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なでしこジャパン スウェーデンに敗れベスト8で東京オリンピックを終える
2021年07月31日
東京オリンピックの女子サッカー競技は、ノックアウトステージに突入。7月30日(金)、準々決勝が各地で行われ、なでしこジャパンは埼玉スタジアム2002でスウェーデンと対戦しました。
FIFAランキング5位のスウェーデンは、2016年のリオデジャネイロオリンピックで銀メダル、19年のW杯では3位に輝いた強豪です。今大会は初戦でアメリカを3-0で下し、優勝候補に名乗りを挙げました。
負ければ終わりの一発勝負。グループステージでカナダ、英国、チリと戦い、1勝1分1敗のグループ3位で勝ち上がった日本は、これまで1ゴールずつを決めている岩渕真奈選手と田中美南選手が、今大会初めてスタメン2トップを組みました。
日本のキックオフで始まった試合は、立ち上がりから苦戦を強いられます。7分、コーナーキックのこぼれ球を拾われ、右サイドからのクロスをマクダレナ・エリクソン選手に押し込まれて失点。「相手のフィジカルが強いことは分かっていたけれど、それを上回られる形だった」と田中選手が振り返るように、速さと高さを生かして、スペースに長いボールを蹴り込んでくるスウェーデンの攻撃に苦しみます。
しかし、苦しいグループステージを勝ち抜いてきた日本は粘りを見せます。12分に、フリドリナ・ロルフォ選手の強烈なシュートを山下杏也加選手がセーブすると、徐々にボール支配率を上げながら反撃のチャンスを探りました。そして、23分、右サイドを鮮やかな連係で崩し、長谷川唯選手が上げたアーリークロスに、相手DFの背後から走り込んだ田中選手が飛び込み1点を返し、試合を振り出しに戻しました。
このゴールで勢いづくと、選手同士が良い距離感を保ちながらワンタッチパスも交えた日本らしい攻撃を見せ、31分には、田中選手がペナルティエリア内で倒されて、PKを獲得。しかし、これはVARの判定で取り消しに。その後も集中を切らすことなく、守備陣の体を張った守りに呼応するように、前線も切り替えを早くして相手にペースを握らせません。
1-1で迎えた後半も、立ち上がりの48分、49分と、日本が立て続けにペナルティエリア内に侵入してチャンスを作りました。しかし53分、一瞬の隙を突かれて右サイドを突破され、スティナ・ブラックステニウス選手に決められて1-2。再び1点を追う展開となった日本は、57分に長谷川選手のパスを収めた田中選手が素早いターンから左足を振り抜きますが、ヘドヴィグ・リンダール選手の好セーブに阻まれます。すると66分、ペナルティエリア内でコソヴァレ・アスラニ選手のシュートが三浦成美選手の手に当たり、ハンドの判定でPKを与えてしまいます。これをきっちり決められて2点差に。その後は次々に選手を交代して試合を締めにかかったスウェーデンに対し、後がない日本は、72分に遠藤純選手、81分に北村菜々美選手、86分に林穂之香選手が交代でピッチに立ち、最後までゴールを目指しました。しかし、スウェーデンの牙城を崩すことはできず、ロンドンオリンピック以来、9年ぶりの出場でメダルを目指した日本の挑戦は、ベスト8で幕を閉じることとなりました。
他会場で行われた3試合は、すべて延長戦に突入する接戦となり、勝ち上がったのは、オーストラリア、アメリカ、カナダ。8月2日(月)に行われる準決勝は、オーストラリア対アメリカ、スウェーデン対カナダとなりました。
監督・選手コメント
高倉麻子 監督
スウェーデンはグループステージを見ても非常に調子が良く、難しい相手だということを全員で自覚し、それでも日本の良さをすべて出して戦っていこうと話しました。課題でもあった前半の早い時間に失点したことは残念です。ただ、そのあとは自分たちの武器で点を取り返して、お互いのいいところを出しながらゲームが進みました。後半も同じように我慢をしながら戦う中で、失点が重なってしまいました。選手は最後まで諦めずに戦ったと思いますし、大会中、すべてをかけて戦ってくれた選手たちを讃えたいです。
GK #18 山下杏也加 選手(INAC神戸レオネッサ)
自分たちはどのような相手でもジャイアントキリングの気持ちで立ち向かわなければいけなかったですし、先に失点はしましたが、前半は良かったと思います。後半の2失点目は、最初の失点がクロスでやられていて、意識がそちらに行っていた中でシュートが飛んできたので反応が遅れてしまいましたが、自分が止めるべきでした。GKとして試合に出られるようになってから、海外の選手との試合を経験させてもらったことに感謝しています。次に切り替えて、この大会で出た課題に向き合っていきます。
DF #2 清水梨紗 選手(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)
入りたくても入れなかったメンバーもいますし、チームのために動いてくれている人たちのためにも全身全霊をかけて戦うことを心がけて入ったのですが、この結果になってしまい、本当に悔しいです。スウェーデンが日本の左に寄せていく独特の守備をしていて、自分が右で高い位置を取ることでいいボールがたくさん入ってきました。その中で追いついたゴールはうまく崩せましたが、後半の2失点目は反省もあります。主導権を握りたくても握れない、苦しい試合が多い4試合でした。個人としては、世界のサイドハーフがレベルアップしていると感じたので、対人能力は今後、さらに磨いていかなければいけないと思います。
DF #4 熊谷紗希 選手(FCバイエルン・ミュンヘン/ドイツ)
厳しい戦いが続いた中でも、チームとしてやれることは今日の試合にぶつけたつもりです。ただ、自分たちがうまくボールを支配できて、相手の嫌なプレーができて、相手にとって日本の攻撃が怖かったかと言われるとそうではなく、これが今の世界との差だと感じます。世界で勝っていくために何をしなければいけないかをもう一度考えるべきだし、上手いだけで勝てる相手ではないと思うので、自分たちのウィークポイントをどれだけ戦えるように変えていくかが、これからの日本の女子サッカーの課題かなと思います。
DF #5 南萌華 選手(三菱重工浦和レッズレディース)
立ち上がりの失点は反省していますし、世界の壁の高さを改めて感じました。グループステージの3試合よりボールは動かせて、日本らしさは出せたと思いますが、どれだけいいサッカーをしても失点すれば負けてしまうので、ディフェンスとして反省すべき点です。自分ではやっているつもりだったことが、まだまだ足りないんだなと実感させられた試合でした。ただ、フィジカルでは勝れない相手でも、パスや細かい動きで勝れる部分があるので、そこを磨きつつ、個人としてももっと強くなっていかなければいけないと感じています。
MF #14 長谷川唯 選手(ACミラン/イタリア)
早い時間の失点は今までも反省を重ねてきましたが、高さでやられてしまいました。前半のうちに返せたことは成長だと思いますが、後半、相手が修正してきた中で、その上をいくプレーができていませんでした。大会を通じて、英国やスウェーデンは、フィジカルがありながらもつないできて、いい位置に立ってポゼッションしてくるチームでした。そうやってヨーロッパのサッカーが変化している中で、日本のようにつなぐサッカーにプラスしてスピードがある相手にどう戦っていくかを考えなければいけないし、理論的に立ち位置なども理解しながら、もっと突き詰めないといけないと思います。
FW #11 田中美南 選手(INAC神戸レオネッサ)
メダルを目指してやってきましたし、この大会に懸けていたので、悔しいです。一点取ってからの追加点は遠かったですし、ポゼッションはできていたけど、シュートまでいけていなかった。得点力は課題です。個人的には、ドイツでのプレーを経験したことでボールを収めるところで余裕を持てるようになった実感があります。こういう苦しい試合で、どんな形でもゴールを取り続けるFWになるしかないと思っています。
【#東京オリンピック】ハイライト#サッカー 女子準々決勝
— gorin.jp (@gorinjp) July 30, 2021
スウェーデン vs #日本
ベスト4進出を懸け世界ランク5位のスウェーデンに挑んだ日本は、フィジカルに勝る相手に対しパスを繋ぐサッカーで対抗するも1-3と力及ばず準決勝を前に敗退しました。#Tokyo2020 #gorinjphttps://t.co/oOdJnrK5cR pic.twitter.com/wmWbSixpMj
第32回オリンピック競技大会(2020/東京)
サッカー競技日程:2021年7月21日(水)~2021年8月7日(土)
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