見るやブルーノ監督は「しっかり話そう!サボるな!」と大きな声が飛びました。
トレーニングを終えて選手を集めたブルーノ監督は、「勝つというメンタリティが大事。スペインとは対戦するたびにその距離は縮まってきている。明日が超える日だ」と力強く話すと、キャプテンの吉川智貴選手も「ひとりでも引き分けでいいなんて思ったらやられる。全員がどれだけ勝ちたい、勝てると思って臨めるかが大事」と話しました。
強豪国スペインの強さの秘密について、スペインで各種年代、カテゴリーの指導経験を持つ鈴木隆二コーチは、個人的な見解であり、数ある要因の中の一つと前置きした上で、「整備されたリーグ戦環境」を挙げました。10歳くらいのカテゴリーからレベルに合ったリーグ戦が整備されており、「昇降格のあるリーグ戦に加えてカップ戦も計画されているなど、大人と同じカレンダーでシーズンを戦っている。これを小さい頃から経験している選手だけでなく、どのカテゴリーで指導している指導者も同様に結果が求められる環境が整っている」と話します。育成年代において結果だけを求めることは否定的な意見が多いですが、チームとして結果を出すには選手を育てることが必須であり、必然的に「育てながら勝つための取り組み」がうまく機能しているスペインフットサルの現状について話してくれました。
FIFAフットサルワールドカップリトアニア2021のグループステージ突破を占う重要な一戦、スペイン戦は、日本時間17日深夜24時キックオフ予定です。
選手コメント
FP #7 室田祐希 選手(エスポラーダ北海道)
初めてのワールドカップですが、特別に緊張することはなかったです。星翔太選手のシュートのこぼれ球を押し込んだゴールでしたが、どこに溢れてきても詰められるように準備はしていました。日本の強みである前線からの守備をしっかりできれば自分たちのペースに持っていけると思っています。攻撃面では自分の良さを出せればいいですが、それでもまずはやはり守備からしっかり入っていきたいと思っています。8月のスペインとの親善試合より、何段階もギアを上げてくると思うので、全然違った試合展開になると思いますが、自分たちの強みある守備が生きれば勝てると思うので、そこを第一に戦いたいです。
FP #9 清水和也 選手(コルドバ・パトリモニオ/スペイン)
初戦を終えて、勝点3を取れたことはチームにとって非常に大きなものですし、個人的にはワールドカップの舞台に立てた喜びを感じています。試合には冷静に入れましたが、アリーナに着いて会場装飾やワールドカップという文字を見て、ここが自分が目指してきた場所なんだと改めて感じることが出来ました。自分に求められているのは得点ですが、チームコンセプトである守備面でのエラーや、失点に絡んでしまっている部分は課題として捉えています。次のスペイン戦では、自分たちがやるべきことを100%に近い形で実践しなければ難しい試合になると思っています。スペインは各選手が高い技術を持っていて、経験値もあり、一瞬の隙を突いてくるチームだということは分かっているので、そうした長所をしっかり消しながら、自分たちのコンセプトをしっかりと出して戦いたいです。2016年のアジア予選で負けて以降、この大会のために色々と試行錯誤してここまで来たつもりです。この大会で、日本フットサルの歴史を変えたいという気持ちを強く持っています。自分にとってゴールというものは非常に大切なもので、このワールドカップでのゴールというのは、自分のフットサル人生の中でも多くはない、人々の記憶にも残るようなものになると思っています。しかし、どんなゴールでも1点の価値は変わりません。このワールドカップでのゴールは、最終的に大会のベストゴールに選ばれるような素晴らしいものでも、あるいは僕の身体のどこかに当たって入るものでも、自分にとってはめちゃくちゃに価値のあるゴールになると思っています。それが自分のためでなく、チームのため、そして日本のフットサルにとって価値のある1点を取りたいです。自分が目指してきたこの舞台で取る1点というのを、日本フットサル界のために捧げたいという気持ちが強いです。
FP #11 星翔太 選手(名古屋オーシャンズ)
初戦のアンゴラ戦、勝つべくして勝ったという印象と、準備してきたことを発揮できた試合だったと思います。2016年大会の出場を逃したこともあり、ここ(リトアニア)には来なければいけないと大会前は強く思っていました。しかしいざこの場に立ってみると、Fリーグのこれまでの成果であり、日本代表の実力を考えたときに、勝たなければいけない大会だという思いの方が強く、この舞台が特別だと思うよりは勝つために何が必要か考えた試合でした。弟の龍太の得点は、ぱっしゃん(西谷良介選手)からパスが来ることは分かっていましたし、龍太のポジションも視野の隅に捉えていたので、出せば必ず決めてくれるだろうと信じてパスを出しました。ぱっしゃん、自分、そして龍太が一番いいポジションにいて、自分はパスを受けた時点でシュートも打てるポジションにいて、相手の動きも見えていたのでセグンド(の龍太)に出せば決めれるだろうと思っていました。同じクラブの3人の良さが出たゴールだったと思います。こうした大会に入って、ここから次の試合に向けて何かを修正することは難しく、スペインともどもコンセプトが変わることは間違いなくないので、細かい部分のプレーをやりきることやや、今までやってきたことを信じて戦うことがものすごく大事になってきます。微調整は選手間のコミュニケーションで解決できますし、あとはセットプレーを中心に、僕らのセットでももっと点を取っていきたいと思っています。
FIFA フットサルワールドカップ リトアニア2021
大会期間:2021/9/12(日)~2021/10/3(日)
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