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ブリンカールFCが4大会ぶり2回目の優勝! JFAバーモントカップ 第29回全日本U-12フットサル選手権大会
2019年08月13日
JFAバーモントカップ 第29回全日本U-12フットサル選手権大会は8月12日(月・振休)に最終日を迎え、東京・駒沢オリンピック公園総合運動場体育館と屋内球技場の2会場で準々決勝、準決勝、決勝を行いました。大会を通して際立つプレーを見せたブリンカールFC(愛知)が、初優勝を目指す北海道コンサドーレ札幌U-12(北海道1)を決勝で退け、2015年8月大会以来、4年ぶり2回目の優勝を飾りました。
準々決勝は、同門の出場となったマルバの2チームが奮闘しました。マルバ千葉fc(千葉)がS4スペランツァ(栃木)を9-2で破ると、マルバ茨城fc(茨城)は丸亀フットボールクラブ(香川)を相手に、井坂俊亮選手の決勝点が決まって3-2で逆転勝利。2チームそろって4強入りを果たしました。
個人技術の高さと同時に、組織力を兼ね備えた4チームが勝ち進んだ準決勝。特に2015年8月大会決勝と同カードとなったブリンカールとマルバ千葉の戦いは、ハイレベルな争いとなりました。10番を背負う宮川陸斗選手の2得点で、開始5分で2点をリードしたのはブリンカールでしたが、タイムアウトを取って落ち着きを取り戻したマルバ千葉は、篠塚怜音選手のゴールで反撃に転じました。さらに8分、左サイドから中屋光廉選手が決めて、前半のうちに追いつくことに成功。激しい球際の攻防と、ミスの少ない緊張感のあるゲームが続きましたが、後半に入って地力を見せたのはブリンカール。15分に宮川選手のハットトリックとなるゴールで勝ち越すと、試合終盤にも2点を追加して、接戦を5-2で逃げ切りました。
一方の準決勝は、北海道コンサドーレ札幌とマルバ茨城が対戦。北海道コンサドーレ札幌が8分までに2点を先行しますが、マルバ茨城はタイムアウトの直後に1点を返して反撃。しかし、その後は試合を通して北海道コンサドーレ札幌が主導権を握って、終盤に2点を加えて4-1で決着。北海道勢としては2016年大会以来、チームとしては初めての決勝へと駒を進めました。
決勝は、世代最高峰のチームを決める大会にふさわしい、レベルの高い試合となりました。先行したのはブリンカール。4分、宮川選手からの縦パスに抜け出した荻野改斗選手が、GKとの1対1を確実に決めて先制に成功します。一方の北海道コンサドーレ札幌も、いくつかの決定機をつくって迎えた8分、中央の川崎幹大選手が放ったシュートがGKに弾かれたところを、山根且稔選手がボレーで詰めて同点に追いつきました。
いずれも譲らない一進一退の攻防は後半へと突入しますが、またしても先手を奪ったのはブリンカール。右サイドで荻野選手との息の合った連係を見せた木下朝陽選手が決めて2-1と勝ち越します。これで流れをつかんだブリンカールは、17分に宮川選手がゴール正面左から決めてリードを2点に広げます。
一方、タイムアウトを取った北海道コンサドーレ札幌は残り1分、GKユニフォームに着がえた川崎選手がGKと交代するパワープレーを開始。ピッチ上で相手よりも常に数的有利な状況をつくり出せるフットサルの戦術ですが、自陣のゴールをがら空きにしてしまうリスクの高さを持つ諸刃の剣でもあります。残り22秒、その危うさを突かれる形で、相手の荻野選手にゴールを奪われて万事休す。試合は4-1でブリンカールに軍配が上がりました。
9大会連続出場という、愛知県で覇権を握るブリンカールは、常に全国大会の優勝候補に推される強豪チーム。今年1月に行われたJFA 第24回全日本U-15フットサル選手権大会でも2連覇を果たして、U-12、U-15年代でダブル優勝という快挙を達成しました。そのU-15は、ブリンカールが前回優勝した当時のメンバーです。毎年、選手が入れ替わる中でも個人技術と組織力を融合した戦いを披露して、強さを証明しました。
なお、ベストプレーヤー賞は、優勝したブリンカールからGKの荒川弘樹選手、荻野改斗選手、宮川陸斗選手が選ばれ、準優勝した北海道コンサドーレ札幌から川崎幹大選手、マルバ千葉から中屋光廉選手が選ばれ、フェアプレー賞はマルバ千葉に贈られました。
監督・選手コメント
古居俊平 監督(ブリンカールFC)
U-15年代も優勝して、U-12も優勝して選手は本当にすごかった。毎年、チームの色が変わる中で、彼らが全国の舞台でどうやって戦えるようにしていくかを考え続けてやってきました。選手は、1年ごとにやり方が変わる部分に不安もあったと思いますが、しっかりとついてきて結果を出してくれました。「これで負けたら監督の責任」と伝えていましたし、今大会に臨むにあたってやれるだけのことをしてきたので、正直、不安はありませんでした。地域の選抜チームに選ばれるような選手はいないですが、そういう選手たちでも戦えることを証明してくれました。そのことは、この年代の全ての選手に夢を与えられるものだと思います。
荻野改斗 選手(ブリンカールFC)
全国大会で優勝できてすごくうれしかったです。大会を通して自分たちの力を出し切れましたし、ドリブルで相手を交わしてゴールを決められたこともうれしかったです。ボールを持ったらバックパスをしないで前を向いたり、中に進入することを意識していました。サッカーではセンターフォワードをしていますが、フットサルもサッカーも同じような感覚でプレーできていますし、フットサルはすごく楽しいです。この先は、ロナウジーニョ選手やエデン・アザール選手のような、ドリブルがうまくて世界で通用する選手になりたいです。
宮川陸斗 選手(ブリンカールFC)
練習で積み上げてきた成果を全国大会優勝という結果につなげられてよかったです。チーム力を上げられたからこそ優勝できたと思います。僕は、3年前から今の中学2年生の世代の中に交ぜてプレーさせてもらっていたのですが、その先輩たちが応援にもきてくれていましたし、恩返ししたいと思っていました。チームを勝たせるのがキャプテンということを意識して、点を取らないと勝たせられないのでゴールを狙っていました。全国大会優勝はすごいことですが、この結果に満足して終わるのではなく、もっと追求していきたいです。
豊川大地 監督(北海道コンサドーレ札幌U-12)
前半途中にこちらに流れがきましたが、決めきれなかったのが痛かったですね。悔しかったですが、相手はフットサルの基本的なところがしっかりとしていましたし、攻撃とともに守備が固かった。こちらも策を講じましたが崩れなかった。強かったです。この舞台にJリーグの育成組織のチームが残ったことは北海道としても意味のあることだと思います。やはりフットサルがサッカーに生きると信じていますし、そのことを改めて感じる大会でした。選手たちは、この経験をどのように次に生かしていくのかが大事だと思います。
大会期間:2019年8月10日(土)~12日(月・振休)
大会会場:東京都/駒沢オリンピック公園総合運動場体育館・屋内球技場
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