高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2022 ファイナルが12月11日(日)、国立競技場（東京都）で開催され、川崎フロンターレU-18（神奈川）とサガン鳥栖U-18（佐賀）が対戦しました。

高円宮杯 JFA U-18 サッカーリーグは、日本サッカー協会（JFA）の主催するU-18年代のリーグ戦の総称です。プレミアリーグはその頂点に位置付けられ、全国をEAST、WESTの2ブロックに分け、各12チームが年間を通じてホーム＆アウェイ方式の総当たり戦を実施しています。今年度はEASTで川崎Fが、WESTで鳥栖が年間1位となり、真の日本一を決めるファイナルで激突することとなりました。

コロナ禍の影響で開催が断念されていたファイナルが実施されるのは3年ぶりのことで、国立競技場では初めての開催となります。「選手たちは本当にこの舞台を楽しみにしていました」と川崎Fの長橋康弘監督が語っていたように、両チーム士気高く試合に臨みました。

立ち上がりから一進一退の攻防となった試合が動いたのは前半も終わろうかという44分のことでした。クロスボールからの混戦で川崎FのFW五木田季晋選手（#9）が倒され、これがPKに。DF松長根悠仁選手（#3）がこのPKを冷静に決めて試合を動かします。

一方、鳥栖はこの失点直後にすぐさま集まって、「まだまだ時間もあるし、問題ないことを確認」（MF福田太智選手／#10）。すると、その直後のアディショナルタイムでした。DF山本楓大選手（#2）のクロスを福井選手が流し、ここに左サイドから斜めに走り込んで相手DFの前に入り込んだFW増崎康清選手（#17）が見事なファーストタッチからのシュートを流し込み、試合を振り出しに戻します。

後半は、「プレッシングのやり方を修正した」（FW楢原慶輝選手／#7）鳥栖の戦術変更がうまく機能します。61分には楢原選手が福井選手とのパス交換から左サイドを破って折り返し、DFからFWにコンバートされている大里皇馬選手（#11）が見事なゴールを決めます。

さらにこの直後の63分には追加点。「前の選手が限定してくれていたので」と、相手のパスワークを読んで動き出せていた福井選手がインターセプトからそのままドリブルで中央を突破。最後は右足からのミドルシュートを繰り出し、貴重な追加点を奪い取ります。

川崎Fも選手交代から前線を厚くして攻勢に出ると、送り出されたFW岡崎寅太郎選手（#20）が結果で応えます。高い位置でのプレッシングから岡崎選手がボールを奪うと、五木田選手とパスを交わして敵陣を突破し、1点差に迫るゴールを奪います。

その後も川崎Fは193cmの長身DF高井幸大選手（#4）を前線に上げてのパワープレーも敢行してゴールに迫りましたが、GK栗林颯選手（#1）を含めた鳥栖守備陣は粘り強く対応。最後までゴールを許さず、3-2で逃げ切り。初めてのファイナルで、初の栄冠をつかみ取りました。

試合後、鳥栖の田中智宗監督は「カップ戦を優勝することも難しいですけれど、リーグ戦というのは1年を通しての戦い。そこで優勝したチームが一番強いと思っています」と笑顔を見せて、苦しい時期も含めて戦い抜いた選手たちを称えました。

監督・選手コメント

長橋康弘 監督（川崎フロンターレU-18）
選手たちには後悔の残る試合にすることだけはやめようと話して試合に入りました。鳥栖さんはゲームの流れを読む力があり、大人に近い試合運びができるチームで、たくましさもありました。選手たちはものすごく成長したなと感じた試合でもあります。3年生たちには「本当にお疲れさま」と心の底から言いたいです。

MF #10 大関友翔 選手（川崎フロンターレU-18）
昨年の先輩たちがプレミアリーグに上げてくれて、EAST優勝できたのは良かったです。しかし、今日は正直に言って自分たちの力が足りなかったと感じています。個人としても福井選手との差を感じた試合でした。今日はゴールを求められていたと思いますし、そこを出せませんでした。

田中智宗 監督（サガン鳥栖U-18）
この1年は順風満帆に来たばかりではなく、2カ月ほど勝てなかった時期もありました。しかし、そういうときに選手もスタッフも下を向かずにやってきたことが良かったと思っています。ボールを奪いに行く部分は徹底してやっているので、そこは今日も出せたのではないかと思っています。

MF #10 福井太智 選手（サガン鳥栖U-18）
ゴールの場面は持ち運びながらコースがどんどん空いていったので、そこにドリブルをして、仕掛けていくだけでした。奪った瞬間にもう「自分が行かないといけないな」と思いましたし、ボールを持った瞬間にゴールしか見えていなかったです。この舞台でああいうプレーが出せて良かったです。

日程：2022/12/11(日) 13:00 キックオフ(予定)
会場：東京／国立競技場
対戦：川崎フロンターレU-18（EAST王者） vs サガン鳥栖U-18（WEST王者）

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