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Fリーグの絶対王者を撃破した湘南と、14年ぶりの頂点を目指すすみだが決勝に進出! JFA 第28回全日本フットサル選手権大会
2023年03月19日
JFA 第28回全日本フットサル選手権大会は3月18日(土)、東京都の駒沢オリンピック公園総合運動場体育館で準決勝の2試合を行いました。両試合ともに第2ピリオドまでの40分では勝敗の決しない激闘となった末に、決勝進出の2チームが決まりました。
12時キックオフの準決勝第1試合では、2022-2023シーズンのFリーグとリーグカップを制して、3冠に王手を掛けようとする名古屋オーシャンズ(F1/愛知)と、リーグ戦では5位の湘南ベルマーレ(F1/神奈川)が対戦しました。
試合は早い時間に動きます。第1ピリオド1分に名古屋はCKからダルラン選手が先制点を挙げると、その2分後にも再びCKから平田ネトアントニオマサノリ選手が追加点を挙げました。湘南も高橋広大選手が相手のミスを誘発して1点を返しましたが、試合の流れは変わりません。名古屋はさらに2点を追加して4-1で第1ピリオドを終えました。
完全に名古屋に主導権を握られた湘南でしたが、「ハーフタイムのロッカールームで、みんな強い口調で『こんなんでいいのかよ』『負けたら終わりだぞ』と思いをぶつけ合い、絶対に試合をひっくり返せると思ってピッチに立った」と鍛代元気選手が振り返ったように、あきらめていませんでした。
その姿勢に加え、準備してきたGKフィウーザ選手が攻撃参加する戦術が、流れを変えます。第2ピリオド4分にフィウーザ選手がボールを持ちあがり、そのまま自らシュートを決めて1点を返すと、同13分にはロドリゴ選手が「GKとDFが重なっていたから、アウトフロントで曲げるように蹴れば決まると思った」と、ハーフウェーラインを少し超えた位置からのミドルシュートを決めて、1点差に詰め寄ります。さらに1分後には、ロドリゴ選手のパスを受けた内村俊太選手が2試合連続となるゴールを決め、4-4の同点に追い付きました。
多くのサポーターの声援を受ける湘南は、ファウル数が5ファウルに達していたため、第2ピリオドのうちに勝負に出ます。残り3分を切ってタイムアウトを取り、パワープレーを開始しました。そしてロドリゴ選手のパスから靏谷春人選手がゴールを決めて、ついに逆転します。
第2ピリオドに入って得点を挙げられていなかった名古屋は、ここでパワープレーを開始。すぐにアンドレシート選手がゴールを決めて、5-5として延長戦に突入します。「パワープレーの守備と攻撃に同じ選手しか使えなかったので、延長戦の前半は耐えて、後半に勝負をかけていた」という伊久間洋輔監督の采配が実り、湘南は延長第2ピリオドの2分にロドリゴ選手のゴールで再び勝ち越しました。しかし、直後に名古屋もダルラン選手がこの試合2点目を決めて6-6で決着はつかずに、PK戦に突入します。
PK戦では名古屋が2本のシュートを決められなかったのに対し、湘南は4人が成功。この結果、PK戦を4-3で制した湘南が、13年ぶりに決勝の舞台に立つこととなりました。
初のベスト4進出を決めたY.S.C.C.横浜(F1/神奈川)と2大会ぶりの決勝進出を目指すフウガドールすみだ(F1/東京)の一戦は、前の試合と対照的なロースコアのゲームとなりました。
両チームが堅実な戦い方を見せるなか、YS横浜は早い時間帯にファウルを重ねてしまいます。すみだは第2PKを得たものの、星龍太選手のシュートは決まらずに第1ピリオドは得点が決まらないまま終了しました。
第2ピリオドに入っても、均衡は崩れません。すみだはYS横浜のエースである堤優太選手を抑え、YS横浜はすみだのエースである清水和也選手に仕事をさせません。それでも「すみだはマンツーマンだったので、一枚はがせればチャンスはつくれる」(堤選手)と、周囲と連係しながらゴールに迫ります。しかし、第2ピリオドのラストプレーで放ったシュートも枠外に飛び、40分間をスコアレスのまま終えました。
試合は延長戦に入って動きます。延長第1ピリオド3分、前日の準々決勝バルドラール浦安(F1/千葉)戦で4得点をたたき出していた中田秀人選手が、清水和也選手からのパスを受けて鋭いシュートをゴールに突き刺します。リードされたYS横浜は、パワープレーを開始して反撃に転じますが、残り1分を切ってから放ったシュートもクロスバーやゴールポストに嫌われてゴールを挙げられずに試合は終了。延長戦の末に1-0で競り勝ったすみだが、2大会ぶりの決勝進出を果たしました。
この結果、19日(日)の13時にキックオフする決勝戦は、湘南対すみだに決まりました。ともに前身チーム時代に大会を制した経験はありますが、どちらもFリーグが開幕した2007年以降はタイトルがありません。悲願のタイトルを獲得するのは、どちらのチームになるでしょうか。
選手コメント
FP #14 西谷良介 選手(名古屋オーシャンズ)
どちらかというと、「やられた」というよりも不運なゴールが入ってしまった感覚です。自分も十分に理解していたのですが、それが湘南ベルマーレのビッグウェーブを起こしてくる怖さでしたね。これが良くなかったということが一概に言えないのですが、全日本フットサル選手権の怖さだと思います。自分たちはベストを尽くしましたし、そこを押し込んできたベルマーレが素晴らしかったのだと思っています。
GK #87 フィウーザ 選手(湘南ベルマーレ)
今日はすごく大事な試合だとみんな分かっていました。今日の相手は名古屋という日本で一番強いチームでした。でも、ベルマーレも気持ちが強く、ハードワークして戦いました。前半は1-4だったので、そこから3点を返すのは難しいことでした。僕のゴールでサポーターも乗ってくれて流れを変えられたと思います。決めるべき人が決めたのもすごく大きいです。明日も本当に大事な試合になります。しっかり休んで100%の力を出したいと思います。僕は200%の力で頑張ります。
FP #29 堤優太 選手(Y.S.C.C.横浜)
お互いにシュートがポストに当たる回数が多いゲームになりました。ポストに助けられる展開になって、最後は「先制点を取った方が勝つな」と思っていましたが、フウガドールすみださんに入れられて、僕の不甲斐ないクオリティーで結果が出せなかったことを悔しく思います。相手の脅威になっていたかもしれませんが、やっぱり得点を動かすということをしないといけないので、それができなかった僕の責任だと思います。
FP #36 中田秀人 選手(フウガドールすみだ)
横浜には個人の能力が高い選手が多くいるので「堅くいこう」と話して試合に臨みました。粘り強く、粘り強く、焦れずに守備からという戦い方をしました。それでも、こんなに点数が動かないとは思いませんでしたが、1点を争う展開になるのは想定通りでした。最終的に誰が決めてもいいのですが、自分にチャンスが来てくれました。ゴールに直結するランニングを意識している成果だと思います。湘南は勢いに乗ると、連続ゴールも多いチームなので、今日の試合のように堅く戦いたいです。
【ハイライト】名古屋オーシャンズ vs 湘南ベルマーレ
【ハイライト】Y.S.C.C.横浜 vs フウガドールすみだ
大会日程:2023年3月11日(土)~2023年3月19日(日)
会場:静岡県/エコパアリーナ、大阪府/岸和田市総合体育館、兵庫県/神戸市立中央体育館、東京都/駒沢オリンピック公園総合運動場体育館
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