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ガンバ大阪、山形に3-1勝利で天皇杯優勝 ~Jリーグ史上2度目の3冠達成~
2014年12月14日
第94回天皇杯全日本選手権大会は12月13日、横浜・日産スタジアムで決勝が行われ、ガンバ大阪(J1)がFW宇佐美貴史選手の2ゴールなどでモンテディオ山形(J2)を下して優勝しました。
ガンバ大阪(J1) 3-1(前半2-0、後半1-1) モンテディオ山形(J2)
ガンバ大阪の優勝は前身の松下電気時代を含め、連覇した第89回(2009年度)大会以来5大会ぶり4度目で、J1、Jリーグヤマザキナビスコカップと合わせて国内3大タイトル獲得の3冠を達成しました。3冠制覇は、第80回(2000年度)大会の鹿島アントラーズ以来初でJリーグ史上2クラブ目です。
スタジアムを埋めた47829人の観衆が見守る中、東北勢として81年ぶり決勝進出で初優勝を狙う山形は、立ちあがり早々に仕掛けます。中盤で相手ボールを奪うと縦へ素早くつなぎ、最後はFWロメロ・フランク選手のパスを受けたMF松岡亮輔選手が相手ゴールを脅かして、1週間前にJ1昇格を決めた勢いを感じさせます。
しかし、先制したのはガンバ大阪でした。前半4分、FKからのロングボールをFWパトリック選手が頭でつないで、走り込んだ宇佐美選手がシュート。これは相手GK山岸範宏選手に弾かれましたが、そのままゴール前に詰めた宇佐美選手がリバウンドに鋭く反応して右足で押し込みました。
山形はその1分後、ロメロ・フランク選手がペナルティエリアに切り込んでシュートを放ちますが、GK東口順昭選手に阻まれ、前半12分にはFWディエゴ選手が放ったミドルレンジからの1本は枠を捉えることができません。
前に出てくる山形に対して、ガンバ大阪は中盤でボールを奪うと素早く相手DFラインの裏をついて攻めるようになり、前半16分にはカウンターから宇佐美選手が追加点を狙います。そして、前半22分、中盤でボールを奪った宇佐美選手はドリブルで攻め上がり、FWパトリック選手へパス。これを受けたパトリック選手は右足で冷静にゴール右隅へ決めて、チームのリードを2‐0に広げました。
主導権を握ったガンバ大阪は、その後もMF倉田秋選手、パトリック選手、MF大森晃太郎選手、DF岩下敬輔選手らが相手ゴールを脅かします
反撃に出たい山形は後半からMF伊東俊選手に代えてDF舩津徹也選手、60分には山﨑雅人選手に代えてFW林陵平選手を投入。その2分後、DF石川竜也選手が左サイドをえぐった折返しに、ロメロ・フランク選手がダイレクトで合わせて1点を返します。
前線からプレスをかけてボールを奪えるようになると、山形は64分にはMF宮阪政樹選手がFKで、65分にはディエゴ選手がロメロ・フランク選手とのワンツーからガンバ大阪ゴールに迫りますが、いずれも東口選手のセーブに阻まれました。
山形は80分に3人目の交代でFW中島裕希選手をロメロ・フランク選手に代えて送り込みますが、その直後に足を痛めた選手がピッチ外で治療を受け、一人少ない状況になります。
ガンバの3点目はその間の85分でした。MF遠藤保仁選手のパスを受けた宇佐美選手が狙い澄まして右足を振り抜き、この日2点目で今大会最多得点タイの6点目となるゴールを決めて試合を決定づけました。
J2からJ1復帰1年目で3冠達成の偉業を遂げて、ガンバ大阪の長谷川健太監督は、「チームの総合力。選手が『復帰を』とトレーニングに励んで試合に臨んでくれた結果。選手に感謝したい」と満足そうに話していました。
なお、ガンバ大阪の天皇杯優勝とJ1制覇で、来年のAFCチャンピオンズリーグにはリーグ戦4位の柏レイソルがプレーオフの出場権を獲得し、リーグ2位の浦和レッズ、同3位の鹿島アントラーズと共にアジアのクラブ大会を戦います。
長谷川健太 監督(ガンバ大阪)
3冠獲れたことをうれしく思います。選手は体力的にも精神的にも万全ではなかったと思いますが、最後まで自分たちのサッカーを貫いて、最後まで気持ちを出して戦ってくれました。同点にされても、ベンチにいる攻撃できる選手を使いながら、90+αで勝ちきることができればいいと見ていました。難しい日程のなかでの大会で、リーグ戦でいつも出ていないような選手たちが試合に出て、そこでしっかりと勝ちきったことがここまで今日につながったと思います。「復活を」と、選手がトレーニングに励んで試合に臨んでくれた結果が、最後にこういう結果につながりました。本当に選手に感謝したいです。来シーズンはどのチームもわれわれに対して向かってくると思いますが、受けることなく、ガンバ大阪が進化し続けることが大事です。ACLも過去に優勝しているので、なんとか良い結果を出せるようにチーム全体で臨んでいきたいと思います。
宇佐美貴史 選手(ガンバ大阪)
タイトルを3つとれて誇りに思います。いい形でゴールを獲れて、チームにタイトルをもたらすのが夢だったので、それができてうれしいです。90分で試合を決めることだけを意識してプレーしていました。来年はガンバにとって大事なシーズンと捉えて、タイトルを狙っていきたいと思っています。
遠藤保仁 選手(ガンバ大阪)
3冠達成は個人としてもチームとしても非常にうれしく思います。3冠は難しいと思いましたが、獲った後でも難しいと思うので、成し遂げることが出来て光栄です。1年を通してチームが成長しながら達成できたと思いますし、全員が見えないところでハードワークしていました。いい仕事をしたと思います。今日はいつも通りのガンバを見せればいいと思っていて、前半で点を獲れたのでリスクを冒す必要はなかったので、自分と今野選手とでバランスを取ることとを心がけてプレーしていました。Jリーグ20年少々の中で鹿島しかやっていない3冠を自分たちで達成できたのは光栄です。誇りに思いますし、これからももっといいチームになるようにしたいと思います。
今野泰幸 選手(ガンバ大阪)
勝つべくして勝った試合だったと思います。ボールの奪い方も奪ったあとのプレーも良くて、相手が前に出てきてくれたので、宇佐美選手やパトリック選手を活かせました。ガンバはDFラインの裏が空いていれば、そこを狙える技術もあるし、個のレベルが高いので、試合をやればやるほど良くなると感じています。ガンバでタイトルをもたらしたいと思っていたので、3冠獲れて良かったです。
石﨑信弘 監督(モンテディオ山形)
試合の入り方は悪くなかったのですが、長いボールにヘディングで競り負けてやられ、カウンターからピンチを作られました。J2ではない個の力が今日はあったと思います。相手ツートップはあれほどケアをしていたのにスピードでやられてしまいました。試合前に「相手に臆せず、自分たちのサッカーをやろう」と話していて、選手も頑張って、よく走って体を張ってボールを奪っていましたが、奪った後にシュートまで持っていけていませんでした。ただ、J1で優勝したガンバに対して、自分たちは勇気を持って戦ったと思います。結果的には3-1で負けましたが、出来たことと出来なかったことを来年へつなげていかなければいけないと思います。
山岸範宏 選手(モンテディオ山形)
負けて非常に悔しいです。前半3分の失点は、試合の入り方がまだまだ甘いということです。崩された形ではないのに決められて、2失点目もカウンターからツートップの個の能力にやられてしまいました。攻撃では特に林選手が入ってからは2人目、3人目の動きが出ていたのですが、フランクのゴールにしか結びつかなかったのが残念です。今日味わった悔しさや、自分たちが体感したJ1チャンピオンとの差を絶対に薄れさせず、ポジティブに変えて行くことが、これからのクラブの歩みになると思います。
山﨑雅人 選手(モンテディオ山形)
相手はJ1王者ですが、やることははっきりしていましたし、自分たちがやれることはやったつもりです。ただ、ガンバはやっぱり「うまいな」と思う部分が多くて、前から行っても外される部分が多かったです。それも想定内だったのですが、ラインが引いてしまって後ろと前との間に距離ができてしまったのが残念でした。いい経験にはなりましたが、来季J1でやるには、今のスタイルを底上げして、守備の選手も攻撃して攻撃の選手も守備をするというように、チームとしてすべての面においてレベルアップしなければだめだと感じました。
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