バーモントカップ 第25回全日本少年フットサル大会の準々決勝と準決勝、決勝が8月16日(日)に行われ、ブリンカールFC（愛知）が初優勝を飾りました。

準々決勝は、いずれも点の取り合いになりました。マルバ千葉fc U-12（千葉）は、セレッソ大阪U-12（大阪）を相手に先行すると、1点を返された後も加点。終盤に追い上げられますが5-3で勝利しました。FCバレンティア（和歌山）は、黒沢尻東FC（岩手）に先行される展開が続きますが、峰松叶人選手のハットリックの活躍もあって5-3で勝利しています。また、ともぞうサッカークラブ（栃木）は終盤のゴールラッシュでFC雲仙エスティオール（長崎）との打ち合いを9-5で制しています。ブリンカールFCはマルバ茨城fc U-12（茨木）に前半をリードされますが、セットプレーなどから得点を重ねて5-2の逆転勝利を収めました。

準決勝では、マルバ千葉はFCバレンティアに二度、追いつかれますが、18分の小室愛樹選手のゴールが決勝点となり、3-2で勝利しています。もう一方の試合ではブリンカールは、ともぞうサッカークラブに先制されますが、同点に追い付き後半に折り返すと、15分から19分までに4得点を連続で決めます。終盤の反撃を1点に抑えて、決勝進出を決めました。

互いに初優勝を目指すマルバ千葉とブリンカールの決勝戦は、白熱した展開となりました。ブリンカールは、3分に奥野慎太郎選手のパスを受けた坪谷至祏選手が先制点を決めます。さらに7分にも奥野選手がドリブルシュートを決めて突き放しました。前半を2点ビハインドで折り返したマルバ千葉も、後半に反撃に出ます。12分にキックインから田中蒼大選手のゴールで1点差に詰め寄りました。

15分には両チームにアクシデントが起きます。ペナルティーエリア外で空中戦を競り合ったマルバ千葉のGK井上一徹選手とブリンカールFP坪谷選手が空中戦で接触。両選手とも頭部から出血し、井上選手は出血がひどく救急車で病院に運ばれることとなりました。マルバ千葉はFP大畑凛生選手をゴレイロにして試合を続けます。そして、残り時間がちょうど１分となったときにドラマが待っていました。PAのすぐ外で直接FKを得たマルバ千葉は、GK大畑選手が右足でシュート。これがクロスバーを叩き、ゴールに決まってマルバ千葉が同点に追い付きます。その後、マルバ千葉は第2PKのチャンスもありましたが勝ち越し点を挙げられずに2-2のまま延長戦へ突入しました。

延長戦の序盤はマルバ千葉が攻め込みますが、得点を挙げられません。すると延長後半残り2分を切ってブリンカールは、カウンターから得点を挙げます。頭部を止血しながらプレーを続けた坪谷選手のアシストから、加藤玄選手が勝ち越しゴールを決めます。さらにブリンカールは、GK大畑選手も攻撃参加して前掛かりになったマルバ千葉から、奥野選手がこの日2点目のゴールを決めて勝利を決定付けました。

試合終了のブザーが鳴ると、敗れたマルバ千葉の選手たちは崩れ落ち、ブリンカールの選手たちは歓喜の涙を流しました。「2020年にFIFAフットサルワールドカップを開催することを目指している愛知県に、タイトルを持ち帰りたかった」と話す古居俊平監督の悲願が実り、ブリンカールが愛知県勢として初めて日本一に立ちました。

なお、ベストプレーヤー賞は、優勝したブリンカールからGK武井将希選手、FP奥野慎太郎選手、準優勝のマルバ千葉からFP小室愛樹選手、FP田中蒼大選手、3位のFCバレンティアからFP吉川楽選手が受賞。フェアプレー賞は、優勝したブリンカールに送られています。

監督・選手コメント

古居俊平 監督（ブリンカールFC）
私にとっても、子どもたちにとっても、全国で優勝を目指して頑張ろうと戦えるのはこの大会だけで、ファイナルまで残ってフットサルができたことがうれしいです。そこで優勝をつかめたのは、選手たちの成長のおかげなので感謝しています。1次ラウンドの2戦目で負けて、選手たちは悔し涙を流しました。「オレたちは何をやってきたんだろう」となったことで、そこから後ろからどんどん追い越して攻めるフットサルを取り戻せました。あの敗戦があったからこそ、この優勝があるのだと思っています。

奥野慎太郎 選手（ブリンカールFC）
この大会で優勝することが夢だったので、それが叶ってうれしいです。同時に、これをきっかけにして、将来、いろいろなときにこのことを頭に入れてサッカー、フットサルをやりたいです。決勝は緊張しましたし、後半に追い付かれたときは「ヤバイ」と思いましたが、延長で今日2点目を取ることができて、あと1分守れば勝てると思って戦えました。愛知県勢初めての優勝なので、僕たちもうれしいですし、このことが広まって愛知県のフットサルが強いと知ってもらえると、もっとうれしいです。

浅野智久 コーチ（マルバ千葉fc U-12）
楽しかったです。決勝も良い試合でした。相手の気持ちが強かったですね。結果は残念でしたが、登録メンバー全員を出場させるという理念を最後まで貫けたことを、誇りに思います。1次ラウンドから決勝ラウンドまで、強い相手との戦いが続きました。コンサドーレ札幌、セレッソ大阪は、Jリーグのクラブでしたがフットサルの戦い方もしていてああいうチームを称えてほしいと思います。楽しかったですし、もっと強いチームをつくって戻ってきたいと思います。

吉川楽 選手（FCバレンティア）
決勝まで勝ち進めなかったことは悔しいですが、ベストプレーヤーに選んでいただいたことは、すごくうれしいです。いろいろな技を出せたと思いますし、点も取ることができました。準決勝のマルバ千葉戦では、ドリブルで引っ掛かってしまうことがあったので、もっともっと練習したいと思います。まだこのチームでの活動は続きますし、次のサッカーの大会では、どこにも負けないチームになるようにみんなで練習したいと思います。すごく楽しい大会でした。

JFA-TV

決勝ハイライト

準決勝ハイライト

準々決勝ハイライト

バーモントカップ 第25回全日本少年フットサル大会

2015年8月14日（金）～16日（日）
東京／駒沢オリンピック公園体育館、大田区総合体育館
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