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森山佳郎U-16日本代表監督「『WOW』と唸らせるプレーに期待」高円宮杯 JFA 第30回全日本U-15サッカー選手権大会
2018年12月19日
高円宮杯 JFA 第30回全日本U-15サッカー選手権大会が12月22日(土)に開幕します。ここではU-16日本代表、U-15日本代表の森山佳郎監督に大会の見どころや、育成年代の課題について聞きました。
――この高円宮杯は森山監督にとっても重要な大会ですよね。
森山 間違いないですね。出場する全員が、来年新たに立ち上がるU-15日本代表の候補選手と言えますし、多くの会場に代表スタッフ・ナショナルトレセンスタッフを配置して選手をじっくり見たいと思っています。
――どういう選手が見たいですか?
森山 いろいろとありますが、最近イングランドのスカウトが若年層の選手について一般的な評価軸に加え「WOW指数」というのを採り入れていると聞いて、「なるほどな」と思ったんですね。これは試合の中でその選手がどれだけ「WOW!」と観衆に言わせるようなプレーを見せたかどうか。そういうシンプルな指標です。平均して良いプレーをする選手もいい選手と言えますが、攻守に渡りワンプレーの強い印象で名前を確認したくなるようなシーンを作れるか。僕の経験でもやはり「WOW!」と言わせるのは何かがある選手ですね。
――この年代の日本代表では直近の活動として今年10月、U-15日本代表がバル・ド・マルヌ国際大会に参加しました。最後はイングランドに敗れて3位で終えました。
森山 最終戦は、何より失点の仕方が良くない試合でした。日本国内の試合では決して感じられないような相手の縦への推進力に対応できず、簡単に突破を許し失点。一瞬の隙を突かれ追加点を奪われる、という展開でしたね。シュートチャンスはこちらが多かったですけれど、向こうのシュートはズバンと枠に飛んできて、その差は大きかったです。ゴール前の攻防のところは改めて日本の課題だと感じました。
ヨーロッパのクラブを視察に行くと、必ず一定の割合で両ゴールを近くに配置したシュートゲームを良く見かけます。やはりサッカーは最後にゴールを決めるか決めさせないかで勝敗が分かれるスポーツ。日本ではボールワーク、ポゼッションを大切にするあまり、トレーニングでゴール前の攻防があまりフォーカスされず、練習時間が不足している傾向があるというのは、少し問題だと感じています。
――日本の育成年代の選手は言われたことを聞きすぎるという意見もあるようです。
森山 それは日本の社会や文化の特性もあります。久保建英選手(横浜F・マリノス)はスペインに行ったとき、最初は一所懸命に指導者の言うとおりにプレーしようとしていたら、逆に指導者から「何で言うとおりにしかプレーしないんだ!」と怒られてしまったそうです(笑)。もちろん、指導者の言うことを聞かなくてよいという意味ではありません。そうではなくて、相手の状況や味方の状況を見て、「監督は無理せずボールを回せと言っていたけれど、今は仕掛ける方が効果的だ!」と判断できる選手であってほしいということです。
――森山監督の教え子の中ではどのような選手が伸びてきましたか?
森山 僕はよく、指示待ちで「次は何をすればいいですか?」というような選手ではなく、自分で考えて自分を磨いていける選手が上のレベルで勝ち残っていく選手なんだ、と言います。現在、SAMURAI BLUE(日本代表)で活躍している冨安健洋選手(シントトロイデンVV/ベルギー)もそうでしたね。U-15、16の日本代表で冨安選手は当落線上の選手でしたが、たとえば体幹の弱さを指摘されると、その宿題を持ち帰り、しっかりトレーニングして改善してくるんです。しかも彼の場合は「代表でこういうことを習ったからみんなでやろうぜ」と言ってチームメイトをいい方向に巻き込んで実践していたそうです。だから次に呼ばれた時、こちらが驚くほど良くなっているということが何度もありました。やっぱり、そうやって自分で考えて自分を成長させていく意識の高い選手が伸びていきますね。
――今大会でも20歳でSAMURAI BLUEに選ばれた冨安選手のような選手が出て来てくれればいいですね。
森山 指導者のつくった枠から良い意味で飛び出していけるような選手が、こういう大会を通じて出てきてほしいと思っていますし、僕もそういう選手と出会えるのを楽しみにしながら、会場に足を運びたいと思っています。選手の皆さんは、スタンドで見ている方々に「WOW!」と言わせるようなプレーを見せてください!
大会期間:2018年12月22日(土)~2018年12月28日(金)
会場:
1回戦~準々決勝 前橋フットボールセンター・前橋総合運動公園(群馬県)、J-GREEN 堺(大阪府)
準決勝~決勝 味の素フィールド西が丘(東京都)
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