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高円宮U-18サッカーリーグ2014
高円宮U-18サッカーリーグ2014
2014/4/6(日)〜2014/12/7(日)

チーム紹介

東福岡高校

変幻自在の清水ユース、頂点に立つために必要なこと

高円宮杯プレミアリーグが誕生した2011年から4年連続でこの舞台を戦い抜いている東福岡高校。前年は2位と過去最高の成績を残したが、今季は11試合を終えて6勝5敗と昨季ほどの成績は残せていない。夏の高校総体で伝説の高校3冠以来、17年ぶりの優勝を飾ったが、プレミアリーグ後期初戦となったC大阪U-18戦では「ひどかったですよ」と森重潤也監督が苦笑いしたように、1-5で大敗を喫した。「優勝して達成感もあったと思うし、疲労感もあったと思う。でも、ここで天狗になってはいけない」と森重監督は選手たちに謙虚さを求めた。「一から見つめ直して高い意識で取り組まないとリーグのタイトルは獲れない」とキャプテンの中島賢星選手が話すように、選手たちもそれは理解している。次戦となった京都橘高校戦では4-0としっかりと結果を残した。高校総体優勝と伝統校のプライドを胸に、プレミアリーグ初制覇へ東福岡の巻き返しはここからだろう。

取材に訪れた日は体育祭の練習が行われており、サッカー部の練習は17時前から始まった。驚かされるのは部員の波が途切れないこと。約270名の部員数を誇るだけあって選手たちが続々と集まってくる。さらに一人ひとりがしっかりと立ち止り、筆者に向かって頭を下げてあいさつをするなど礼儀正しさも備えている。伝統校としての血脈とでも言うのか、サッカー選手としてだけでなく、いち人間としての振る舞いに対しての教育という面でもしっかりとしたものを感じさせる光景だった。

人工芝のグラウンドに照明を完備し、寮までは学校から歩いて3分程度と非常に恵まれた環境で選手たちはサッカーに打ち込んでいる。この日のシュート練習では選手たちに笑顔も見られた。厳しくやるだけでなく、楽しむ感覚も織り交ぜながら練習するという気持ちもあるのだろう。もちろん、厳しさがないわけではない。ゲーム形式の練習では森重監督から「切り替え!」や「(プレスに)行かないと蹴られるぞ!」など指示が飛ぶと、選手たちはしっかりとその声に呼応する。居残り練習を含めて、照明の灯が落ちるまでの約3時間、密度の濃い練習が行われていた。先輩たちの努力する姿、喜怒哀楽をこのグラウンドは常に見届け、それが後輩へと受け継がれていく。積み重ねてきたものが伝統となり、この空気を作り出している。

森重監督は「選手たちの良いところをチームの中で生かして作る」ということをモットーとしている。今年のチームを増山朝陽選手は「かみ合っていない部分もあるけど逆に言えば個性が強い」と話すが、それも個々のストロングポイントを尊重しているからこそだ。赤木翼選手が「自分が、という気持ちも大事ですけど仲間をもっと使える気持ちが出てくればもっと良いチームになれる」と話すように、組織としてはまだまだ伸びる余地を残している。「高校総体で優勝したことで自分が求めてきたサッカーが間違いじゃないと思っています。そのサッカーの質をもっと上げていきたい」とは森重監督の言葉。その攻撃サッカーをさらに魅力的なものに進化させられるか。高校総体優勝という刺激が“ヒガシ”をどう化けさせるのか。その意味でもプレミアリーグでの戦いには注目が集まる。


  • 3学年合わせて約270名という圧巻の部員数を誇る東福岡高校サッカー部。さすがは全国屈指の伝統校だ

  • 練習前のグラウンドでは、Aチームの選手たちがゴールを運ぶ姿が見られた。自分たちが使用するゴールは自ら運ぶのがルールのようだ

  • 森重潤也監督の言葉に耳を傾ける選手たち。高校総体では優勝したが「プレミアリーグでは戦い方が変わってくる」とは森重監督

  • 人工芝のグラウンドに照明設備もしっかりと完備するなど、充実した環境の中で練習に取り組んでいる

  • 練習からバチバチと激しくぶつかり合う選手たち。さすがは伝統校という雰囲気の中で練習は進んでいった

  • チームを引っ張るキャプテンの中島賢星選手(右)。「今年は個が強くてまとまったときにはすごく良いチーム」(中島選手)

  • ゲーム形式の練習後には、スプリント走を行っていた

  • Aチーム入りを目指して部内では激しい競争が行われている。ハイレベルなプレミアで戦い続けられている理由を垣間見た

  • この日の練習は遅い時間にまでおよんだ。全体練習の後には、居残り練習をする姿も
監督・選手コメント

森重潤也 監督
選手たちのスロトングポイントを生かしてあげることを意識して指導しています。高校の3年間は子供から大人に成長する大事な期間ですし、人間形成の面でも、人と人のつながりの部分でも大事にしないといけない。この3年間でしっかり一皮も二皮もむけて卒業させてやりたいです。高校総体では優勝しましたが、このサッカーの質をもっと上げていきたいです。どれだけ選手たちが伸びるか、そして自分が伸ばしてあげられるかだと思います。

MF 10 中島賢星 選手
高校総体で優勝したことで、冬の選手権ではどのチームも自分たちを倒そうとしてくると思うし、それは高円宮杯プレミアリーグでも同じようになると思います。プレミアリーグでそのような戦いができるのは自分たちにとってプラスになると思うので、そういう相手が来ても自分たちのサッカーができるようになっていきたいと思います。

MF 7 増山朝陽 選手
高校総体で優勝できたのは自信にはなっていますが、Jクラブのチームには通用しない部分も多くて負ける試合もまだまだ多いです。高校総体で通用した部分をもっと磨いて、通用しなかった部分は課題としてしっかり見つめ直して、同年代には負けないようなチームを作っていきたいです。

MF 11 赤木翼 選手
今年の東福岡は去年とは違って中盤よりサイド攻撃が多く、攻撃には自信を持っています。プレミアリーグと高体連の大会では戦い方も全然、違います。でも、高校総体で日本一になった以上、プレミアリーグでも絶対に負けられないですし、Jクラブを相手にしても日本一を取れるようにやっていきたいです。同じ高校生なので絶対に負けたくないという意地もあります。

チームWebサイト

http://higashifukuoka.ed.jp/junior/club/detail.html?KW=u01
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