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【最後の青春ドラマ】楽しいサッカーで直面した壁。3度の準優勝で気づいたことは~JFA 第24回全日本U-18 女子サッカー選手権大会 JOC ジュニアオリンピックカップ・長野風花(ちふれASエルフェン埼玉)後編

2020年12月30日

【最後の青春ドラマ】楽しいサッカーで直面した壁。3度の準優勝で気づいたことは~JFA 第24回全日本U-18 女子サッカー選手権大会 JOC ジュニアオリンピックカップ・長野風花(ちふれASエルフェン埼玉)後編

JFA 第24回全日本U-18 女子サッカー選手権大会 JOC ジュニアオリンピックカップが2021年1月3日(日)に開幕します。高校年代の大舞台に立った選手はどのような青春時代を過ごしてきたのか。年代別のFIFA女子ワールドカップで世界一を経験し、現在はちふれASエルフェン埼玉に所属する長野風花選手のストーリーをお届けします。

インタビュー前編 ~中学時代から女子トップレベルの環境に身を投じる~ 長野風花選手(ちふれASエルフェン埼玉)
インタビュー中編 ~世界一を経験しても届かない優勝~ 長野風花選手(ちふれASエルフェン埼玉)

浦和レッズレディースのトップチームでキャリアを重ねながら、ユースチームの全国大会であるJFA全日本U-18女子サッカー選手権大会にも出場し続けた長野風花。高校3年時には10番を背負い、キャプテンマークを巻いて、高校生活の集大成として第20回大会に挑んだ。

長野は「この大会のことは全てちゃんと覚えています」と語る。その理由の一つはトーナメント表にあった。お互いが1回戦を勝ち上がったら、2回戦で最大のライバルである日テレ・メニーナ(現日テレ・東京ヴェルディメニーナ)と対戦する組み合わせだったのだ。

果たしてそれぞれが初戦に勝利し、2回戦で浦和レッズレディースユース対メニーナという大一番が実現する。

「組み合わせが発表された時に『2回戦でメニーナと当たるのか~』と思いました。そんなに早い段階で対戦することなんて今までなかったですから。でも、新鮮な感じもあって楽しみでした」

長野が「お互いにギリギリで戦っていた感じだった」と振り返るとおり、試合は熱戦となった。80分間を終えてもスコアは動かず、0-0のままタイムアップ。PK戦の末、4-2で勝利を収めた。

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「PK戦でしたけど、勝つことができてみんなで大喜びでした。『ここで終われない』という思いがあったので、とりあえずメニーナに勝ててほっとしましたし、次も勝とうという意識が高まりました」

準決勝も順当に勝利し、決勝の相手は前年の大会で敗れたセレッソ大阪堺ガールズ。そして、長野が「この大会のことは全て覚えている」と語るもう一つの理由がこの試合にあった。

「本当に何もできない試合でした。『今年は本当に優勝しよう』という意気込みで臨みましたけど、何もできなかった。鮮明に覚えています。ボールもあまり持てず、チャンスもほとんどなく、ずっと攻められたんですよね」

スコアは0-4。公式記録を見ると、レッズレディースユースはチーム合計のシュート数がわずかに1本だった。まさに完敗だ。「こんなに何もできなかった試合は人生で初めてだった」と振り返るほど、長野にとって衝撃的な敗戦だった。

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「個人としてもチームとしてもまだまだだなって思った」というこの試合で、長野はどんなことを考えていたのだろうか。

「セレッソは当時も今も、すごく勢いのあるチームなんですよね。そういった勢いがあるチーム、速いプレッシャーをかけてくるチームに対して、自分がどう対応すればもっとプレーできるのかをいろいろ考えた試合でした。やっている最中も、終わった後も」

中学3年時から高校3年時まで通算4大会に出場し、3大会で決勝に勝ち進んだ。しかし、いずれも勝利することはできず、準優勝3回という結果に終わっている。「うまくいかないことが多かった」というこの大会を通じて、長野は「もっともっと成長しないといけないんだな、というのを突きつけられた」という。

長野には「サッカーは楽しいもの」という信念がある。この大会を通じて、楽しめた部分は大いにあったはずだが、それだけではないことにも気づいた。

「人生いいことだけじゃないんだな、と思いました。うまくいかない時にどう対応するかが問われましたし、目標に向かってみんなでどうやっていくか、というチーム力も試されました。自分たちには甘さがありましたし、自分たちに足りないものが他のチームにはあった。そこはすごく学びましたね」

サッカーは楽しいものであり、時には苦難に直面する。それを乗り越えた先にさらなる楽しさが待っている。長野はそのことに気づいたのかもしれない。

大会期間:2021年1月3日(日)~2021年1月7日(木)
大会会場:大阪府/J-GREEN堺

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