ニュース
Legameが接戦を制し、初優勝を果たす 第29回全国レディースサッカー大会
2018年03月20日
第29回全国レディースサッカー大会の大会最終日の試合が3月19日(月)、静岡県裾野市の時之栖スポーツセンターで行われました。この日は、各順位別トーナメントの決勝と3位決定戦が行われ、1位トーナメントではLegame(東海/三重)が初優勝を果たしました。
4位トーナメント決勝では、東京アルテミスSC(関東3/東京)と鳥取レディース(中国2/鳥取)が対戦。昨年の1位トーナメント決勝を戦ったアルテミスは実力を示して優勢に試合を進め、32分に3連続CKから笠嶋由恵選手が押し込んで先制。笠嶋選手は44分にもゴールを追加し、アルテミスが2-0と勝利しました。
3位トーナメント決勝は接戦となりました。高知ユナイテッドSCレディース(四国/高知)が押し気味に戦うものの、沖縄県レディース(九州3/沖縄)も粘り強く戦います。高知は交代選手がいないながら攻め続け、一方の沖縄は選手交代を繰り返して総力戦で互いに懸命に戦った試合は0-0で終了しました。
この日に行われた4つのトーナメントで、一番多くのゴールが生まれたのが2位トーナメントでした。小平サッカークラブ(関東2/東京)は、室蘭アイスバーズ(北海道)を相手に4-0と快勝。3位決定戦ではスポーツの森・大津マリノス(九州2/熊本)が前半に5得点を挙げるなど計7点を奪いますが、岩手選抜(東北1/岩手)も49分に1点を返すと、全員で抱き合ってそのゴールを喜びました。
1位トーナメントの決勝を戦ったのは、3連覇を狙うUILANI FC(関東1/埼玉)と、初出場した昨年に無敗ながら2位トーナメントにまわり、優勝で溜飲を下げたLegameでした。ともになでしこリーグでプレーした選手たちを擁するチームの対戦は、緊張も手伝ってか意外な形で動きました。開始早々の2分、UILANIの岩倉三恵選手がミドルシュートを放つと、タイミングと思わぬ軌道に虚を突かれたかGKが動けず、その頭上を抜けて先制点が決まりました。
UILANIは攻守に走力を生かし、攻撃的に試合を進めました。ボールを持った相手への素早い寄せでボールを奪うと、素早く前線やサイドにパスを通して、ゴールを目指します。前半だけで7本のシュートを放ち、主導権を握ってハーフタイムに入りました。
しかし、後半に入り流れが変わります。1点を追うLegameはボールも人も積極的に前へと動くようになり、攻勢を強めていきました。遠目からのシュートやセットプレーでも果敢にゴールを狙うと、アディショナルタイムにドラマが待っていました。50+2分、諦めずに放ったシュートで得た右CKを、ゴール前の混戦から最後は小野鈴香選手が押し込み、試合を振り出しに戻したのです。
3日間で5試合目となるゲームでは両チームとも頻繁に選手交代を繰り返しており、疲労の蓄積をうかがわせます。突入した延長戦でも懸命に足を動かしゴールを狙い続けましたが、1-1のまま試合は終了。優勝の行方は、PK戦で決することになりました。
LegameはGK佐藤麻陽選手が相手の3本目をセーブするものの、決めれば勝負が決まる5本目で殊勲の同点弾を決めた小野選手が枠を外してしまいます。そしてPK戦も“延長戦”となり7人目までもつれ込みましたが、最後は佐藤選手がまたも好セーブを披露。劇的な試合展開で大接戦をものにしたLegameが初の栄冠に輝きました。
3連覇はならなかったUILANIですが、昨年に続いてフェアプレー賞を受賞。大会最優秀選手には、Legameの小野選手が選ばれました。
選手コメント
小山美佳 選手(Legame)
疲れはありましたが、この大会を戦ううちにどんどんプレーが合ってきて、最後の試合が一番面白かったです。先制されましたが、がむしゃらにやるしかないし、全員シュートを打ってこいとハーフタイムに言われたので、後半には皆で気持ちを切り替えてプレーできました。皆が本当にうまくて、良いパスばかり出てきます。私は走ることならできるので、頑張って走りました。全員頑張るとても良い子たちなので、結果を出せてうれしいです。去年は負けなかったのに全16チーム中5番目で終わったことが悔しくて、チーム名も変えてユニフォームも新しく作って、出直してきました。全員の力で優勝できたので、あまり意識はしすぎませんが、やはり連覇を目指して、また楽しみながら頑張っていきたいと思います。
齋田由貴 選手(UILANI FC)
3連覇を目指すというよりも、全員負けず嫌いなので、楽しくやりつつ勝利を目指してきました。最後の試合の相手には、なでしこリーグを引退したばかりの選手が多く、うまいチームだったので、対戦していて楽しかったです。後半はセカンドボールが拾えなくなり、相手のペースになりかけました。終盤に立て直せたのですが、点を取ることができませんでした。過去2度の大会では全勝しているのですが、今日の敗戦もPK戦とはいえ、負けであることに変わりはありません。このチームで出ているのは、この大会だけなので、また来年も挑戦します。
笠嶋由恵 選手(東京アルテミスSC)
今大会1、2試合目では点を取れず、FWとしての役割を果たせませんでしたが、最後の試合で点を取れて良かったです。周囲は30代のチームにアンダーエイジとして20代の選手が入っていますが、うちはほとんどの選手が40代です。他のチームより平均年齢が10歳くらい高いと思うのですが、それでもここまで戦えるアルテミスはいいチームだな、と改めて思いました。こういう目指すべき舞台があるのも、すごくありがたいことです。今回、なでしこリーグや日本代表でプレーしていた同年代の選手との対戦で勝てず、負けたくないなと思ったので、また来年ここに戻ってきたいです。
山内由希 選手(小平サッカークラブ)
昨年は1位トーナメント決勝で負けたので、今年は優勝を狙っていました。それなのに、チームの力が全然足りていなかったのかな、と感じます。この年齢になってもそういう目標を目指せるのは、本当に良い体験だと思います。優勝するには、一人だけではどうにもできず、全員でやらなければいけません。1次ラウンドの最終戦で負けてしまいましたが、気持ちを切り替えて2位トーナメントを戦い、最後は勝利で終われました。また気持ちを切り替えて、来年に向けて頑張ろうと思います。
大会3日目ハイライト
第29回全国レディースサッカー大会
大会期間:2018年3月17日(土)~3月19日(月)
大会会場:時之栖スポーツセンター裾野グラウンド(静岡県裾野市)
大会情報はこちら
関連情報
関連ニュース
最新ニュース
- 2024/11/29 アジアのピッチから ~JFA公認海外派遣指導者通信~ 第91回 保坂拓朗 ホンコン・チャイナサッカー協会 U-16代表監督兼エリートユースダイレクター
- 日本代表 2024/11/28 選手変更のお知らせ フットサル日本女子代表候補 国内トレーニングキャンプ(11.28-12.1 千葉/高円宮記念JFA夢フィールド)
- グラスルーツ 2024/11/28 第10回アジア太平洋ろう者競技大会(マレーシア)にデフサッカー男子日本代表が参加
- JFA 2024/11/28 JFA×花王「アタック」 JFAソーシャルバリューパートナーとJFAサポーター契約を締結 ~オフィシャル衣料用洗剤として日本代表活動やイベントへ提供、環境・教育に対する取り組みを協業~
- 日本代表 2024/11/27 「潜入ツアー ~JFAハウス編~」を初開催! サッカーに関わるすべての方へ!今年もありがとうキャンペーン2024