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神村学園と藤枝順心がファイナルに進出 第33回全日本高等学校女子サッカー選手権大会
2025年01月08日
第33回全日本高等学校女子サッカー選手権大会は1月7日(火)、兵庫県のノエビアスタジアム神戸で準決勝の2試合が行われ、ファイナリストとなる2チームが決まりました。
準決勝1
常盤木学園高校 0-2(前半0-0、後半0-2) 神村学園高等部
常盤木学園高校(宮城県②)と神村学園高等部(鹿児島県)の一戦は、前半から目まぐるしい展開となりました。神村学園がやや押し気味に試合を進めますが、常盤木学園も小林ちさ選手らを中心とした素早い攻撃で対抗。神村学園は前半終了間際、惜しいシュートが続きましたが、無得点で前半を折り返しました。
後半開始からゲームメークを得意とする新原由菜選手が入った神村学園は、「矢印をゴールに向けて、シンプルに」という寺師勇太監督の指示を体現。効果的な攻撃を見せ、シュートやCKの場面を増やしていきました。すると66分、CKの守備から反撃に移ろうとした相手のボールを上田彩葉選手がインターセプトすると、2人の選手を経由し、最後は安田美泉選手が難しい体勢から先制点を決めました。
先制点につながるCKは途中出場の原口鈴音選手の粘り強いキープから得たもので、追加点の場面でも交代選手が輝きます。71分のCKで、児玉一穂選手が頭で合わせた一撃は防がれたものの、新原選手が押し込んで2-0としました。そのまま神村学園が勝利を収め、3大会ぶりの決勝進出を果たしました。
準決勝2
大商学園高校 0-2(前半0-0、後半0-2) 藤枝順心高校
互いに守備の力を示しつつ試合が進みました。大商学園高校(大阪府①)はシンプルに前へとボールを送りますが、藤枝順心高校(静岡県②)は柘植沙羽選手と永田優奈選手のセンターバックコンビを中心にしっかりとはね返していきます。大商学園は最終ラインの太田美月主将だけでなく、それぞれが対人守備の強さを発揮。藤枝順心のシュートを1本に抑え、前半を終えました。
後半に入ると、奮闘していた大商学園の選手たちが相手にドリブルなどで引きはがされる場面が増えます。すると藤枝順心は69分、中盤の底の植本愛実選手が視野の広さを生かして浮き球で大きく展開。相手のサイドバックが高い位置を取る中、中村翔監督が「攻略の糸口にしていこう」と話していた場所へパスを出すと、松本琉那選手がシュート。この一撃が決まり、藤枝順心が先制しました。
先制点を得た藤枝順心は、前線からのプレスにも力が入ります。89分、横にボールを動かす大商学園の最終ラインに圧力をかけてボールを奪うと、そこからパスを受けた鈴木由真選手がロングシュート。これが見事に決まり、藤枝順心が大会史上初の3連覇に王手を懸けました。
監督・選手コメント
新原由菜 選手(神村学園高等部)
2年生まではベンチスタートが多かったので、途中出場には慣れていました。前半の展開を見ながら、中盤でボールを持てていたので、私が出たらゲームをつくっていけると思っていました。小学生の時に初めて見たこのピッチに立つのが夢だったので、ずっと楽しみながらプレーできました。ゴールも決められて、とてもうれしかったです。最後となる次の試合でも絶対に勝って、監督や家族を日本一にしたいと思います。
髙木沙都 選手(常盤木学園高校)
相手に押される時間が長かったですが、みんなで力を合わせて戦えました。得意のビルドアップから得点につなげたかったのですが、相手のプレスが速くてパス回しが難しくなりました。この大会では、苦しい時間帯もある中で、それをしっかりと乗り切って攻撃につなげられたのは成長した部分だと思います。優勝を目指していましたが、3位という結果に胸を張ってもいいのかなと思います。この悔しい思いを後輩たちに晴らしてほしいです。
鈴木由真 選手(藤枝順心高校)
ゴールの場面では、ファーストタッチで良い位置にボールを置けました。周りがまだパスを受けられる状態ではなかったので、思い切ってシュートを打ってみたら入りました。なかなか足に力が入らない状態だったのですが、逆にそれが良い具合になったのかもしれません。大好きな3年生の先輩たちにとって最後の大会ですし、決勝に進めてうれしいです。決勝では悔いがないよう、順心の良さをすべて出し切って、3年生と笑顔で終わりたいです。
岡久奨 監督(大商学園高校)
前線からしっかりとハードワークをしていこうと話していて、実際によく戦ってくれました。インターハイ(令和6年度全国高等学校総合体育大会)決勝で対戦したとき以上に戦えましたが、イメージの共有も含めて攻撃の質がまだ足りなかったかなと思います。夏以降、リベンジというか、日本一を目標にやってきました。この大会でも選手たちは一戦ごとに自信をつけて、その成長を感じました。1、2年生は次に向かっていきますし、この大会に懸けていたとはいえ、3年生にとっては長い目で見れば通過点なので、さらに成長していってほしいと思います。
第33回全日本高等学校女子サッカー選手権大会
大会期間:2024年12月29日(日)~2025年1月12日(日)
会場:兵庫県/三木総合防災公園、五色台運動公園、いぶきの森球技場、淡路佐野運動公園、ノエビアスタジアム神戸
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