天皇杯 JFA 第100回全日本サッカー選手権大会は9月23日(水)、全国各地で2回戦15試合を行いました。静岡県のエコパスタジアムではHonda FC（アマチュアシード）と常葉大学（静岡県代表）が対戦しました。

ピックアップマッチ

Honda FC　2-1（前半2-0、後半0-1）常葉大学

試合開始から襲い掛かったのは、「Honda FCをどうやって攻略しようか考えていた」(山下柊哉選手)という常葉大学でした。前線から果敢にプレスをかけて、ボールを奪えば素早く前線へと送ります。2分には、ペナルティーエリア内へのロングボールに前田翔茉選手が追いつき、ゴール右からシュート。これは惜しくも枠を外れました。

開始早々の相手の勢いをしのぐと、Honda FCが落ち着いてボールを動かすようになりました。さらには、逆に前線からプレッシャーをかけるようになると、14分に常葉大学DFのミスを誘発。相手陣左サイドでパスをカットした八戸雄太選手がクロスを送ると、ペナルティーエリア内に走り込んできた大町将梧選手が押し込んで、Honda FCが先制に成功しました。さらには26分、またも相手陣でボールをカットしたHonda FCは左サイドからボックス内にボールを送り、選手がゴールへ殺到します。最後はまたも大町選手が押し込み、リードを広げて前半を終えました。

常葉大学は、後半に入っても前線から激しくプレスをかけるスタイルを貫きました。リードが2点に広がった後も相手陣でボールを奪う場面もありました。30分には、奪取したボールを受けた前田選手が放ったミドルが、ゴールわずか左にそれています。ハーフタイムを越えてもその姿勢は変わらず、シュートに持ち込む場面もありました。ただし、相手ボールを引っかけた後に単騎で突破するしか手がなく、ゴールが遠いままでした。

Honda FCも少しずつカードを切っていき、常葉大学も87分には3人同時投入で交代枠を使い切り、諦めない姿勢を示します。すると、この試合6本目のシュートがついに実を結びます。アディショナルタイムに入ってから2本目のCKを、ファーサイドに詰めた山下選手がヘディングで押し込み、一矢報いました。ただし点差はそれ以上縮まらず、Honda FCが3回戦へと駒を進めました。

なお、2回戦の残る1試合、福山シティFC（広島県代表） vs FCバレイン下関（山口県代表）は9月30日(水)に開催され、3回戦進出チームが全て決定します。

監督・選手コメント

井幡博康 監督（Honda FC）
相手に硬さがあって、逆にこちらが考え過ぎる時間があってボールの動かし方が遅くなったようにも感じました。積極性に欠けるかなとも思いましたが、トーナメントなので次に進むことが大事です。たくさん点を取って皆さんにお見せするのも一つ良いことですが、まずは勝つことに集中しました。（共に本拠地とする浜松市内の）都田のチーム同士で対戦するというのは、あまりないことです。アマチュアシードとして出させてもらっていますが、天皇杯のチャンピオン目指して戦った常葉大学の思いも背負って、静岡県代表として頑張りたいと思います。

大町将梧 選手（Honda FC）
1本のチャンスをものにできれば自分たちの流れに持ち込めると思ったので、その時を逃さないように常に全力でプレーしていました。2点目も良いところにボールがこぼれてきたのでラッキーでした。次の試合もまた難しい戦いになると思いますが、Ｊリーグのチームと当たるまでは絶対に負けられないので、そこまで絶対に勝つという気持ちを持ってやっていきたいと思います。天皇杯では普段対戦しない相手と試合ができるし、自分たちのチームを全国に知ってもらえるチャンスなので、やるからには一番上を目指してやっていきたいと思います。

澤登正朗 監督（常葉大学）
ラストパスなど最後の一手がつながりませんでしたが、やろうとすることは出せたと思います。相手はやはりボールの動かし方がうまかったのですが、それも想定内でした。立ち上がりや後半の守備は、強みであるアグレッシブさを出せたと思います。選手を入れ替えてシステムを変えながら一矢報いたいと思いましたが、それでもやられたのは力の差です。ただ、やはりストロングポイントであるセットプレーで点を奪えたこと、後半も恐れずに戦えたことはプラスの材料かと思います。アマチュア最強チームを相手に1-2ですから、よく戦ったと思います。

山下柊哉 選手（常葉大学）
スコアは1-2ですが、力の差は歴然だったと思います。僕らの持ち味であるプレッシングサッカーを出せなかったというのが、正直な思いです。距離感や角度、ボールを取られてもすぐに切り替える質が、僕らよりずっとすごかったですね。でも試合球の準備など、多くの方の支援をいただいて静岡代表として戦っていたので、2-0のままでは終われないぞと話していました。得意のセットプレーで良いボールが入ってきたので、決められたのは良かったです。格上の大人のチームと試合をすることで、下級生にもいろいろな気付きがあったと思うので、それを次につなげていくことが大事かなと思います。

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【1回戦】9月16日(水)
【2回戦】9月23日(水)、30日(水)
【3回戦】10月28日(水)、11月11日(水)
【4回戦】12月12日(土)、13日(日)
【5回戦】12月20日(日)
【準々決勝】12月23日(水)
【準決勝】12月27日(日)
【決勝】2021年1月1日(金・祝)

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