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名古屋が大邱に逆転勝利でACL 8強へ、川崎は昨年王者と延長PKの末に敗退

2021年09月15日

名古屋が大邱に逆転勝利でACL 8強へ、川崎は昨年王者と延長PKの末に敗退

AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2021のラウンド16が9月14日(火)に行われ、名古屋グランパスは大邱FC(韓国)とホームで対戦し、FWシュヴィルツォク選手のハットトリックなどで4-2の逆転勝利を収め、2009年大会以来となるベスト8進出を決めました。しかし、Jリーグ王者の川崎フロンターレはアウェイで昨年王者の蔚山現代(韓国)と対戦し、延長0-0の末に臨んだPK戦に2-3で敗れ、2017年以来の8強入りはなりませんでした。

名古屋FWシュヴィルツォク選手が3得点

コロナ禍の影響で従来のホーム・アンド・アウェイ方式から一発勝負に変更されたノックアウトステージ1回戦で、6~7月のグループステージをグループG首位で通過した名古屋は豊田スタジアムにグループIを2位で突破した大邱を迎えました。
9年ぶりの16強の舞台で、名古屋は前半に許した2失点を追う苦しい展開になりましたが、選手交代を生かして後半反撃。後半だけで3得点奪うパフォーマンスを披露しました。
降り続く雨の中、試合開始4分に大邱のFWセシーニャ選手がミドルレンジからグラウンダーのシュートを放つと、DFの間を抜けてゴール左隅に決まります。
しかし、名古屋はその8分後、左サイドでシュヴィルツォク選手、FW相馬勇紀選手、FW前田直輝選手がコンビネーションで崩し、左サイド深くに切り込んだ前田選手のヒールパスでの折り返しを受けたシュヴィルツォク選手が右足を振って同点にします。
グループステージ終了後に名古屋に加入したシュヴィルツォク選手は、その後も左サイドでDF吉田豊選手と絡んで決定機を作り、相手ゴールを脅かします。
大邱はグループステージでも活躍したFWエドガル選手とセシーニャ選手に、今年7月に加入したMFブルーノ・ラマ選手のブラジル人トリオが名古屋の最終ラインとボランチの間のスペースを使い、そこにMFチョン・スンウォン選手が絡む形で攻撃を仕掛けます。そして前半28分には、右サイドからのクロスボールにゴール前でエドガル選手に頭で合わされて再びリードを奪い、2-1で前半を折り返しました。
5,442人の観客から力強い手拍子の応援を受けた名古屋は、後半開始からMF森下龍矢選手とDF木本恭生選手をベンチから送り出して反撃に出ます。
63分、森下選手が左サイドからペナルティエリアに切り込み、相手DFをかわしてゴール前に柔らかいクロスを上げると、相手の裏を取ったシュヴィルツォク選手がヘディングで合わせて2-2に追いつきます。
その2分後、28歳のポーランド代表FWは吉田選手からのロングボールに反応。左サイドで追いつくと、寄せてくる相手DF二人を力強くかわしてペナルティエリアに入り、右足の鋭い振りで得点。ACLデビュー戦でのハットトリックを達成で均衡を破りました。
シュヴィルツォク選手はこの3分後にもあわや4点目というシュートで相手ゴールを脅かすなど、流れを掴んだ名古屋は79分に追加点。森下選手のシュートで得たCKをマテウス選手がゴール前に送ると、ニアサイドに顔を出したDF中谷進之介選手が頭で合わせてゴールネットを揺らしました。
2点差を追う大邱は後半半ばにセシーニャ選手がミドルシュートを放ち、FKに途中出場のMFパク・ハンビン選手がゴール前で合わせる場面などで粘りますが、名古屋はGKランゲラック選手を中心に対応。4-2リードを最後までキープして、ベスト4入りした2009年以来の8強進出を決めました。

川崎、延長PKの激闘も8強ならず

初のアジア制覇を目指した川崎フロンターレでしたが、一発勝負となったノックアウトステージ1回戦で昨年大会を制した蔚山現代と対戦。グループステージを首位で突破してきた両チームは、現在それぞれの国内リーグでも首位に立ち、日韓のリーグ王者同士の対戦は、両者が120分で一歩も譲らない激闘になりました。
グループステージ突破後、川崎はMF三笘薫選手とMF田中碧選手が移籍でチームを離れ、DF谷口彰悟選手やMF大島僚太選手らを怪我で欠くなど苦しい状況でしたが、前線に現在J1リーグで14得点のFWレアンドロ・ダミアン選手、MF家長昭博選手、MF脇坂泰斗選手らを揃え、左サイドにはFW小林悠選手を起用して臨みました。
柏レイソルなどJリーグでのプレー経験も豊富な元韓国代表のホン・ミョンボ監督が率いる蔚山は、前から激しいプレッシャーをかけ、素早い攻守の切り替えから速攻に転じて川崎ゴールに迫るプレーを展開。MFイ・ドンジュン選手やFWオ・セフン選手らが積極的にシュートを狙います。しかし、川崎のDFジェジエウ選手とDF山村和也選手のセンターバックコンビを中心に対応して、ゴールを割らせません。
川崎は、前半押され気味ながらもハーフタイム直前に小林選手が相手の裏を取るプレーで近い距離からシュートを放つ場面を作ります。後半になるとセカンドボールへの出足が良くなり、ボールを繋いで攻める時間が増えますが、なかなか決定機には至りません。
川崎は延長前半終了間際に、後半途中出場のFW知念慶選手がMFシミッチ選手のパスにヘディングで合わせてゴールを狙い、延長後半の終盤には知念選手の落としを受けたMF橘田健人選手がシュートを放ちましたが、枠を捉えることができません。蔚山も後半途中出場のMFユン・ビッガラム選手やイ・ドンジュン選手がゴールを狙いますが、シュートは枠を外れます。
決着はPK戦に持ち込まれ、キッカーは試合前に降った雨で緩んだピッチ状態に神経を使いながらの展開になります。
両チーム二人ずつが蹴って1-1で迎えた3人目で川崎はFW遠野大弥選手が決め、川崎GKチョン・ソンリョン選手が蔚山3人目のイ・ドンジュン選手のキックを止めて2-1とリードを奪います。しかしその後、川崎はシミッチ選手が外して蔚山の4人目が決めて2-2に。そして5人目で明暗が分かれます。川崎の家長選手のキックは相手GKに止められて、蔚山はユン・ビッガラム選手が成功させて3-2で試合終了。川崎のACL8度目の挑戦はベスト16で幕を閉じました。

なお、9月15日(水)にはセレッソ大阪がホームで浦項スティーラーズ(韓国)と対戦します。

コメント

マッシモ・フィッカデンティ 監督(名古屋グランパス)
攻守において両チームの良さがぶつかり合ったナイスゲームだったと思いますし、そういうゲームをしてくれた相手に感謝したいと思います。オープンな打ち合いになったところもありましたが、90分を通してみると我々が勝ちに値する戦いをできたと思います。ハーフタイムでは中盤を少し変えて両サイドで相手を上回れるように変化をつける必要があると選手たちに話しました。シュヴィルツォク選手はゴール前のフィニッシャーとしての能力の高さを見せつけてくれました。強い相手との逆転勝利ができたことで、今後さらにチームの自信になると思います。

FW シュヴィルツォク 選手(名古屋グランパス)
2失点したのはアンラッキーでしたが、その後は僕らが試合をコントロールできていたと思います。3得点できて良かったですし、次のラウンドに進めて嬉しいです。みんながいいパスをくれたので僕が得点できました。1点目も2点目もいいパスが来て楽に決めることができました。3点目は少し難しかったですが…。いつも通り、自分のゲームに集中していました。チームが勝ったことが重要だと思います。

イ・ビョングン 監督(大邱FC)
ラウンド16を突破できずにとても残念です。先制点など先に2点を取って前半は良かったのですが、途中でけが人が出るなど、よくないチーム状態で戦わざるを得なかったのは残念でした。それでも選手たちは頑張って、こういう大舞台で大邱の名前を知らしめてくれるようなプレーを見せてくれました。相手のFWは8番(柿谷曜一朗選手)が出てくると思っていたのですが40番で、決定力があり、いろいろなプレーが巧みな選手で、前半は上手くとめることができましたが、こちらのミスもあってチャンスを与えてしまいました。

鬼木達 監督(川崎フロンターレ)
難しいゲームになりました。前半は難しい時間が多かったですが、後半は修正して良い形で進められていました。そこでなんとか1点を獲りたかったですが、相手も必死で難しかった。後半の交代は、流れも悪くなかったので最後に得点を獲りにいこうと。そこまでは我慢の時間だと思っていました。選手は本当に必死に戦ってくれました。最後はPK戦で負けて残念ですが、選手には胸を張って帰ってほしいと思います。

GK チョン・ソンリョン 選手(川崎フロンターレ)
相手もいい準備をしてきていましたし、自分たちもアウェイの状況で最善を尽くしたと思っています。相手は力のあるチームですが自分たちも力のあるチームだと思っていますし、勝つ自信もありました。残念な結果に終わりましたが、この悔しい経験を糧にしてリーグ戦に切り替えていきたいと思います。

MF 橘田健人 選手(川崎フロンターレ)
相手も強いチームで激しい試合になりました。こういう高いレベルでも得点を獲れるように、個人としてもチームとしてももっと練習しなければいけないと感じた試合でした。こういう拮抗した試合でチームを勝たせられる選手になりたいと、改めて感じました。

ホン・ミョンボ 監督(蔚山現代)
両チームともいいプレーをしたと思いますが、我々は川崎という良いチームを相手にいいパフォーマンスをしました。最後まで集中を切らさずに諦めず戦いましたし、フィジカル面でトラブルを抱えた選手もいましたが、後半交代出場した選手が良いプレーを見せてくれて、結果を手にすることができました。

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