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浦和が今季ACLで痛い黒星、川崎と横浜は連勝も、甲府は敗れる
2023年10月26日
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2023/24東地区グループステージが10月24日(火)、25日(水)に行われ、前回王者の浦和レッズはホームで浦項スティーラーズ(韓国)に0-2で敗れて今大会初黒星。川崎フロンターレはアウェイでBGパトゥム・ユナイテッド(タイ)に4-2で勝利して3連勝、横浜F・マリノスもホームでカヤFC・イロイロ(フィリピン)に3-0で勝ちましたが、ヴァンフォーレ甲府はアウェイで浙江FC(中国)に0-2で敗れました。
浦和、浦項に2失点で首位奪取ならず
1勝1分けの浦和が、開幕から2連勝でグループJ首位に立つ浦項をホームに迎え、ノックアウトステージ進出に向けて「今季最も重要な試合」(マチェイ・スコルジャ監督)と位置づけた試合でしたが、思うような試合運びができず、グループ突破を争うライバルを相手に痛恨の黒星となりました。
直近のリーグ戦から6人を入れ替えてDF酒井宏樹選手やDFアレクサンダー・ショルツ選手、MF岩尾憲選手らをベンチに置いて臨んだ浦和は、連係が噛み合わず、マン・ツー・マン気味に激しく寄せて来る相手に競り合いで優位に立たれて苦戦。2021年大会を含めて2度大会優勝を経験している浦項は、MFハン・チャンヒ選手を中心に奪ったボールを素早く左右のサイドに振り、カウンターで浦和ゴールに迫ります。
浦和の失点もカウンターからでした。前半22分、自陣ゴール前のDFからパスを受けたDFパク・スンウク選手がドリブルで運び、FWキム・スンデ選手にパス。キム選手のクロスに、FWチョン・ジェヒ選手が猛ダッシュ。ゴール前のFWゼカ選手の裏のスペースに走り込み、マークするDFの前に出て右足を合わせて先制ゴールを決めました。
国内リーグ2位でファイナルラウンドに進出している浦項は、その後も主力のブラジル人2人を怪我で欠くマイナス要素を感じさせない試合運びで、浦和ゴールを脅かします。36分には昨季所属した大邱でも浦和から得点を挙げているゼカ選手がペナルティエリアに切り込んで右足を振りますが、浦和GK西川周作選手の好セーブで凌ぎました。
浦項は49分にも、前半途中に負傷交代で出場したFWキム・インソン選手がハン選手からパスを受けてトップスピードで右サイドを攻め上がり、ペナルティエリア右から中に折り返すと、ゼカ選手がニアでスルー。逆サイドに顔を出したFWコ・ヨンジュン選手が左足で決めました。
反撃に出たい浦和は後半開始から酒井選手、MF中島翔哉選手を投入。さらに、59分からはMF大久保智明選手、MF明本考浩選手、岩尾選手を次々と送り出し、相手ゴールに迫る場面が増えます。69分にはCKの流れから大久保選手が狙い、73分にはゴール前に顔を出したDF大畑歩夢選手、その6分後には中島選手の落としに明本選手がシュートを狙いましたが、ゴールには至りません。
前後半のシュート数は浦項の14本に対して浦和は5本にとどまり、最後まで1点が遠く、痛い敗戦となりました。ノックアウトステージ進出は各組1位と2位の中で上位3チームのみ。この黒星で2位の浦和と3戦全勝とした首位の浦項との差は、勝点5に広がりました。
中国では武漢三鎮(中国)がホームでハノイFC(ベトナム)に2-1で勝ち、今大会初勝利で1勝1分1敗。武漢と浦和が勝敗で並びましたが、得失点差で武漢が3位。4位のハノイはまだ勝点がありません。
横浜FM、カヤFCに勝利で2勝目
Jリーグ王者の横浜FMはホームでフィリピンリーグ王者と対戦。守備陣に多くの怪我人を抱える横浜でしたが、工夫と選手の対応力で2勝目を手にしました。
ボランチが主戦場のMF喜田拓也選手を中央に置いた3バックを採用。前半半ばに最終ライン3枚の左を務めたDF永戸勝也選手が負傷し、早い時間での交代も余儀なくされましたが、ボランチから1列下がったMF吉尾海夏選手が対応します。
人数を割いて守備を固めるカヤFCに対して前半半ばまで攻めあぐねていた横浜でしたが、前半35分、左サイドで仕掛けたFWエウベル選手からの浮き球に、「エウベルにも(浮き球を)出せと言っていた」というMF水沼宏太選手がオフサイドぎりぎりで相手DFの裏を取って頭で合わせて先制しました。
横浜は先制後にウィングバックの水沼選手とMF井上健太選手の左右のポジションを入れ替えて攻撃を活性化。72分には左サイドで水沼選手のパスを受けた吉尾選手がクロス。FW杉本健勇選手がヘディングで決めて2-0。後半アディショナルタイムにはFWヤン・マテウス選手の縦のフィードにFWアンデルソン・ロペス選手が頭で合わせて、途中出場のコンビで3点目を加えました。
カヤFCはFW堀越大蔵選手とFWハビエル・ガヨソ選手を中心に果敢に攻め、ガヨソ選手は鋭いシュートで横浜ゴールに迫る場面も見せ、GKクインシー・カマラード選手も好セーブを見せましたが、勝点獲得には届きませんでした。
グループGのもう一試合では、山東泰山(中国)がアウェイで仁川ユナイテッド(韓国)に2-0で勝利。山東、仁川、横浜FMが2勝1敗で並びましたが、直接対決の結果が優先されるため、山東が首位。以下、仁川の順で横浜FMは3位で1つ後退となりました。3連敗のカヤFCは4位です。
川崎、アウェイでパトゥムに勝って3連勝
川崎がアウェイのタイでBGパトゥム・ユナイテッドに4-2の勝利を収めて3連勝で、グループI首位をキープしています。
10月に入って公式戦3連勝の川崎は、暑さの中での戦いにも好調を維持。公式戦4試合ぶりに先発入りしたMF遠野大弥選手が前半14分に先制。前半終了間際にFWイゴール・セルゲエフ選手に同点とされたものの、後半に入ると52分にMF橘田健人選手がMF脇坂泰斗選手のシュートリバウンドに反応して均衡を破りました。
川崎は、68分にはFWマルシーニョ選手が長い距離をドリブルで攻め込むと右足を振って3-1とし、77分にはCKからDF大南拓磨選手が頭で1点を加えて4-1とリードを広げました。終盤DFヴィクトール・カルドーゾ選手にPKで1点を返されましたが、優位は動かず。川崎がアウェイで勝点3を獲得しました。
他会場では蔚山現代(韓国)がホームでジョホール・ダルル・タクジム(マレーシア)を3-1で下して2勝1敗で2位に浮上。3戦全勝の川崎を勝点3差で追っています。2敗目を喫したジョホールは3位へ後退し、4位のパトゥムは3試合を終えて勝点がありません。
甲府は浙江に敗れて連勝ならず
初のACL参戦で前節大会初勝利を得た甲府でしたが、アウェイに乗り込んでの3戦目は、初勝利で連敗を2で止めたい浙江に早い時間で得点を許して、苦しい展開になりました。
試合開始9分で失点。CKからDFルーカス・ポッシニョロ選手にヘディングで決められて0-1に。その後、甲府は相手DF陣の裏のスペースを狙って反撃を仕掛け、相手ゴールに迫る場面も作りましたが得点には至りません。後半開始からはFWクリスティアーノ選手をベンチから送り込みますが、58分にFWニャシャ・ムシェクウィ選手に2失点目を決められました。
反撃を期す甲府はMF長谷川元希選手、MF荒木翔選手らを投入。相手ゴールに迫り、82分にはDF関口正大選手のシュートがポストに弾かれる場面も作ります。最後まで得点を奪えず、初黒星となりました。
他会場ではメルボルン・シティ(オーストラリア)がアウェイでブリーラム・ユナイテッド(タイ)に2-0で勝って2勝1分けで首位を、甲府は1勝1分1敗で2位をキープ。ブリーラムと浙江は1勝2敗でそれぞれ3位、4位です。
グループFではバンコクが首位キープ
このほか、日本勢不在のグループFでは、バンコク・ユナイテッド(タイ)がアウェイで傑志SC(ホンコン・チャイナ)に2-1で勝利して3連勝で首位を維持。全北現代モータース(韓国)はホームでライオン・シティ・セーラーズ(シンガポール)を3-0で下して2勝1敗で2位につけています。ライオン・シティは1勝2敗で3位、傑志は3戦全敗で4位です。
次回第4節は11月7日(火)、8日(水)に今回と同じ相手とホームとアウェイを入れ替えての対戦です。
監督・選手コメント
マチェイ・スコルジャ 監督(浦和レッズ)
試合前から浦項戦はタイプの異なるチャレンジになると分かっていました。適応しようとしましたが、特にフィジカルで難しい試合になりました。コンタクトプレーなどチャレンジのほぼすべてで相手に負けていましたし、前半はプレースピードが上がらず、あまりチャンスを作ることができませんでした。後半は酒井選手、中島選手、大久保選手を入れたことで前半よりもチャンスを作ることができましたが、相手の守備から攻撃への素早い切り替えをしっかり止めることができませんでした。今日は浦項の方が良く、彼らが勝利に値する試合をしましたが、アウェイでは全く違う試合にしなければなりません。
GK 西川周作 選手(浦和レッズ)
2失点で悔しさの残る結果になってしまいました。もう自分たちに負けは許されないと思っていますし、次はアウェイで勝つしかありません。そこは割り切ってやっていきたいと思います。(攻撃で)サイドが前に行っている分、(パスの)出しどころがなく、テンポも上がらず、ボールをもらって(受け手を)探してと時間がかかり過ぎた部分がありました。失点しても切り替えてゴールを守ることを意識していましたが、後半も数多くピンチを作られました。この結果を受け入れながら前に進みたいと思います。
DF 酒井宏樹 選手(浦和レッズ)
最初の失点は間違いなく大きかったですし、後半も(ボールを)取られたあとの後ろのバランスが今日は良くなかった。取られた後の反応が一番よくなかったです。そこで流れを止めるという作業では僕らは遅く、相手の方が速くて、相手の攻撃も速かったと思います。相手が強く前に来て、相手のマン・ツー・マンを剥がすには相手より早く走る。そこは後半心掛けてやりました。実際に何度かチャンスは作りましたが、切り替えに関してはJリーグでは感じたことがない速さだったかと思います。それが彼らの強みでKリーグの強みだと思います。6試合あるので、負けたことから学ぶことを強く意識しないといけない。ホームでもアウェイでも勝つチャンスは五分五分であると思うので、アウェイで勝てる状況を作り出す。僕らが招いた状況なのでどうやったら突破できるかを考えていかなければいけないと思います。
MF 伊藤敦樹 選手(浦和レッズ)
相手の前の守備の強さやボールが入った時のサポートの距離感とか、相手は前向きでボールを奪える分、そこからカウンターを食らってしまうことが多くありました。前半で修正できればよかったですが、早い時間で失点してしまって難しくなりましたし、ハーフタイムに修正して後半「ここから」というときに追加点を許してしまって余計に難しくなりました。(2失点目は)人数をかけていこうとしてボールを奪われてのカウンターでした。もっと賢く戦わなければいけない部分もありますし、ゲームマネジメントの部分ももっとしっかりやっていかないといけないと感じました。
キム・ギドン 監督(浦項スティーラーズ)
試合前、我々の怪我人の多さが取り上げられていましたが、我々は今日強さを示しました。浦和との対戦にあたってしっかり分析をし、相手の良さを消すことを考えました。組織的にコンパクトな守備で中盤をケアし、相手の両サイドバックが高い位置を取るので、ボールを奪ってサイドに展開してカウンターを仕掛ける練習を重ねてきました。それがよく機能したと思います。決定機を仕留めるところはもっと改善しなければなりませんが、この調子を維持して進みたいと思います。
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