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高円宮U-18サッカーリーグ2014
高円宮U-18サッカーリーグ2014
2014/4/6(日)〜2014/12/7(日)

チーム紹介

東京ヴェルディユース

ヴェルディをヴェルディたらしめる成長サイクル

遊園地「よみうりランド」の裏手にあるヴェルディグラウンドは、ボールを追う選手の姿が絶えない。取材に訪れた日も、明るい陽射しが注ぎ込む昼下がりの時間帯に、小さなスクール生の声が響き渡っていた。時間が経つと、ピッチを分け合うようにしてジュニアチームの練習も始まる。夕方の17時を過ぎて照明が灯り始めるころにはユースの練習が始まり、その後もジュニアユースや女子のベレーザの選手が続々とグラウンドに現れ、サッカーは延々と続いた。Jリーグ開幕前から男女の育成に注力してきた東京Vが長い歴史で培ってきた光景だ。あらゆるカテゴリーが同じ施設、グラウンドで切磋琢磨する。

練習メニューは違っても、同じグラウンドで切磋琢磨し、カテゴリーの違いに捉われずに向上を目指すのが、東京Vの特長だ。ウォーミングアップを終えてパス回しの練習が始まると、帰宅をしようとしていたスクール生たちの視線がボールに集中した。個人技、駆け引き、パスワーク。ユースの選手はかつて見た先輩たちの真似をしながら磨いた技を披露し、年少者たちは、その姿に刺激を受ける。ときには、年長者が年少者を見ていることもある。

この日は、中央大学に進学したOBの山口陽一朗選手もオフを利用して練習に参加。同じレフティーの山口選手を参考にしてきたという中野雅臣選手は「ジュニアユースで東京Vに入ったとき、うまい選手がたくさんいるので楽しいと思った。いまでも中学生を見て参考にすることもあります」と話した。試合の日には、ミスをすると下級生の「おい!」という叱咤の声が聞こえてくることもあるが、その姿はユース選手の過去の姿でもある。

育成組織の頂点にあたる東京Vユースは、ジュニアやジュニアユースからの昇格選手が多く、またプロへと羽ばたく選手も多い。昨季は5人、一昨季は6人がトップチームに昇格した。冨樫監督は「同じサッカーなのだから、やることは変わらない。トップのミニチュアがユース、ユースのミニチュアがジュニアユース。時々、スクール生にもユースと同じメニューをやらせてみる。憧れがあるから、『ユースでは同じ条件でパスが50本つながるから、25本つないでみよう』と言うと、子どもたちの目の色が変わる」と笑う。ユースはトップを追いかける存在であり、ジュニアユースやジュニアに刺激を与える存在でもある。東京Vの育成組織には、上手な年長者を見て学び、挑むように取り組んで成長するサイクルがある。

東京Vは前身の読売クラブ時代を含めて、すべてのカテゴリーでタイトルをほしいままにしてきたが、近年は全国の各クラブが育成に力を注ぐようになり、かつてのように一人勝ちできるような時代ではなくなった。それでも、個としてトッププロを目指し、チームとして頂点を目指すというプライドは受け継がれている。「次は、オレだ」と目を輝かせる緑の集団は、良きライバルと手本に囲まれた競争の中で進化を続けている。


  • 東京Vの練習場は、遊園地「読売ランド」の裏手にある。様々な年代・性別の選手たちが練習に励んでいる

  • ボールを手で扱う2対2の練習。楽しみながらも真剣に練習に取り組む選手たち

  • 6人1組で壁当てリフティングリレー対決。ライン手前のワンタッチで先に30回成功させた方が勝利

  • 両チーム不成功でまさかの時間切れ。全員で罰ゲームの腕立て伏せを行う

  • シュート練習の様子。GKを抜きにかかるのはDF渡辺太貴選手

  • 冨樫剛一監督の指示を聞く選手たち。取材日は試合前日だったため、軽めの調整で終了した

  • トップチームと同じトレーニングルームを使用している。ガラス越しには練習風景が見える

  • 練習後、ストレッチをしながらコミュニケーションを図る

  • 筋力トレーニングに励むMF安在達弥選手(左)と、それを笑わせるDF渡辺太貴選手(右)
監督・選手コメント

冨樫剛一 監督
イングランドでもスペインでも、日本のユースや小学生でも得点の形が大して変わらないように、サッカーの原理原則は、どこに行っても変わりません。東京Vでは、すべてのカテゴリーが同じ環境で練習し、真似をしながら同じ原則を学んでいます。フィジカルに関しても、上級生を見て『あれができないといけないのか……』と見て学んでいるようです

FW 9 室町仁紀 選手
東京Vユースは常に代表クラスの選手がいることで、自分が選ばれなくても代表の基準を知ることができます。小さいころから高いレベルの選手を見ているので、どこと対戦しても驚くことはあまりありません。昨年は同じFWにプロへ進んだ菅嶋弘希君たちがいて、学ぶところが多くありました。ポジション争いは大変ですけど、選手として成長できる環境だと思います

MF 8 安在達弥 選手
ボールを使う練習が多いのですが、火曜日のフィジカルトレーニングは日々、メニューが進化していて危険です……。先日、13人1組でグラウンドを走りながら、合図によって最後方の選手がグループを追い抜いて、また最後尾に追い付くという走りのメニューがありましたが、計算ミスでグループのペースが早過ぎて終わりませんでした(笑)

MF 10 中野雅臣 選手
ジュニアユースから東京Vに入り、周りのうまい選手に刺激を受けてきました。小林祐希君(富山)や山口陽一郎君(中央大)は同じ左利きなので、特にキックの種類やパスの間合いを見て参考にしました。見ることは大事だと思います。プロの練習試合もよく見ます。以前は体格や速さに圧倒されましたが、次第にこの中で何ができるかと考えるようになりました

チームWebサイト

http://www.verdy.co.jp/rearing/youth/
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