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川崎が5連勝でACL16強入り、甲府、浦和、横浜FMは最終節へ望み
2023年11月30日
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2023/24東地区グループステージ第5節が11月28日(火)、29日(水)に各地で行われ、川崎フロンターレがホームでジョホール・ダルル・タクジム(マレーシア)に5-0の快勝で5連勝とし、1節を残して16強進出が決定。ヴァンフォーレ甲府はドロー、浦和レッズは勝利で、横浜F・マリノスは敗れたものの、最終節へグループステージ突破の望みをつなぎました。
最終節は、FIFAクラブワールドカップサウジアラビア2023に出場する浦和は12月6日(水)に、そのほかのクラブは12月12日(火)、13日(水)に行われます。
川崎が快勝で日本勢16強進出一番乗り
グループIの川崎がジョホール戦を5得点の圧勝で制して、2大会ぶりの16強入りを決めました。
開幕から無傷の4連勝でジョホールに引き分け以上でグループ首位が確定して突破が決まる川崎は、試合開始からテンポ良くつないで前半8分に先制します。
DF大南拓磨選手が攻撃に参加。右サイドバックのDF山根視来選手とワン・ツーをかわしてペナルティエリアに入り、中央へ折り返すと、逆サイドからゴール前に入ったMF家長昭博選手が合わせてゴールネットを揺らしました。
3勝目を手にして突破の望みをつなげたいジョホールは、13分、28分にFWベルクソン選手が個人技でミドルレンジから狙う場面を作りますが、GKチョン・ソンリョン選手の好セーブなどでゴールを割らせず、その後はMF橘田健人選手が中盤で相手ボールを奪うなど川崎が主導権を握って試合を進めます。
追加点は後半開始5分、FWレアンドロ・ダミアン選手が家長選手からの右クロスボールにゴール前で右足を合わせると、ポストに当たってゴールに吸い込まれ、2-0とします。
ジョホールは川崎の攻撃の起点となっていた左サイドの選手二人を交代で入れ替えて修正を試みますが、川崎の優位は変わりません。
60分にはMF脇坂泰斗選手のボール奪取から、山根選手が入れた右クロスに相手DFの裏に入ったFWマルシーニョがダイビングヘッドで合わせてリードを広げました。
その後は交代出場した選手が試合にパワーと得点を加えます。69分にはMF遠野大弥選手のクロスにFW小林悠選手がヘディングで合わせ、一度は相手GKにブロックされますが、跳ね返りを右足のジャンピングボレーで捉えて4-0とします。
仕上げは88分でした。MFジョアン・シミッチ選手が縦に入れたボールを、相手DFを引き連れたFW宮代大聖選手が落とし、空いたスペースに走り込んだ山根選手が左足で決めました。
5連勝の川崎は勝ち点を15に伸ばして1位が確定。2位の蔚山現代(韓国)はアウェイでBGパトゥム・ユナイテッド(タイ)に3-1で勝って3勝2敗の勝ち点9としています。ジョホール(勝ち点6)は3位、4位パトゥムは5連敗となりました。
川崎は最終節の12月12日(火)にアウェイで蔚山と対戦します。
甲府は終盤に追いついてドロー
グループHのJ2甲府は29日(水)、今大会でホームとしている国立競技場でメルボルン・シティ(オーストラリア)と対戦。途中出場したFW宮崎純真選手のゴールで追いついて3-3で引き分けました。
同組のもう一試合で3位のブリーラム・ユナイテッド(タイ)がアウェイで浙江FC(中国)に2-3と敗れ、両チームが勝ち点6に。甲府とメルボルンも勝ち点8で並び、総得点で上回る甲府が首位を維持してしていますが、4チームが勝ち点2差で争う激戦となりました。
甲府は前回アウェイで0-0と引き分けた相手に、前半5分にDFカラム・タルボット選手に先制を許したものの、3分後に右FKからDF三浦颯太選手がペナルティエリアに切り込んで、折り返しをDF井上詩音選手が頭で合わせて同点とします。
さらに、前半終了目前には井上選手のロングフィードに反応したMF鳥海芳樹選手が相手DFと競り合いながら頭上を越えたボールを右足で捉えて押し込み、均衡を破ります。
勝ち点が欲しいメルボルンは後半に入ってギアを上げ、59分にVARの確認でハンドがあったとして得たPKをトルガイ・アリ・アルスラン選手が決めて2-2。その5分後には右クロスにFWマリン・ヤコリシュ選手が合わせて3-2とします。
しかし、甲府は終盤怒涛の攻めで相手を押し込むと、85分に右サイドからFWクリスティアーノ選手が上げたクロスをゴール前に走り込んだ宮崎選手が頭で合わせてゴールネットを揺らし3-3。途中出場の選手たちの働きで追いつきました。
甲府は90分で相手の倍以上の13本のシュートを放ち、最後の笛まで相手ゴールを脅かす場面を作りましたが、追加点はならず、勝ち点1を手にして最終節12月12日(火)のアウェイでのブリーラム戦に臨むことになりました。
横浜FM、アウェイで仁川に敗れて2敗目
前節グループGで3勝目を挙げて首位に立った横浜FMは、28日(火)にアウェイで仁川ユナイテッド(韓国)と対戦して1-2で敗れ、初戦のホームで敗れた相手に再びの黒星を喫して3位後退となりました。
前半11分、横浜FMは仁川に最終ラインの脇のスペースを使われて、一度はGKがFWチョン・ソンフン選手のシュートを阻止しますが、リバウンドをMFホン・シフ選手に決められて失点します。
横浜FMはFWエウベル選手やMF水沼宏太選手らがシュートで相手ゴールを脅かし、DF吉尾海夏選手のFKがクロスバーに弾かれる場面も作りますが、67分に自陣でDFのボールを奪われて、後半途中出場のFWエルナンデス・ロドリゲス選手に決められ、2点を追う展開となりました。
粘る横浜FMは83分、右CKのチャンスにエウベル選手がヘディングで決めて1点を返しましたが追加点は奪えず、痛い2敗目を喫しました。
同組もう一試合では、山東泰山(中国)がカヤFC・イロイロ(フィリピン)にホームで6-1と大勝し、4勝1敗の勝ち点12で首位に浮上しました。仁川と横浜は3勝2敗で並びましたが、直接対決の結果で仁川が上回って2位となり、横浜は最終節を残して3位に後退です。
グループステージ突破には各組1位または2位の中で上位3チームに入る必要があります。横浜FMは12月13日(水)の最終節ではホームで山東と対戦します。
浦和、カンテ選手のゴールで勝利
グループJの浦和は29日(水)にホームで武漢三鎮(中国)と対戦し、今季限りでの引退を発表しているFWホセ・カンテ選手が試合終了間際に決めて2-1で勝利を収め、2位での突破に望みをつなぎました。
前節、浦項スティーラーズ(韓国)が1位を確定し、前回王者の浦和は2位での突破に望みをつなげるためには勝利が必要です。前回9月のアウェイでの対戦では2-2で引き分けた武漢との再戦に、前節レッドカードを受けたマチェイ・スコルジャ監督はベンチ外。日本代表経験もあるMF中島翔哉選手を先発に起用して臨みます。
前半37分、FWブライアン・リンセン選手がペナルティエリアで相手DFに倒されて獲得したPKをDFアレクサンダー・ショルツ選手が左隅に決めて先制します。
しかし後半、武漢はFWダヴィドソンにボールを集めて反撃。68分に自陣からのロングボールに抜け出したダヴィドソ選手がDFをかわして右足で同点にします。
勝利が欲しい浦和は90分、MF大久保智明選手がゴール前に入れた浮き球を相手DFがクリア。このリバウンドに反応したカンテ選手が左足で決めて勝ち越しました。
浦項はホームでハノイFC(ベトナム)に2-0と勝利して5連勝。浦和は2勝1分け2敗の勝ち点7で2位。武漢は1勝1分け3敗で3位、ハノイは1勝4敗で4位です。
浦和はサウジアラビアで行われるFIFAクラブワールドカップ出場のため、12月6日(水)に最終節に臨み、アウェイでハノイと対戦します。
バンコク、アルナスルなども突破
なお、日本勢不在のグループFでは29日(水)にバンコク・ユナイテッド(タイ)がホームでライオン・シティ・セーラーズ(シンガポール)に1-0で勝利。4勝1分けで勝ち点を13に伸ばし、1位突破を決めました。
2位の全北現代モータース(韓国)はアウェイで傑志SC(ホンコン・チャイナ)を2-1で勝って、3勝2敗の勝点9で2位をキープして、12月13日(水)の最終節のホームでのバンコク戦に2位での突破に望みをつないでいます。
西地区では、グループE首位でポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドが所属するアルナスル(サウジアラビア)がホームでペルセポリス(イラン)に0-0の引き分けに持ち込まれましたが、4勝1分けの勝ち点13として、1試合を残して2位ペルセポリスとの勝ち点差を5として16強入りを決めました。
ノックアウトステージは来年2月から行われ、対戦相手はグループステージ終了後の組み合わせ抽選会で決定します。
監督・選手コメント
鬼木達 監督(川崎フロンターレ)
ACL突破がかかった試合で点差的にも選手が素晴らしいものを残してくれました。とにかく今日は突破が一番重要だと思っていましたが、気持ちのこもったプレーもありましたし、ゴールでもサポーターの皆さんに喜んでもらえたと思います。欲を言えば、前半の点を取ったあとの時間帯でもう少し自分たちにやれることあったと思いますが、それは課題として次の試合に生かしたい。ACLは自分が就任していくつかタイトルを取れるようになってきてから、アジアにもっと自分自身もフォーカスしないといけないと思っていました。常に本気ですが、確実に上がっていける力をつけたいと思っていたので、この突破はうれしく思います。ただ、ここからが難しいところです。選手の成長を一致させながらやれればいいと思っています。
MF 家長昭博 選手(川崎フロンターレ)
勝てば突破が決まる試合をホームで戦えて5-0で勝てました。グループステージ突破を目標としていたので、今日決めることができてよかったです。それ以上を望むと罰が当たります。久しぶりのゴールは(前線の選手として)シンプルに悔しいですが、(得点場面は)ボールがこぼれてきたので最後は押し込むだけでした。(アシスト場面は)スペースが空いていて、ダミアン選手もあの辺りにいることは分かっていたので、いつも通りクロスを上げることができました。点差ほど相手との力の差は感じなかったのですが、1点を取って相手の集中力が明らかに切れたと感じました。
MF 脇坂泰斗 選手(川崎フロンターレ)
昨年や今年のジョホールとの対戦で、ランニングが効くというのは昨年からの対戦で感覚としてありましたし、相手のスライドが間に合わないところをうまく使うことができました。先制した後に我慢する時間帯もありましたが、リードして前半を終わることができたのは良かったと思います。相手に自由にプレーさせない、怖いところでやらせないことはチームとして大事にしているところです。今日は特にその意識をピッチでうまく出すことができたと思います。
MF 橘田健人 選手(川崎フロンターレ)
今季最後の等々力の試合で突破を決めることができてよかったです。自分たちのサッカーをやって勝つのが一番ですが、長いシーズンでうまくいかない時でも修正できるようになったのはチームとして力がついていると思います。そこは、ベンチワークも含めてピッチのなかでしっかりできていると思います。最近になって結果も出てきて、やってきたことが間違っていないと自信がついて、よりチーム内で意見も出て、勝ったことで良くなってきていると思います。チームとしてタイトルは常に狙っていますし、こうして(シーズンの最後に)チームが良くなってきているのは、自分にもいいモチベーションになっていますし、いいことだと思います。
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