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第97回天皇杯 大宮がプロの意地で筑波大を退け2年連続8強へ
2017年09月21日
ピックアップマッチ
筑波大学(茨城県代表) 0-2(前半0-1、後半0-1)大宮アルディージャ(J1)
第97回天皇杯全日本サッカー選手権大会は9月20日(水)、ラウンド16の8試合が行われ、茨城県立カシマサッカースタジアムでは大学勢で唯一勝ち残った筑波大学(茨城県代表)とJ1の大宮アルディージャが対戦しました。
神奈川県代表のY.S.C.C.横浜(J3)、J1のベガルタ仙台、J2のアビスパ福岡と、Jリーグ勢を次々と撃破し、今大会の“台風の目”となった筑波大。J1の大宮も倒して4度目のジャイアントキリング成るか、に注目が集まる一戦となりました。
試合は戸嶋祥郎選手、三笘薫選手らが積極的に攻撃を仕掛ける筑波大ペースで始まりましたが、大宮もプロの意地を見せ、最終ラインの突破までは許しません。逆に、前がかりになる筑波大からボールを奪うと少しずつ攻撃を組み立て、27分には岩上祐三選手の右からのクロスが清水慎太郎選手へと渡ります。清水選手はトラップでこれを収めてシュートを放ちますが、それを筑波大・山川哲史選手がブロック。しかし、その際のプレーがハンドと判断されて大宮がPKを獲得します。このPKを清水選手が左隅に決めて大宮が先制点を挙げます。大宮はその後もゴールを狙いますが、クロスバーやポストに阻まれて追加点を挙げられず、1-0のスコアのままで前半は終了します。
後半は一転、筑波大が押し込む展開となりました。これまでも“仕掛けて攻める”姿勢を崩さず勝ち上がってきた筑波大は、後半からは攻勢を一気に強め大宮ゴールに迫ります。後半開始直後から、三笘選手が得意のドリブルで何度となく大宮のディフェンスラインを突破すると、これまで5得点を挙げている中野誠也選手もこれに反応。裏への飛び出しで決定機をつくります。
65分には、西澤健太選手が投入されたことにより、チーム全体の運動量が増加。67分には、ボランチの高嶺朋樹選手がロングシュートで惜しいシーンをつくり、流れは完全に筑波大ペースとなりました。続く73分に中野選手のミドルシュートがバーを叩くなど、惜しいシーンが続きますが、どうしてもゴールを割ることができません。
すると85分、後半は防戦一方となっていた大宮が反撃に出ます。交代出場のマテウス選手が左サイドからカットインし、一度は筑波大DFに阻まれるものの、そのクリアボールを拾った清水選手がオーバーヘッドでゴールへ突き刺して追加点。大宮がリードを2点に広げます。
筑波大はその後も攻撃の姿勢を崩さずにゴールを狙いますが、無得点のまま試合終了。2-0のスコアで筑波大を下した大宮が準々決勝進出を決めました。J1の大宮相手にも攻撃的なサッカーで渡り合い、スタジアムを沸かせた筑波大ですが、プロならではの大宮のしたたかな戦いの前に敗れ、ベスト16の壁を超えることはできませんでした。
監督・選手コメント
小井土正亮 監督(筑波大学)
天皇杯はノックアウト方式の大会なので勝たなければ意味はありません。結果として敗退したことは非常に残念ですが、ピッチに立っている選手は全てを出してくれました。勝たせてあげたかった、というのが率直な感想です。快進撃と言われていますが、そもそも自分たちでは快進撃と思っていません。全員がやるべきことを普通どおりやれたということが、3回戦までの3勝につながったと思います。今日の試合もやるべきことをやったとは思いますが、最後の質のところ、ゴール前で差が出てしまいました。
FW #11 中野誠也 選手(筑波大学)
ただ悔しい。それが全てです。守備から入る形はできていたし、試合の入り方は悪くなかったと思います。前半はなかなかいい部分がつくれなかったけれど、耐えていければ、というのがチームとしての共通認識としてあったので、そんなに焦ってはいませんでした。後半、チャンスがありながら決め切れなかったのは自分の力不足です。筑波大としていい戦いができたと思いますが、バスツアーなどでゴール裏を青一面にして応援してくれた仲間たちを喜ばせてあげたかった。それができなかったのは自分たちの力のなさ。真摯に受け止めたいと思います。
伊藤彰 監督(大宮アルディージャ)
内容的なところでは、もっとクオリティーを上げていかなければというところも多々ありました。後半、相手の攻撃を受けて立ってしまったということと、相手を圧倒できなかったことは改善しなければならないところです。しかし大学生相手とはいえ、2点を取り、失点を0で抑えて勝てたということは収穫で、チームとしての自信につながったと思います。これを次のベスト8での試合に、しっかりとつなげていきたいと思います。
DF #4 山越康平 選手(大宮アルディージャ)
相手は大学生。プロが勝って当たり前だし、負けたらジャイアントキリングといわれるプレッシャーのようなものはありました。難しい相手でしたけれど、ノックアウト方式の大会なので勝ち切れて良かったです。筑波大の選手は、ボールを持ったら前の選手の動き出しを見ていていたので、自分としても常に予測を立てて守備をすることができました。後半は決定機をつくられてしまいましたが、ゴールは割られていません。結果が全てなので、そこは良かったと思います。
【1回戦】4月22日(土)、23日(日)
【2回戦】6月21日(水)
【3回戦】7月12日(水)
【ラウンド16(4回戦)】9月20日(水)
【準々決勝】10月25日(水)
【準決勝】12月23日(土・祝)
【決勝】2018年1月1日(月・祝)
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