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ブルーノ・ガルシアのフットサル道場 vol.4「日々の練習から試合を意識してプレーさせることが自分の仕事だ」
2019年09月04日
必見「フットサル道場」!
機関誌『JFAnews』で連載中のブルーノ・ガルシアフットサル日本代表監督のコラムをJFA.jpでもお届けします。フットサルの魅力や指導法など、フットサルだけでなく、サッカーにも通じるポイント満載です。
※本コラムはJFAnews2017年10月号に掲載されたものです
日本の選手は質が高い今後は活動量も必要
AFCフットサル選手権2018の予選が11月1日にスタートする。昨年、ウズベキスタンで開催された2016年大会では、日本は5位決定プレーオフで敗れ、FIFAフットサルワールドカップコロンビア2016の出場はならなかった。日本のフットサルに携わる誰もが打ちひしがれたと思う。今回はそこから這い上がるためのチャンス。早くタイ(予選の開催地)に行きたくてうずうずしている。
フットサル日本代表のチームづくりのスピードや、選手の成長具合には一定の手応えを得ている。今年、われわれはヨーロッパ遠征や国内合宿などを通じてチームの連係を深めてきた。選手たちは、攻めるときと守るとき、セットプレー時の約束事など、異なる状況で下すべき判断を理解しつつある。個々が局面に応じたプレーができるようになって、それがチーム内で統一されれば、日本というチームの軸が固まってくる。
幸運なことに、日本には高いポテンシャルを秘めた選手が大勢いる。彼らは努力家で、研究熱心で、成長しようとする意欲も強い。あとは、フットサル日本代表として活動する回数が増えれば、言うことはない。選手が持つ「質」に、連係をより深めるために必要な遠征や合宿の「量」が伴えば、代表チームも選手もワンランク上に行くと思う。
アジアのフットサル界を取り巻く環境は、10年前と比べて劇的に変化している。それは、時間とお金をかけて代表チームの強化に取り組む国が増えたということだ。今年5月、AFC U-20フットサル選手権がタイで行われた。優勝したイランは、この大会の前に2度の国外遠征を実施するなど、半年にわたって準備を進めてきたという。イランやベトナムといった従来の強豪国以外の進化も目覚ましい。特に、インドネシアとイラク、タジキスタンが育成年代の強化に取り組んでいる。このような周囲の動向を聞くと、われわれ日本も早く何か手を打たなければならないと思ってしまう。
勝負事を好むブルーノ・ガルシア監督の姿勢が選手たちに伝われば、公式戦でも普段の力を発揮しやすくなるかもしれない
(写真はU-25フットサル日本代表候補のキャンプの様子)
試合を意識して練習すれば本番で自分に期待が持てる
AFCフットサル選手権の予選でアジアの難敵と戦うことや、日本を率いて初の予選に臨むことへのプレッシャーは全くない。選手も私も、この予選のために準備してきた。久しぶりの公式戦が楽しみで仕方がない。
私は勝負事が好きで、そのために生きているようなものだ。試合や大会を通して勝ち負けを決めるということは、生きるために食べるのと同じことで、ごく自然なことだと思っている。試合や大会が迫ってくると落ち着かないとか、緊張するとか、そういう問題ではない。全ての準備(プランニング、遠征、合宿、練習、食事など)を勝つために費やしている。国際試合はトップ・オブ・トップの相手とのしのぎ合いではあるが、極度にモチベーションが上がったり、下がったりすることもない。いつも通り、落ち着いている。
選手たちにも、平常心で試合に臨んでほしいと思っているし、できるだけ自然体で試合を迎えられるよう、練習の段階から真剣勝負を求めている。練習は本番に向けた準備の場で、練習のための時間ではない。勝利に近づくための活動だと思いながら取り組んでいる。選手に対し、日々の練習から試合を意識してプレーさせることが自分の仕事だと思う。毎日の練習の目的がはっきりしていれば、「この日のために練習してきた」と自分自身に期待を抱いて大会に臨めると信じている。今後も、選手がわくわくした気持ちでAFCフットサル選手権の予選に迎えるように準備を進めていきたい。
冒頭で記した通り、今予選は昨年の悔しさを晴らし、リスタートを切るための良い機会だ。誰よりも悔しい思いをした選手たちが、日本フットサルの存在感を示すべく全力を尽くしてくれるだろう。
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