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なでしこジャパン、スイス女子代表に2-0で完封で勝ち切る ~MS&ADカップ2017~
2017年10月23日
なでしこジャパンは、10月22日(土)、長野Uスタジアムで行われたMS&ADカップ2017で、スイス女子代表と対戦しました。
16時30分、日本のキックオフで試合は始まりました。この日のなでしこジャパンは、4-2-3-1のフォーメーションを敷きました。GKに池田咲紀子選手。DFは右から鮫島彩選手、熊谷紗希選手、宇津木瑠美選手とFIFA女子ワールドカップ ドイツの優勝メンバーが並び、左サイドバックに万屋美穂選手。ダブルボランチは、なでしこリーグ3年連続MVPの阪口夢穂選手と中里優選手がコンビを組み、サイドハーフに櫨まどか選手と籾木結花選手。トップ下に長谷川唯選手、そして最前線に横山久美選手という布陣です。
日本、スイスとも、試合開始から相手陣内へ入っていこうという姿勢を見せます。6分、スイスはマリッツ選手の左コーナーキックから182センチの長身DF・シュティールリ選手がヘディングシュートを放ちますが、これは僅かにゴールの右外へ逸れました。
日本も、徐々に主導権を奪い返し、18分には中盤でキープした長谷川選手からのボールを受けた櫨選手がシュート。ゲール・タルマン選手の守るスイスゴールを脅かします。25分にも「タテのボールを入れたい」と話していた万屋選手が、籾木選手にグラウンダーのパスを通します。籾木選手が、思い切って左足を振り抜きますが、ここもGKに防がれました。その後も、日本はショートパスを交換しながらスイスのゴールへ迫り、長野Uスタジアムに集まった6,261人のサポーターを沸かせます。
日本がやや攻め疲れた30分過ぎから、今度はスイスが逆襲。キャプテンのリア・ベルティ選手が、日本のコーナーキックのこぼれ球を拾って持ち上がり、久しぶりのチャンスを作り、その2分後には自らシュートを狙います。36分にはアナマリア・クルノゴルセビッチ選手の長いドリブルを起点にしたカウンターから、エセオサ・アイグボグン選手がフリーでシュートを放ちましたが、枠を捉えられませんでした。
この1週間、攻撃パターンを増やしてきた日本も、44分、横山選手のショートコーナーから櫨選手、長谷川選手とトリッキーにつないで生まれた混戦から、最後は阪口選手がシュート。スイスDFにブロックされたものの、いいイメージを残してハーフタイムに入ります。
ハーフタイムに両チームはひとりずつ選手交代。日本は籾木選手を中島依美選手に、スイスはGKをセライナ・フリードリ選手へと代えます。49分、櫨選手のスルーパスを受けた横山選手が、ゴール正面でシュート。しかし、これもわずかにバーの上を越えました。スイスもセットプレーからキビッチ選手のヘディングにリナスト選手が飛び込みますが、シュートは枠の外へ。さらに、56分にもノエレ・マリッツ選手のクロスにもう一度リナスト選手が合わせますが、このシュートもゴールを捉えられません。
手に汗握る攻防が続く中、69分、日本に先制点が生まれます。中央でボールを持った櫨選手が、右サイドに走り込む中島選手へ、タイミングを合わせたスルーパス。これを受けた中島選手はドリブルで持ち込んでシュート。一度は、GKに防がれたものの、このリバウンドを再び左足で捉えて、貴重な1点をもぎ取りました。「櫨選手からいいボールが来ました。一発で決めたかったのですが、結果につながって良かったです」と殊勲のゴールを挙げた中島選手。
その後、日本、スイスともに選手交代を行いますが、交代出場の岩渕真奈選手が、鋭いターンからシュートを放つなど、日本の時間帯が増えていきました。そして、アディショナルタイムに、スイスの連係ミスに乗じた田中美南選手がチャンスをモノにします。ドリブルからゴール左隅への強烈なシュートという一連の流れは、スイスのフォッステックレンブルク監督も「素晴らしいゴール」と称えるほど。
降りしきる雨をものともせずに戦った、なでしこジャパンは2-0のスコアで快勝。試合前に高倉麻子監督が掲げていた「しっかりと試合を勝ち切り、チームの経験とする」という目標を、見事に達成しました。
監督・選手コメント
高倉麻子 監督(なでしこジャパン)
あいにくの天気の中でのゲームでしたが、たくさんの方々に応援していただき、チームも勇気を持って戦うことができました。得点できたのは遅い時間帯でしたが、2-0という結果は、チームにとって財産になると感じています。前半は、スイスの選手の大きさやスピード、そしてボールを奪われる恐怖心から、日本らしい連動や、アグレッシブなプレーが出せませんでした。後半は、勇気を持ってアクションを繰り返しながら、ゴール前に入っていこうとしました。スイスの圧力に慣れたこともあって、ゴールへ近づくプレーが増えました。結果として2点が入ったのは良かったのですが、それ以外のところでは、プレーの精度、動きの質を含めて上げていかなければいけないと感じました。選手は良く戦ってくれましたし、伸びていこうという強い思いをグラウンドで表現してくれました。まだ、世界一をとると言い切るには力が足りないと思いますが、一歩ずつ階段を上っていければと思います。
DF #4 熊谷紗希 選手(オリンピック・リヨン)
(試合を勝ち切る上で)自分はDFですので、失点をしないことを一番に考えています。今日も粘り強い守備をしていく中で、味方が点をとってくれました。前半、失点をしないということが一番、肝心な部分だと、改めて実感しました。対戦相手のスイスのコンディションがどの程度だったのかはわかりませんが、勝利で終えられたことは良かったと思います。それと、日本の中だけでやっていたら、まず経験できない、ロングボールも多用してくる相手と対戦できたことも、チームにとって収穫だと思います。
FW #5 櫨まどか 選手(伊賀フットボールクラブくノ一)
立ち上がりは、スイスが、すごくタイトにきていたので、そこは我慢かなと思っていました。後半に入ってからスイスの足が止まり始めて、少しずつ、守備のマークがかぶり始めて、そのタイミングで中島選手が走ってくれていたので、パスを出すことができました。(ポジションは)一番前で使ってもらうのがいいのですが、試合に出られるならどこでも構いません。どのポジションでもハードワークは求められますが、サイドに入ったら人一倍、ハードワークしなくてはいけません。頭を使わなければいけない場面も増えますし、(3つのポジションをこなした)今日はさすがに疲れました。
FW #11 田中美南 選手(日テレ・ベレーザ)
自分も途中出場でシュートは1本だけ。それが入ったからよかったのですが、もう少しシュートを打ちたかったです。追加点のシーンは、偶然、ボールが転がってきて、頭の中はシュートしかありませんでした。一回、相手GKを惑わすために中を見て、狙ったところにいいシュートを決められました。後ろの選手が失点ゼロで抑えてくれたおかげですし、自分の自信にもなりました。あのまま1-0でも勝ちでしたが、FWとして結果を意識していたので良かったです。
マルティナ・フォッステックレンブルク 監督(スイス女子代表)
最初の15分間はいい形で試合に入れたと思います。ポゼッションしていましたし、カウンターも良かった。しかし、ゲームの前から、日本が主導権を握るのはわかっていました。(2015年の対戦と比べて)今回の日本は若いチームでありましたが、2015年のチームと同じくらい、パスも通り、ボールポゼッションもできていると感じました。日本には若くて才能のある選手たちがどんどん出てきているという印象もあります。そして今日のスタジアムですが、観客がとても大きな熱意をもってサッカーを見てくれました。素晴らしい雰囲気を感じました。2019年に行われるFIFA女子ワールドカップ フランスで、スイスと日本が対戦できることを楽しみにしています。
JFA-TV
スケジュール
MS&ADカップ2017 | ||
---|---|---|
10月22日(日) | 2-0 | MS&ADカップ2017 vs スイス女子代表(長野Uスタジアム) |
10月23日(月) | PM | トレーニングマッチ vs スイス女子代表【一般非公開】※中止 |
※スケジュールや会場は変更になる場合がございます。
2017/10/22(日) 16:30キックオフ
なでしこジャパン(日本女子代表)対 スイス女子代表
長野/長野Uスタジアム
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