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第94回天皇杯全日本サッカー選手権大会が開幕!全国各地で1回戦を開催
2014年07月06日
ピックアップマッチ
徳島市立高校(徳島県代表) 1-7(前半0-3、後半1-4) 鹿児島ユナイテッドFC(鹿児島県代表)
今年の天皇杯には、徳島市立高校(徳島県代表)、山梨学院大学附属高校(山梨県代表)、モンテディオ山形ユース(山形県代表)の3チームがユース年代のチームとして出場します(7月5日時点)。その一つ、第78回大会(1998年)以来16年ぶり2度目の出場を果たした徳島市立高は、2回戦から登場する徳島ヴォルティスとの地元対決に意欲を燃やし、初戦突破を目指します。
本大会初出場の鹿児島ユナイテッドは今年1月、ヴォルカ鹿児島とFC KAGOSHIMAを統合し、Jリーグ入りを目指すチームとして誕生したばかりですが,今シーズンの日本フットボールリーグ(JFL)では、13試合5失点とリーグ最少失点でファーストステージを2位につけるなど、好調をキープしています。
まだ梅雨明け前で気温28.2度と蒸し暑い気候の中キックオフした一戦は、鹿児島ユナイテッドが序盤からJFL2位(7月5日時点)の実力を発揮し、ボールを支配して徳島市立高のゴールに迫ります。先制点は15分、柳崎祥兵選手のパスを受けた前田将大選手が相手GKを浮き球でかわしてゴールに流し込み、鹿児島ユナイテッドが1点を挙げます。これで攻勢をかける鹿児島ユナイテッドは、35分に山田裕也選手のパスで柳崎選手が、41分には山田選手のアシストで栗山裕貴選手が決めて3点リードで前半を折り返します。
一方、徳島市立高は「サイドに(ボールが)出たときにもっとプレッシャーをかけよう。ツートップの連係を高めよう」(河野博幸監督)と後半の巻き返しを図ります。すると53分、相手DF陣の裏に抜け出した大西致誠選手がシュート。しかしこれはゴールポストに嫌われてしまいました。
このシュートで鹿児島ユナイテッドは守りに入ることなく、直後の55分に前田選手がこの日2点目を挙げ、60分にはオウンゴールでリードを5点に広げ、攻撃の手を緩めません。
しかし、徳島市立高も下を向くことなくゴールを狙い続け、84分に中盤でボールを奪うと、大西選手のパスから岸田大世選手が右足で冷静に決めて1点を返しました。地元高校の得点に、スタンドからは大きな歓声と拍手が起こりました。
徳島市立高の執念のゴールから5分後、鹿児島ユナイテッドは前田選手がハットトリックとなる6点目を挙げ、さらにアディショナルタイムに7点目を加えた鹿児島ユナイテッドが7-1で徳島市立高を下しました。
2回戦に駒を進めた鹿児島ユナイテッドは7月12日(土)、J1の徳島ヴォルティスと対戦します。
監督・選手コメント
河野 博幸 監督(徳島市立高校)
選手は期末テスト中ということもあって(体力的に)追い込んだ練習ができておらず、この暑さの中で最後は足が止まってしまいました。試合前には、守備では中盤をしっかりと締めること、攻撃ではできるだけ速くショートカウンターを仕掛けようと伝えました。しかし、やはり一瞬のスピードやフィジカルなど大人と子どもの差が出て、後手に回る場面が多くありました。また、チーム全体で攻守に連動するプレーが少なかったです。それでも、いい距離感でボールを動かして相手の裏を突くことが何度かできたこと、苦しい状況の中でも得点できたことは良かった点です。これからは、インターハイに向けてもう少し運動量を増やし、1対1で負けないこと、切り替えで素早く連動していくことをもっと詰めてやっていきたいと思います。
中峯 正博 選手(徳島市立高校)
相手は格上のチームなので、粘り強く戦うように心掛けました。しかし、ディフェンスラインの裏を取られたり、走り負けてしまったりすることが多かったので、これからはもっと集中してルーズにならないように気をつけたいと思います。良かった点は、選手間の距離を近くして短いパスをつなげれば今日の得点シーンのようにゴールできると分かったことです。まだ僕たちにはインターハイや全国高校選手権があるので、今日の経験を生かしてチャレンジャーとして臨み、しっかりと走り勝てるように頑張って練習していきたいと思います。
大久保 毅 監督(鹿児島ユナイテッドFC)
相手が高校生であってもリスペクトして、油断せずに戦おうと試合前に選手に伝えました。しかし、立ち上がりから守備で少し緩慢なプレーがあったため、前半ではありましたがチームの雰囲気を引き締めるために選手を交代しました。試合を進める中で選手の意識も高まり、得点を重ねるごとに落ち着きを取り戻して自分たちのサッカーが展開できたと思います。次はJ1のチームが相手になります。われわれは天皇杯でしかJリーグのチームと真剣勝負をすることはできませんから、どこまで自分たちの力が通用するのか、何がJリーグのチームに対して足りないのかをしっかりと見極めたいと思います。ただ、勝負であることには変わりないので、引いて守るのではなく、われわれの推し進める攻撃的なサッカーを展開していきたいと考えています。
田上 裕 選手(鹿児島ユナイテッドFC)
徳島市立高校はアグレッシブで運動量もあり、やられてしまった場面もありました。点差はつきましたが、まだまだ攻守両面で自分たちがやらなくてはいけないことが多いと感じています。次はJリーグのチームとの対戦になりますが、今日の試合でも良かったコンビネーションなどの質をさらに高め、迫力のある攻撃を継続的に仕掛けられるように取り組んでいきたいと思います。JFLのリーグ戦では、入り方が悪く崩れてしまうこともあったので、全体でそこを意識して集中して戦えば、相手がJリーグのチームでも渡り合えると信じています。応援してくれる人たちを笑顔にできるように次も頑張ります。
その他の試合結果
福岡大学(福岡県代表) 2-1(前半1-0、後半1-1) 高知大学(高知県代表)
びわこ成蹊スポーツ大学(滋賀県代表) 7-0(前半4-0、3-0) 岐阜経済大学(岐阜県代表)
ヴィアティン桑名(三重県代表) 2-1(前半1-0、後半0-1、延前1-0、延後0-0) 京都産業大学(京都府代表)
奈良クラブ(奈良県代表) 3-1(前半2-1、後半1-0) 福島ユナイテッドFC(福島県代表)
アルテリーヴォ和歌山(和歌山県代表)2-4(前半1-2、後半1-0、延前0-1、延後0-1) 藤枝MYFC(静岡県代表)
山梨学院大学附属高校(山梨県代表) 0-2(前半0-1、後半0-1) 明治大学(東京都代表)
栃木ウーヴァFC(栃木県代表) 1-2(前半0-2、後半1-0) 関西学院大学(兵庫県代表)
FC大阪(大阪府代表) 0-5(前半0-1、後半0-4) ツエーゲン金沢(石川県代表)
筑波大学(茨城県代表) 1-2(前半0-1、後半1-1) ソニー仙台FC(宮城県代表)
7月5日(土)は徳島市立高校対鹿児島ユナイテッド戦のほか、各会場で9試合を開催しました。
大学同士の対戦となった福岡大学(福岡県代表)と高知大学(高知県代表)の一戦は、終了間際の87分に勝ち越し点を挙げた福岡大が2-1で勝利し、びわこ成蹊スポーツ大学(滋賀県代表)は久保賢悟選手のハットトリックなど攻撃陣が奮起し、岐阜経済大学(岐阜県代表)から7点を奪って7-0で快勝しました。
初出場のヴィアティン桑名(三重県代表)は、京都産業大学(京都府代表)と延長戦にもつれ込む接戦を2-1で制し、天皇杯初戦を見事勝利で飾りました。
関西リーグの奈良クラブ(奈良県代表)とJ3の福島ユナイテッドFC(福島県代表)の一戦は、3-1で奈良クラブに軍配が上がりました。また昨年の1回戦と再戦となった関西リーグのアルテリーヴォ和歌山(和歌山県代表)とJ3の藤枝MYFC(静岡県代表)の試合は、今年も延長戦となり4-2で藤枝が再び勝利をつかみました。
明治大学(東京都代表)は2-0で山梨学院大学附属高校(山梨県代表)に勝利。関西学院大学(兵庫県代表)はJFLの栃木ウーヴァFC(栃木県代表)に2-1で競り勝ちました。
昨シーズン、J2横浜FCに勝ち、J1清水と互角の試合を演じ旋風を巻き起こしたツエーゲン金沢(石川県代表)は、大町将悟選手のハットトリックなどでFC大阪(大阪府代表)に5-0で勝利。出場28回を誇る名門・筑波大学(茨城県代表)とJFL・ソニー仙台FC(宮城県代表)の一戦は、2得点を挙げたソニー仙台が筑波大の反撃を1点に抑えて2回戦に進出しました。
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