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3回戦進出チームが決定!ライバル対決を制した日体大FIELDS横浜、オルカ鴨川FCが2回戦を突破 皇后杯JFA第41回全日本女子サッカー選手権大会
2019年11月25日
皇后杯JFA第41回全日本女子サッカー選手権大会は、11月24日(日)に2回戦の残り8試合が行われました。新潟市陸上競技場では、第1試合は大学生主体の2チーム、第2試合はなでしこリーグ2部所属の2チームによるライバル対決となりました。
ピックアップマッチ1
日体大FIELDS横浜(なでしこ1部/神奈川) 1-0(前半0-0、後半1-0)早稲田大学(東京)
第1試合は、F日体大と早稲田大の対戦となりました。F日体大には数名の社会人選手がいますが、ほとんどの選手は大学生。この後に控える大学女子サッカー選手権(インカレ)に向けて、ライバルを上回るパフォーマンスを見せたいところです。
早稲田大の川上嘉郎監督は、この試合を迎えるにあたって「対戦相手はなでしこリーグでプレーしていて、常日頃から厳しいプレッシャーを受ける環境で戦えているので、球際で競って負けないようにしないといけない。そして、気持ちでも負けないようにしたい」。
開始早々、早稲田大は蔵田あかり選手が左サイドを攻め上がり、そのクロスから山田仁衣奈選手、髙瀬はな選手がシュート。「サイドからの速い攻撃という、自分たちの強みを出したい」と話していた川上監督。事前のプランどおり、蔵田選手とサイドバックの中田有紀選手の左サイドが、早稲田大の攻撃を活性化させます。
F日体大のDFも、最終局面では、身体を張ってしっかりとブロック。楠瀬直木監督が「なでしこリーグの終盤戦から、安定してきた」という守備陣が、この日も橋谷優里選手を中心に機能し、早稲田大にゴールを許しません。
さらに、U-19日本女子代表で経験を積んだ渡邊真衣選手、三浦晴香選手が、それぞれ成長を感じさせる働きを見せます。渡邊選手は、以前にも増して広いエリアへ、攻守に渡ってアプローチします。「(代表から帰ってきて)以前よりも自信を持てるようになりましたし、代表でやってきたことをチームの方でもしっかりと出すというのは大切なことだと思っているので、そういう部分で意識は変わりました」とは三浦選手。幾度も左サイドで仕掛けては、守備側が処理に困るクロスを供給。F日体大のチャンスをつくります。
一進一退の攻防に決着がついたのも、65分、三浦選手が送り込んだクロスから。鋭い弾道に、GKがたまらずファンブルしたところへ、キャプテンで社会人の嶋田千秋選手がしっかりと詰めて、F日体大が虎の子の1点を手にします。その後は、追いすがる早稲田大の攻撃を最後まで封じ、逃げ切りに成功。3回戦への切符を手にしました。
「大学生同士といっても、うちには社会人選手がいたから」とF日体大の楠瀬監督が口にすれば、早稲田大の川上監督も「今後も対戦すると思いますし、その時にプラスになる戦い方ができるようになるかも、今日の課題として持っていました。ある程度の感触がつかめたと思いますし、それが収穫です」。インカレでも、この両チームには熱い戦いが期待できそうです。
ピックアップマッチ2
オルカ鴨川FC(なでしこ2部/千葉) 1-0(前半0-0、後半1-0)ASハリマアルビオン(なでしこ2部/兵庫)
第2試合は、なでしこリーグ2部に所属する、オルカとAハリマの対戦です。今季のリーグ戦最終成績は、オルカが4位で、Aハリマが6位。直接対決では、オルカがホームゲームを4-0で勝利し、アウェイ戦はスコアレスドローでした。
こうした成績で上回っているオルカでしたが、指揮を執る山崎真監督は「Aハリマは、なでしこ2部でも屈指の攻撃力を持っている(来季1部に昇格するセレッソ大阪堺レディースに次ぐ29得点)。特にけがをしていた選手が戻ってからの後半戦は、さらにパワーアップしていた」と、警戒を強めていました。
Aハリマはキックオフから猛攻を開始します。センターフォワードの新堀華波選手と、シャドーストライカー的に支援する千葉園子選手が、バイタルエリアからペナルティーボックスを不規則に上下しながら、ボールを引き出します。前半の半ばからは、内田美鈴選手とポジションを入れ替えた葛馬史奈選手が、ドリブルとクロスでチャンスを量産しました。
オルカは鶴見綾香選手を中心に、一度振り切られても諦めずに追いかける、粘り強いディフェンスで食い下がります。「ポゼッションを含めて攻撃の練習もしてきましたが、極端に言えば、守備しかやってこなかったと言えるくらい、力を注いできました。強いチームとの対戦で勝つためには、最も必要なことなので」とオルカの山崎監督。年間を通して築き上げたなでしこ2部で最少失点の防御力は、この日も機能しました。
ゴールを守り通したオルカは、選手交代を使いながら、反撃に出ます。やや攻め疲れの感が出てきたAハリマの中盤に生まれたスペースを生かしながら、トップ下の中嶋淑乃選手、浦島里紗選手が飛び出します。そして、88分、右サイドを破ったオルカは、途中出場の齊藤彩花選手からのボールを、中嶋選手が相手DFともつれ合いながら懸命にキープ。さらに奥で一枚余っていた浦島選手が、右から順々とつながれてきたボールを最後にプッシュ。これが決勝点となりました。
同カテゴリーに所属する、対照的なチームカラーの攻防は、「盾」のオルカが、「矛」のAハリマを封じる形になりました。勝ったオルカは、12月1日(日)に行われる3回戦で、快進撃を続ける岡山県作陽高校(中国/岡山)の挑戦を受けます。
監督・選手コメント
三浦晴香 選手(日体大FIELDS横浜)
(今日のゲームは)私たちのチームにも大学生が多く、大学生同士の戦いになりましたが、なでしこリーグの1部で今季戦ってきて「負けられない」という気持ちは、相手よりも強かったと思います。U-19日本女子代表では、それほど試合には出られなかったのですが、出場した時にはしっかりプレーができました。また、海外のスピードのある選手と戦うための対応、どうやって攻めていくか、判断スピードの速さなどを得て、チームに帰ってくることができました。自分の持ち味はスピードなので、相手が嫌がるようなプレーを縦に何回も仕掛けて、最後は得点につなげられるように意識していました。
川上嘉郎 監督(早稲田大学)
F日体大は、球際に強く、集中力もすごいですし、数的有利をつくっていくチーム。その部分で負けないというのはもちろんですが、私たちのスタイルはサイドをうまく使いながら、縦に速いサッカー。自分たちの特徴であるサイドの良さを、左から出せたことは良かったのかなと思います。得点に至らなかったことだけが残念ですね。全体に良い内容のゲームができたのではないかと思っています。いろんなことが起きるのがサッカーですし、今日は失点して負けてしまったのですが「戦えた」という感触を持つことができました。
山崎真 監督(オルカ鴨川FC)
苦しいゲームになることを予想していたし、その通りの展開。ハリマの攻撃力をどう食い止めるのかというところから、ゲームプランを考えました。今日の勝利は、選手がそれを遂行してくれた結果だと思っています。われわれのチームには、スーパースターがいるわけでもないですし、攻撃で相手を圧倒する力もありません。全員で粘って、ハードワークをしなければ勝てないというところからスタートしています。また、私たちはサブメンバーを含めたチーム全員で戦っています。「選手交代が当たった」という評価をいただけたなら、それは出場に向けてしっかりと準備をしていたサブの選手たちが、その称賛を受けるべきだと思います。
田渕径二 監督(ASハリマアルビオン)
オルカの戦い方を理解した上で、私たちのスタンスを変えずに、相手を引きずり込む狙いでした。左右のサイドハーフを入れ替えたのは、ベンチからの指示ではありませんが、普段から状況に応じて、自分たちで判断するように言ってあります。新堀はゴール前には入って行けていたし、後はそこで結果を出すだけ。まだ20歳のプレーヤーなので、次のステップへレベルを上げてもらうためにも、我慢して使いました。千葉も後半はやや疲れていたかも知れませんが、代わりを務める選手もいないので、どうしてもそこに負担はかかりますね。来季は、また新しい攻撃の形をつくっていかなくてはいけないと思います。
開催期間:2019/11/2(土)~2019/12/29(日)
【1回戦】2019年11月2日(土)・3日(日)
【2回戦】11月23日(土)・24日(日)
【3回戦】11月30(土)・12月1日(日)
【準々決勝】12月8日(日)
【準決勝】12月22日(日)
【決勝】12月29日(日)
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