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高円宮杯第29回全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会 2冠を目指す鳥栖と、3大会ぶりの優勝を狙うFC東京深川が決勝進出を決める
2017年12月27日
「高円宮杯第29回全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会」は12月26日(火)、東京・味の素フィールド西が丘で準決勝2試合が行われました。
ピックアップマッチ1
清水エスパルスジュニアユース 0-1(前半0-0、後半0-1)サガン鳥栖U-15
第1試合では、清水エスパルスジュニアユース(東海1)とサガン鳥栖U-15(九州1)が対戦しました。開始直後には、清水が相手ゴール前へと攻め込むものの、その後は徐々に鳥栖が押す時間が長くなっていきました。鳥栖は7分にクロスから自らシュートも放っていた田中禅選手にボールを預け、右サイドの松尾亮汰選手らも積極的にゴールへと迫ります。この2人だけで前半のシュートは6本。田中選手は39分にもクロスに頭で合わせるも決め切れず、無得点のまま前半を終えました。
前半の清水は、鳥栖の守備を崩すのに苦労しました。守備の網に引っ掛からないようプレー速度を上げようとしてミスも出ましたが、ハーフタイムを挟むと落ち着きを取り戻します。スピードを生かしてサイドや縦へ抜ける小塩拳生選手、ボールの近く逆サイドなど位置取りを考えながら広い範囲で動く青島健大選手らが、ボールをうまく引き出そうとします。48分にはゴール目前から、その1分後には右サイドからつないで成岡輝瑠選手と、続けざまに際どいシュートを放ちますが、いずれも鳥栖GK田中勇輝選手の好守に防がれました。前半と変わり、後半は清水がペースを握っていました。
両チーム無得点のまま、時計は残り5分を切ったところで、鳥栖は74分までに交代枠を2つ使い、攻める姿勢を示します。すると延長戦も見えてきた78分、ついに試合が動きます。右サイドのスローインを入れた中野信哉選手がリターンを受けてクロスを上げると、ファーサイドにいたのは田中禅選手。後半に入りチーム2本目のシュートとなるヘディングで、ゴールネットを揺らしました。この土壇場でのゴールが決勝点となり、鳥栖が初の決勝進出。夏に制した日本クラブユースサッカー選手権(U-15)大会に続く、今季2冠達成に挑みます。
ピックアップマッチ2
大宮アルディージャジュニアユース 0-3(前半0-1、後半0-2)FC東京U-15深川
第2試合では、大宮アルディージャジュニアユース(関東4)とFC東京U-15深川(関東2)が対戦しました。4-1-4-1のフォーメーションをコンパクトに保つ大宮に対して、FC東京深川はボールをテンポよく動かして、スペースを見つけ出そうとします。時には最終ラインから逆サイドなどへの長いボールを織り交ぜ、前線に渡れば青木友佑選手がゴールへの強い意欲を示して攻撃の迫力を上乗せします。36分には、左サイドでの仕掛けから青木選手がゴール前へパス。逆サイドから詰めていた安斎颯馬選手が決めて、FC東京深川が先制しました。
大宮は速い横へのスライドとプレスでのボール奪取を狙い、FW大澤朋也選手らへとダイアゴナルにボールを動かして、突破口を探します。リードを奪われて突入した後半には、相手のボールの出どころへの圧力をさらに強めていきました。しかし、その組織プレーを、FC東京深川の個の力が打ち破ります。47分、後方からつないだボールが縦に入ると、抜け出したのは青木選手。力強く大宮ゴールににじり寄ると、ゴール左を射抜きました。さらには58分、大宮GKが蹴ったボールを拾うと、そのまま突進。GKもかわしてリードを3点に広げました。
青木選手は、前線からの守備にも献身的に走りました。先制点の安斎選手らもボールを奪われるやすぐに取り返しにかかり、試合が終盤に入っても最終ラインまで全速力で戻るなど、球際での強さと集中力を失いませんでした。大宮は前へと人数をかけ、ロングスローも積極的投げ入れるなどして惜しいシュートも放ちましたが、FC東京深川は最後までゴールを許しませんでした。FC東京深川は3大会ぶりの決勝進出で、3度目の栄冠獲得を狙います。
決勝は28日(木)、東京・味の素フィールド西が丘で13時にキックオフとなります。
監督・選手コメント
横山貴之 監督(清水エスパルスジュニアユース)
足が止まって守備ではボールにいけず、慌ててボールを蹴ってしまったりコントロールでのミスがありました。それでも後半は落ち着いてプレーすることを意識してくれて、失点後も自分たちでボールを運んで崩しにかかるプレーもありました。ただ、もともと課題だった最後の質という点は、随分改善されたものの、今後さらに高めていってほしいところです。選手たちが中学1年生の時から見ていますが、精神的にも肉体的にも、いろいろな面で成長しています。決勝点の場面は、相手を褒めなければいけません。今日は負けましたが、しっかり成長してくれた姿を見せてくれました。
岡本隆吾 監督(大宮アルディージャジュニアユース)
夏に全国ベスト8に入って、選手たちも一つでも上に行きたいと練習に励んできましたが、実力が出たなというのが本音です。プレッシャーや球際の強さなど、相手の方が上でした。今後、こういう舞台でも臆することなく実力が出せるよう、鍛えていかなければいけないと思っています。それでも、ここまで来られたのは、選手たちの努力の成果かな、と思います。夏の悔しさがあったため、一つずつ壁を越えていこう、それが大事だよ、と伝えてきたつもりです。それぞれユースに昇格したり、高体連のチームなどいろいろな道に進みますが、やってきたことを礎に、より自分の強さや良い部分を出していってほしいなと思います。
田中禅 選手(サガン鳥栖U-15)
お互い球際での強さなど同じベースを持っているので、そこでどちらが上回るかがポイントになると思っていました。苦しい時間帯にも、セットプレーの場面などで「ここを守ったら絶対チャンスが回ってくる」と声をかけ合って耐えました。僕自身は前線で時間をつくることでチャンスが生まれると思ったので、マイボールを大事にしました。ゴールを決めた瞬間は、頭の中が真っ白になりました。ここまで点を決めていなかったから、絶対決めると監督に約束していたので、良かったです。クラブユース選手権が終わってから、ずっと2冠を目指してきました。あとは勝って、笑って終えるだけです。
安斎颯馬 選手(FC東京U-15深川)
自分が点を取れたこともうれしかったし、何よりもチームの勝利の喜びが大きいです。守備陣が本当に頑張ってくれて、GKもピンチの場面で止めてくれるので、無失点でこられています。守備は前の選手が追ってくれても、後ろの僕らが追わないと無駄になってしまいます。だから守備で走るのは当たり前だし、後ろまで戻るのも僕の役目なので、とにかく走るだけです。僕らは戦うチームだし、今日の試合でも戦えていたと思います。春は試合ごとに波がありましたが、時間が経つにつれて安定してきました。次も勝って、絶対に優勝します。
JFA-TV
準決勝 清水エスパルスジュニアユース vs サガン鳥栖U-15
準決勝 大宮アルディージャジュニアユース vs FC東京U-15深川
高円宮杯第29回全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会
大会期間:2017年12月16日(土)~2017年12月28日(木)
会場:1回戦~準々決勝:茨城県内会場 / 準決勝~決勝:味の素フィールド西が丘(東京都)
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