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「日本中が日本代表の活躍を期待しているし、僕もその一人」森岡薫選手(立川・府中アスレティックFC)インタビュー FIFAフットサルワールドカップリトアニア2021

2021年09月14日

「日本中が日本代表の活躍を期待しているし、僕もその一人」森岡薫選手(立川・府中アスレティックFC)インタビュー FIFAフットサルワールドカップリトアニア2021

FIFAフットサルワールドカップリトアニア2021は9月12日(日)に開幕し、フットサル日本代表は14日(火)[日本時間15日(水)]にグループステージ第1節でアンゴラと対戦します。ここでは長らく日本フットサル界をけん引してきたストライカーであり、2012年のタイ大会のメンバーでもある森岡薫選手(立川・府中アスレティックFC)に、日本代表への思いや今回のワールドカップに期待することなどを聞きました。

○オンライン取材日:2021年9月9日

――今大会は残念ながらメンバー落選となりました。今の心境は。

森岡 1年開催が延びたことは僕にとってはマイナスでした。ただ、それは自分ではどうしようもないことなので、そういう運命だったのではないかと考えるようにしています。今でこそ前を向いていますが、なかなか切り替えることはできませんでした。今の代表メンバーは長く一緒にプレーしてきた選手が多いのでもちろん応援しています。結果も残してくれると信じています。

――自身にとって前回のワールドカップからの9年間はどのような時間でしたか。

森岡 9年前の8月に日本国籍を取得して、2カ月後のワールドカップに出場して日本代表としてようやくスタートラインに立つことができました。またこの舞台に立ちたいという思いを持って、4年後のコロンビア大会を目指しましたが、アジア予選で敗退。今回の代表メンバーに選ばれていないことよりも、そのときのほうがショックは大きかったです。当時は自分もチームの力になれる位置にいましたし、もっと何かできたのではないかという悔いはあります。
日本代表はずっと目標としてきたので、チームで結果を残しながら日本代表を目指すという自分との戦いが常にあった9年間だったと思います。

――2012年大会は日本が初めてグループステージを突破した大会です。ご自身にとってどのような大会だったのでしょうか。

森岡 その年の8月に帰化申請が下りて、翌月の国内合宿で日本代表候補に初めて呼ばれました。当時のミゲル・ロドリゴ監督から求められたことは一つだけです。それは点を取ること。そうはいっても世界の相手から点を取るのは簡単なことではありません。大会直前の国際親善試合の2試合でも無得点。本当にこんな状態でいいのかと自信を失っていましたし、こんな僕が代表に入ったせいで長い期間準備してきた選手を落選させてしまったということまで考えました。そういうことは表に出さないようにしていたのですが、周りの選手がそれを察して、支えてくれました。その中でも三浦知良選手に掛けてもらった言葉が僕の背中を押してくれました。グループステージ第2節のポルトガルとの試合の前には「今日はお前が決める日だ」と言われ、もうやるしかないと。その試合で代表初ゴールを決めて、チームとしても5-5で引き分けることができ、グループステージ突破につながりました。

――フットサル日本代表は9年ぶりのワールドカップを戦います。どのような戦いを期待しますか。

森岡 8月に行われたスペインでの試合を見て、今まではピッチ上にいて感じづらい部分もありましたが、外から見ると本当に強くなったと思います。グループステージ突破はもちろん、もっと上にいけるのではないかという期待を抱きました。オリベイラ・アルトゥール選手が試合をうまくコントロールしていて、中盤で攻守に関われる吉川智貴選手がいて、前の清水和也選手も得点力がある。とてもバランスがいいと感じています。

――同じピヴォでは清水選手や星翔太選手が選出されていますが、世界大会で得点を奪うために必要なことはなんだと思いますか?

森岡 受け身にならずアグレッシブに戦う姿勢というのが今の日本代表にはあると思っています。二人ともスペインリーグでの経験もありますし、特に僕が同時期にプレーした清水選手に関しては、本当に成長したと感じています。対戦相手も二人を警戒してくると思います。逆を返せば警戒されるほど相手にとって危険な存在であるということ。僕は今のピヴォのポジションで足りないものはないと思っています。

――現在、42歳。ご自身の次の目標は。

森岡 この年齢でワールドカップ行けなかったという話をするのもどうかと思いますけどね(笑)。今はフットサルを普及させたいという気持ちが強いです。フットサルという言葉を聞いたことがある人は増えたと思いますが、まだミニサッカーと認識している場合が多い。僕らがプレーしているのはフットサルで、その魅力を知ってもらいたい。Fリーグの会場にも来てほしいと考えています。普及のためにSNSでフットサルの情報を発信している選手もいます。僕はそういうのがあまり得意ではないので、いろいろな地域に行って、一緒にボールを蹴って、いろいろな人に触れ合って、フットサル選手というのはこういうものなんだというのを見せられたらと思います。体が言うことを聞くうちは頑張っていきたいと思います。やっぱりフットサルが好きなので。

――このようなタイミングでのインタビューで心苦しいですが…。

森岡 僕は今回、日本代表という舞台からは遠ざかってしまいましたが、子どもたちが「夢はフットサル選手」と言ってもらえるようにフットサルの普及を頑張ろうと思っています。先ほども言いましたが、僕はSNSがそんなに得意ではないですし、今回のワールドカップや日本代表について触れていなかったので、僕にとってもいい機会になりました。日本中が日本代表の活躍を期待していると思いますし、僕もその一人です。ぜひともいい結果を期待したいです。

FIFA フットサルワールドカップ リトアニア2021

大会期間:2021/9/12(日)~2021/10/3(日)

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