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救命講習会の開催レポート(9月開催)

2023年10月06日

救命講習会の開催レポート(9月開催)

9月に開催した「救命講習会」について、写真・アセスメントをもとにご報告します。

JFA+PUSHコース(簡易救命講習会)

9月30日(土) 千葉県サッカー協会 20名受講

受講者コメント

佐々木和彦 さん(千葉県我孫子市サッカー協会)
「気づく」「知らせる」「止める」。脳震盪への対応を講師の本間洋輔医師が三つの言葉にまとめたのが印象的でした。外からはわからないダメージだけに頭痛、吐き気、意識障害などのシグナルを察し、勇気をもってプレーをやめさせる重要性を学びました。熱中症対策として、WBGT指針に従った給水タイム、クーリングブレークの重要さを改めて確認しました。
「PUSHコース」で、20万人に1人がスポーツ中に突然死している実態を知り、救命のため、AEDと胸骨圧迫を学びました。実際に119番通報とAEDの手配を呼び掛ける声かけ、救急車到着までにすべき措置をトレーニングキットで実演しました。思ったよりハードでした。スポーツ中や街角で突然、選手や人が倒れたら……。「そばにいるあなたにしか救えない命があります」講師の玉井勇一看護師からの言葉です。その場面に遭遇したら勇気をもって自分を「PUSH」しようと思いました。

中谷政人 さん(千葉県社会人サッカー連盟)
今回の講習では脳震盪や熱中症に関する対処法・予防策と心肺蘇生法について、実技を交えて講義も行っていただきました。自分自身、消防署の普通救命講習を受講したことがあり、胸骨圧迫とAEDについて実技経験はあったものの、医師・看護師の医療に携わる方による指導は納得性が高く、改めて得られるものが多くありました。何より、現場に立ち会った場合に躊躇することなく救命措置にあたれるように「自分をPUSH!」することの重要性を認識することができました。このプロジェクトにご尽力いただいている皆様に感謝申し上げるとともに、より多くの方々が受講され理解と実践の輪が広がっていくことを祈念いたします。

スポーツ救命ライセンス講習会

9月2日(土) 日本アスリートライフサポート協会関西医療大学 6名受講

コースディレクター講師コメント

古家信介 医師(JFAスポーツ救命部会員/日本アスリートライフサポート協会/関西医療大学)
今回は大学サッカー部のトレーナーから看護師、チーム関係者まで幅広い背景を持つ方々が受講されました。フィールドはそれぞれ違いますが、選手の生命や生活を守るという目的のもと皆さん協力して実技をされていました。始めは慣れないところもありましたが、終盤にはすっかり資機材の使用にも慣れており、1日での成長を非常に感じました。今後もこの講習会の開催を継続していきたいと思っています。

受講者コメント

西浦理奈 さん(関西医療大学保健看護学部保健看護学科)
今回初めて、日本アスリートライフサポート協会さんのスポーツ救命ライセンス講習会に参加しました。スポーツ救命ライセンス講習では、AEDを用いた救命講習に加えて脊椎損傷時の対応の仕方についても学ぶことができました。搬送時にはなかなか触る機会の無いヘッドイモビライザーを用いて、実際に自らが傷病者役も体験しながら、どのようなことに注意したら良いのかなど様々な視点で学べました。実践する時が来ないことを願いつつも、いざそのような機会に遭遇した際には対応できるように、定期的に受講していくことが大切だなと感じました。

野里常皇 さん(同志社大学体育会サッカー部/学生トレーナー)
今回の講習を受けて感じたことは、見たことがあることと、やったことがあることには大きな違いがあるということです。僕自身大学で学生トレーナーとして活動している中で、試合中に緊急対応をしている様子を見る機会が何度かありました。ある程度こうするべきということも理解はしているつもりでした。しかし、今回の講習では見たことがあり、すべきことをわかっているはずなのに体が動かない、という経験をしました。日頃から担架や緊急時の対応の練習をする大切さ、そして今回取得できたスポーツ救命ライセンスの更新時などの機会に、年々改善されていく緊急対応マニュアルの知識を付け、いつでも体が動く状態を維持することが大切だと感じました。今後は学生トレーナーだけでなく、選手自身や運営関係者などにもこのライセンスが普及し、より多くの人の命が助かることを願っています。今回は良い経験をさせていただきありがとうございました。

9月3日(日) 栃木県サッカー協会/芳賀赤十字病院 12名受講

コースディレクター/講師コメント

河又典文 医師(芳賀赤十字病院 循環器内科/帝京平成大学 人文社会学部)
本講習会は、高校生以上を対象とした、スポーツ現場での予期せぬ心停止・熱中症・アナフィラキシー・窒息に対する予防と対応法、および脊髄損傷が疑われる傷病者の適切な搬送方法を習得する300分の講習会となっています。栃木県サッカー協会としては今年3回目の開催になりました。今回も会場である芳賀赤十字病院の協力の下、心臓マッサージ実習人形に、スマートフォンと接続することで胸骨圧迫の質を評価できる「QCPR」、「エピペントレーナー」によるアナフィラキシー対応など、新たな内容も追加できました。12名の受講生はとても意欲的で、高校生から現役のトレーナーの方まで幅広い方に参加いただき、情報交換も含めて非常に有意義な講習会になりました。
酷暑の中、各地で多くの試合が再開されており、スポーツ中の予期せぬ病気やケガが多くなることが予想されます。講習が、フィールドの最前線で活動する指導者・スタッフの皆様にとって、少しでも自信をもって予期せぬ急変に対応できる一助となれば幸いです。今後、栃木FAでは11月に次回講習会を開催予定です。次回以降も県内外から多くの皆様の受講をお待ちしております。

受講生コメント

稲見卓也 さん
講義冒頭の試合中の心臓震盪の動画は、背筋が凍るような出来事でありましたが、当該選手の命が無事に助かり、今では元気にプレーしており、お子さんも生まれたという嬉しいお話を聞き、命を繋いでいく大切さを強く感じました。改めてトレーナーとして、現場に関わる上で選手の命を守ることの大切さや使命を学ばせていただきました。講義で印象に残ったのが病院に辿りつくまでの救命処置が救命率に大きく関わってくるということです。事態が起きた時に冷静で適切な対応ができるように、自身の知識の向上はもちろん、講習会の受講修了者が増え、少しでも救われる命が増えるようなスポーツ環境にしていくことが大切であると感じました。

久保奏汰 さん
昨年の実習で胸骨圧迫の方法を学びましたが意外と忘れていることが多く、講習会に参加して知識を再確認することは重要だと感じました。現在私は医学部サッカー部に所属していますが、試合中や練習中に選手が倒れると先輩が対処し、私は何もできずにただ見守るだけでした。しかし、この講習会で学んだことを生かして、そういった状況の時は率先して行動していきたいと思います。また、急病者の搬送など貴重な体験もさせていただきました。将来医療者となる身として大変有意義な講習会となりました。

日本サッカー協会は、ピッチ上の選手の安全を守ることを第一とした「スポーツ救命ライセンス講習会」と簡易救命講習会である「JFA+PUSHコース」を2017年から実施しています。「スポーツ救命ライセンス講習会」は、(公財)日本スポーツ協会(JSPO)公認アスレティックトレーナーが資格更新のために保有しなければならないBLS(Basic Life Support:一次救命処置)資格取得のための講習会として認定されています。

※AEDのご購入・リースは、「メディカル」の「AEDのご紹介」をご覧ください。
※講習会開催希望の団体は、「講習会を開催するには」の[問い合わせフォームはこちら]からお問い合わせください。

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