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磐田戦へ、上位斬り再演を狙う奈良クラブ ~天皇杯3回戦、8・20開催~
2014年08月19日
第94回天皇杯全日本サッカー選手権大会3 回戦を8月20日、各地で開催します。J1クラブ対J2クラブの対戦が多い中で、1回戦から上位陣を破る快進撃を続けて3回戦に進出した奈良クラブ(奈良県代表)は、敵地に乗り込んでジュビロ磐田と対戦します。
将来のJリーグ入りを念頭に、JFL昇格を目指して関西リーグで戦う奈良クラブは、今大会1回戦でJ3の福島ユナイテッドFC(福島県代表)に3-1で勝利し、2回戦でJ1のベガルタ仙台に2-1の逆転勝ちを収めました。
現在中断中のリーグ戦では2位。今月上旬には全国社会人サッカー選手権大会関西大会を勝ち抜いて本大会進出も決めました。奈良県代表として出場した、8月17日の国民体育大会近畿ブロック大会決勝で今季2敗目を喫しましたが、好調を維持しています。
この黒星で天皇杯予選を兼ねた、6月29日の奈良県サッカー選手権大会決勝から続いた90分以内での連勝は8で止まりましたが、GKシュナイダー潤之介選手は「自分たちのプレーを見直す良い機会になった」と前向きです。
奈良クラブの中村敦監督も連戦の影響を心配する様子はなく、「ジュビロ戦へ向けて流れは悪くない。試合ではまず、自分たちが隙を作らないようにしたい」と、照準を切り替えていました。
また、中村監督は天皇杯の注目度の高さに、ピッチ外での効果にも期待を寄せています。「勝つことで、奈良にも強いサッカーチームがあることを全国の人はもちろん、奈良県の人々にも知ってもらえる。県内のサッカーの活性化や競技場などの環境整備につなげられれば」と話しました。
ジュビロにはFW前田遼一、MF松井大輔、DF駒野友一選手など日本代表経験のある選手が多くいますが、仙台戦で古巣相手に決勝点を決めたFW岡山一成選手は、「ジュビロにはすごい選手が揃っていますが、僕らは気後れすることなく向かっていきたい。みんなが体を張って相手を押さえてくれるので、自分の役割を果たしたい」と話しています。
一方のジュビロは、10番を付けていたMF山田大記選手がドイツのクラブへ移籍し、さらに主力組に負傷者が続出するなどもあり、7月20日の試合から1勝1分け3敗と負けが先行する苦しい展開が続いていました。
しかし、8月17日のJ2第27節で日本代表FW前田遼一選手が6試合ぶりにケガから復帰して決勝点を決める活躍で、チームはカターレ富山に3-2で勝利して3試合ぶりの白星をマークしました。
その試合から中2日での対戦になりますが、ジュビロのペリクレス・シャムスカ監督は「奈良クラブは仙台に勝った、非常に力のあるチーム。高い集中力を維持して結果を求めて戦いたい」と話しています。またFW山崎亮平選手は「天皇杯は来年のACL(AFCチャンピオンズリーグ)にもつながる大会。勝てるように良い準備をして臨みたい」と強い意気込みを見せていました。
この他の試合では、2回戦でJ1強豪の鹿島アントラーズをPK戦の末に退けたソニー仙台FC(宮城県代表)が、地元仙台のユアテックスタジアムでJ2現在9位のモンテディオ山形と対戦。また、今大会の3回戦進出の唯一の学生チーム、関西学院大学(兵庫県代表)は山梨中銀スタジアムに乗り込んでヴァンフォーレ甲府(J1現在15位)に挑みます。
J2首位を走る湘南ベルマーレは敵地でJ1の大宮アルディージャ(現在17位)と戦い、同じくJ2で好調の松本山雅FCは味の素スタジアムで、J1で5位につけているFC東京と戦います。
3回戦すべての試合が19時キックオフの予定です。ご期待ください。
コメント
中村敦 監督(奈良クラブ)
仙台戦は選手の自信になったと思いますが、過信にならないようにと気を付けています。ジュビロは2列目に足が速くて技術のある選手が多くいますが、失点も多い。試合日程を考えると、今回どんなメンバーで来るかは分かりませんが、誰が来ても良いように準備しています。天皇杯ではスピードや技術など、対戦相手の個人能力が全然違うことを肌で感じることができるので、我々の選手個々の能力も上がります。より高みを目指せるようになる、良い機会だと思います。
GK シュナイダー潤之介 選手(奈良クラブ)
(現体制で)半年以上経ってチームは完成形に近づいてきていて、特に仙台戦の勝利でそれまで以上に一体感が生まれ、スタイルが確立できてきたと感じています。ジュビロはJリーグの名門クラブです。ここ数試合は不調でも、この試合を良い転機にしようと気合いを入れてくるでしょう。でも僕らは相手云々ではなく、雰囲気にのまれずに、チャレンジャーとして立ち上がりから集中して臨みたい。元チームメイトもいますし、選手の特長は掴んでいるつもりです。地域リーグのクラブがJクラブに挑むことを楽しみたいと思っています。
FW 岡山一成 選手(奈良クラブ)
仙台戦の勝利はJFL昇格へ向けてチームの実力を図るだけでなく、頑張ればどんな環境でもJリーグのチームにも勝てるという自信になりました。次も勝って僕らの実力が本物だと示したい。僕らはお互いの欠点を指摘して補い合う良さがありますし、そうすることで伸びてきました。代表経験のある選手や外国人選手と対戦する機会はほとんどないので、ぜひ出てきてほしいですし、彼らと対戦することで僕らのサッカーの幅が広がると思います。
ペリクレス・シャムスカ 監督(ジュビロ磐田)
天皇杯は我々にとって非常に重要な大会です。リーグ戦から中2日の日程ですが、練習量などでうまく調整して臨みたいと思っています。相手はベガルタ仙台に勝っていますし、非常に力のあるチームだと思います。この試合へ向けてモチベーションも高いと思うので、やりにくい相手です。でも、我々も集中力を高く保って、結果を求めて戦います。そして同時に、リーグ戦の次の試合につながるような試合にできればと思っています。
FW 山崎良平 選手(ジュビロ磐田)
ここ数試合に勝てていなかったので、直近のリーグ戦で勝てたことは結果としては良かったと思います。でも失点はチームとしての甘さが出ました。今度の試合では途中から出るのか先発かわかりませんが、出た時間でしっかり仕事ができるように準備をしたいです。シュートや勝負のパスなど、ゴールに向かうプレーに、さらに絡めることができればと思っています。
DF 森下俊 選手(ジュビロ磐田)
天皇杯はリーグ戦とは違って、負けるとそこで終わってしまいます。どの試合でもそうですが、100パーセントの力を出して戦って、勝利したいと思います。
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