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ニュース

なでしこジャパン キャンプの総仕上げに男子大学生とトレーニングマッチを実施

2021年03月31日

なでしこジャパン キャンプの総仕上げに男子大学生とトレーニングマッチを実施

なでしこジャパンは30日(火)、今回の活動の総仕上げとして男子大学生とのトレーニングマッチを行いました。2点を先行される苦しい展開でしたが、3得点で盛り返し、3-2で勝利しました。

前回トレーニングパートナーとして協力してくれた鹿屋体育大学サッカー部とのトレーニングマッチは45分を3本行いました。1本目と2本目を1試合と想定して選手を起用し、3本目を追加して全選手が45分以上プレーする時間が与えられました。

1本目、スピードとパワーに勝る大学生に対して連係した守備で主導権を握らせまいと好守を見せますが、「守備を意識しすぎて攻撃にパワーを残せなかった」と鮫島彩選手が話すように、なかなかゴールを脅かすことができません。そんな中、一瞬の隙を突かれて相手が得意とする大きな展開から2失点を喫します。0-2とされた直後には菅澤優衣香選手のシュートがクロスバーを叩く惜しい場面もありましたが、得点は動かず2本目に入ります。

ハーフタイムで守備を修正したなでしこジャパンは、その後男子大学生のプレーにも上手く対応して立て直しを図ると、前の日に「自分持ち味を出して積極的に裏を狙いたい」と話していた浜田遥選手が交代で入った直後に宣言通りのプレーでゴール。この後も何度も相手ゴール前に顔を出し続けてボールを要求します。

追い上げムードを作った2本目から、3本目はメンバーを全員入れ替えて臨みます。フォワードに入った最年少の浜野まいか選手が所狭しに走って立て続けにゴール前でチャンスを作りますがゴールは奪えません。するとサイドにスライドした浜田選手がここでも裏への抜け出しを見せ、猶本光選手からのパスを決めてこの日の2点目を奪い追いつきます。疲労も見える大学生を相手にフレッシュな選手たちが躍動し、終盤には塩越柚歩選手のゴールで勝ち越し、逆転して試合を終えました。

シーズンインしたばかりの選手が多く、フルサイズのピッチではトレーニングしていない、あるいはゲームをまだやっていないという選手が多い中、この2週間でコンディションを整えながら戦術を確認し合い、常にリアリティを意識しながら取り組んできた一つの成果が出た試合となりました。

今回の強化合宿は31日(水)のトレーニングで終了となり、メンバーは解散します。4月1日には、宮城と東京で行われる国際親善試合に臨むメンバーが発表されます。

選手コメント

DF 鮫島彩 選手(大宮アルディージャVENTUS)
チーム全体として、ボールを奪いたい場所にどう誘導していくかまでは詰められていませんでしたので、FWの追いかけ方であったり、守備のスイッチの入れ方を意識して、エラーが出てもトライしようという気持ちで試合に入りました。1本目はそれを意識し過ぎて、自ら守備で体力を消耗してしまい、攻撃にパワーを使うことができませんでした。ハーフタイムに、プレスに行くラインを少し下げようと話し、その後いくつかの場面で意図的に追い込めたシーンを作れたので、その部分は収穫が大きかったと思います。東京オリンピック本番を考えると、暑さの中で戦わなければいけないので、攻撃に使えるパワーを考えながらプレーすることも大事にしないといけないと感じた部分でした。2失点はどちらも相手スローインからで、失点シーンに限らず、今日はスローインから逆サイドに展開されてしまう、あるいはゴールまで運ばれてしまう場面がいくつかあったので、スローインはかなり課題だと思いました。今回2週間のトレーニングキャンプでしたが、国内のトレーニングキャンプでここまで長い活動が初めてで、自分たちでトライしていいエラーがいくつか出たので、あと数日続けてそこに取り組みたいという思いが正直なところあります。ここで解散するのではなく、これを踏まえてどう修正するのか、連続的にやりたい心境です。選手間でトレーニングマッチを振り返るミーティングをすぐにするので、次はこうしようという考えを作ってから4月の活動に臨めたらと思います。

DF 北村菜々美 選手(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)
代表チームではサイドバックでプレーしてきて、今日の試合のようにサイドハーフで起用されることは初めてでしたが、思ったよりボールは繋げられたかなと思います。高倉監督には、前でボールを持った時の攻撃のレパートリーを増やしてほしいと言われていました。映像を見返してみたら、前を向けるのに後ろに戻してしまうシーンがあったので、もう少し前を向けたかなという反省があります。合宿中の紅白戦でもサイドバックでプレーしてきて、今日初めて前のポジションということでどうしようという思いもありましたが、始まってみたら意外とボールも回せるなという手応えを感じることができました。これまで代表ではサイドバック、自チームではサイドハーフでしたが、代表でもサイドハーフで使ってもらえるのは自分のプレーの幅も広がりますし、代表に呼ばれる可能性も少し広がったように思います。センターバック以外は全部プレーした経験があり、サイドハーフでも中央に入ってボールを受けるシーンが今日もあったのですが、そこでボールを受けて前を向けたのはボランチの経験もあるおかげかなと思いました。

FW 浜田遥 選手(マイナビ仙台レディース)
スピードもパワーもある男子大学生に対して、自分が入った時に何ができるかを考えながら1本目を見ていました。2本目の途中から入ったときは、積極的に相手の背後に抜けようと意識して入りました。それが得点につながったので良かったです。1点目は清水選手から、2点目は猶本選手からいいボールが来て、2点とも自分がほしいタイミングで出してくれたので、落ち着いて決めることができました.背後への抜け出しは今回の活動で意識して取り組んできました。清水選手は遠くまで見られる選手ですし、猶本選手は絶対に縦を見ると思って抜け出したらいいタイミングで出てきました。パスがたくさん出てくるので、みんなに生かしてもらっています。今日の2得点で自分の代表チームでの立ち位置が変わるとは思っていません。FWには他にいい選手がたくさんいるので、そこで自分の良さをどう出していくべきか考えながらプレーしています。自分には足元の技術はないですが、相手の背後に抜けるという今日の得点の形は自分の良さが出せたと思うので、一瞬の隙を逃さず、自分が点を決めるんだという強い気持ちを持って取り組み続けていきたいと思います。

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