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[皇后杯開幕直前企画]海堀あゆみさん×スタンボー華選手(INAC神戸レオネッサ)対談 前編
2020年11月24日
皇后杯 JFA 第42回全日本女子サッカー選手権大会が11月28日(土)に開幕します。開幕に向けて、大会優勝経験を持つ、元なでしこジャパン(日本女子代表)の海堀あゆみさんと、INAC神戸レオネッサのGKスタンボー華選手に、近況やGKのやりがいについて聞きました。
○オンライン取材日:2020年10月29日(木)
――まずは近況をうかがいたいと思います。海堀さんは最近、どのような活動を行っているのでしょう。
海堀 現役引退後、慶應義塾⼤学の総合政策学部に⼊り、今後に向けてさまざまな分野のことを学び現在はスポーツ政策という部分に⼒を入れています。U-15のチームを立ち上げたり、スポーツができる環境づくりを⾏ったり、今年は新型コロナウイルスの影響であまりできていませんが、サッカー教室をしたり、講演をしたり、今まで経験してきたことを伝える活動も精⼒的にしています。また、⽣活が変わる中でスポーツの存在についてより考えるようになりました。
――スタンボー選手は練習や試合ができない時期があったと思います。プレーできる状況が戻り、どのように感じていますか。
スタンボー 4月から5月上旬の外出を自粛していた時期は、チームメートと一緒にボールを蹴れなくて寂しかったですし、サッカーをやりたいという思いを強く持ちつつ、自分でできることを考えながら生活していました。少しずつ元の生活に戻りつつある中で多くの方に支えていただいて今こうしてサッカーができていることは本当にありがたいです。
――今回はGK同士の対談です。それぞれが考えるGKの魅力を教えてください。
スタンボー 試合での勝敗に絶対に関わるポジションであることが魅力的です。唯一、手が使えて、ルール的に必ずピッチにいなければならないポジションというところにも惹かれます。独特なポジションだからこその難しさはありますけど、その中でできることが増えていき、チームメートからの信頼を得ていくところに面白さがあります。
海堀 なんでGKになったの?
スタンボー 背が高かったからです(笑)。
海堀 やっぱり(笑)。私は中学⽣までフィールドプレーヤーをしていたのですが、GKになってあの大きなゴールを守ることがいかに難しいかを知りました。⼀⼈では守れない大きなゴールを味方と連携して守る、そのために練習する、こういった信頼関係を実感できるところがGKの魅⼒だと思います。
今は現役選⼿をやめて思うのですが、GKって⼀⼈だけユニフォームの⾊が違ったり、みんなと違う練習をしたりと本当に特殊なポジションだと思います。その特殊なポジションだからこその魅⼒をもっと伝えていきたいですよね。
――どうすればGKをやりたがる子どもが増えると思いますか。
海堀 GK ってどうしても失点に絡むポシションなので失点シーンのイメージが多いと思いますが、ファインプレーもたくさんしています。失点というネガティブなイメージより、GKがヒーローというポジティブなイメージがつくと、GKをやりたい⼦どもも増えるんじゃないかなと思います。
スタンボー ヨーロッパに行くと、ポジションがGKだと伝えると「すごいね。カッコイイね」と言われますからね。それに、どんな良いGKでも失点する時は失点するんですよ。
海堀 そう、サッカーにミスはつきものだと思います。必ずミスは起こっているんです。
スタンボー そうそう。最後にゴールがあるので、そこに一番近くて、なおかつユニフォームの色が異なるGKが目立ってしまうだけで、それまでの過程にもミスはあるんですよ。
――お互いのGKとしての印象を教えてください。
海堀 スタンボーと⼀緒にトレーニングをしたのは、スタンボーが練習⽣としてINAC 神⼾レオネッサにきた2 ⽇間だけなんですよ。その時のイメージは、すごく明るくて⼀⽣懸命でポジティブな⼦でした。プレー⾯では頭で考えるより、感覚でやっている⼦だなと思いました。技術は荒削りでしたが、すごくパワフルで明るく、何か少しでも吸収して帰ろうという前向きな姿勢を感じ、私はそういうところが好きでした。
スタンボー 2011年のFIFA女子ワールドカップで優勝した時、私は中学1年生で、テレビでずっと見ていましたし、憧れの先輩でした。練習に行ったら画面から飛び出してきたというか、「実物が目の前にいる!」という感じで。これはチャンスだ、名前だけでも覚えてもらおうと思い、頑張ってグイグイ行きました。
――プレー面で特に印象に残っていることはありますか?
スタンボー 印象としては二つあります。一つは映像で見た印象として、とにかくうまいなって。自分に自信を持ってプレーするのは当時の私にはできなかったですし、「トップの選手ってこうなんだな」と思いました。もう一つは、実際に会って一緒にやってみたら、すごく考えながらプレーしていると思ったんです。あるプレーに対して、自分は考えられても2通りなんですけど、10通りぐらい考えている。先を見据える力、相手のことを理解しながらプレーしているところに驚きました。
海堀 スタンボーは、私に似て自分の能力や感覚を信じてプレーするタイプだと思います。すごくいいものを持っていますし、感覚を大事にしつつ考えてプレーしてほしいですね。
開催期間:2020年11月28日(土)~2020年12月29日(火)
【1回戦】11月28日(土)・29日(日)
【2回戦】12月5日(土)・6日(日)
【3回戦】12月12日(土)・12月13日(日)
【準々決勝】12月19日(土)・12月20日(日)
【準決勝】12月24日(木)
【決勝】12月29日(火)
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