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浦和、3度目のアジア制覇へ、アルヒラルとのACL決勝に挑む
2023年04月27日
浦和レッズがアジア制覇を懸けて4月29日(日本時間30日未明)にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)2022決勝第1戦で、連覇で3度目の優勝を狙うサウジアラビア強豪のアルヒラルとのアウェイでの闘いに臨みます。決勝での対戦は3度目という因縁の顔合わせで、第2戦は5月6日(土)に埼玉スタジアム2002で行われます。
ACLのシーズン制の移行に伴い、昨年4月から始まった2022シーズンのACLが数か月の時を経て、いよいよフィナーレを迎えます。ホーム&アウェイで行われる決勝の舞台に立つのは浦和とアルヒラル。過去に2度の決勝で戦い、2017年は浦和が、2019年はアルヒラルが制して、両者の決勝での対戦成績は1勝1敗という好カードです。今回の対戦を制した方がACL初となる3度目の優勝を手にします。
浦和は、2017年の対戦ではアウェイでの第1戦を1-1で引き分けてホームに戻り、第2戦を1-0で勝って10年ぶりにアジアの頂点に立ちました。しかし、2019年はリヤドで行われた第1戦を0-1で落とし、ホームでも0-2で敗れて優勝を逃しました。今回はその雪辱を期して臨む一戦となります。
アルヒラルは2019年の成功を足掛かりに2021年に2度目の優勝を遂げ、今回勝てばサウジアラビアのアルイテハド(2004年、2005年)以来の連覇です。
アルヒラルを率いるのは、かつて横浜F・マリノスでも活躍した元アルゼンチン代表FWのラモン・ディアス監督。2017年の決勝でも指揮を執っており、自身2度目の決勝での対戦で雪辱を期しています。
戦術家で知られる63歳の指揮官は2018年に一度アルヒラルを離れ、パラグアイやサウジアラビアなどのクラブを経て2022年2月に復帰。再就任1年目でアルヒラルをリーグ優勝に導き、今年2月のFIFAクラブワールドカップでは2021年のアジア王者として出場し、準決勝で南米王者のフラメンゴ(ブラジル)を3-2で破り、決勝ではレアル・マドリードに3-5と激闘を演じました。最後に敗れたものの、3得点を奪う健闘で力量を示したことは記憶に新しいところです。
アルヒラルはその後も好調を維持。国内リーグではシーズン終盤を迎えて現在4位で優勝争いに絡み、キングズカップでは4月23日の準決勝でアルイティハドに延長1-0で競り勝って、決勝進出を決めています。
今大会では、昨年4月に行われたグループステージでA組を4勝1分1敗の首位で突破。年が明けて2月に開催されたノックアウトステージではラウンド16でアルアハリ(UAE)に3-1、準々決勝でフーラッドFC(イラン)に1-0で勝ち、準決勝ではアルドゥハイルSC(カタール)に7-0の快勝で、決勝まで駒を進めてきました。
アルヒラルは攻撃力に優れ、ナイジェリア代表FWオディオン・イガロ選手は直近のアルナスルとのリーグ戦で1試合2本のPKを決めて2-0の勝利に貢献。18ゴールで得点ランクトップに立っています。ACLでもここまで7得点で得点ランク2位の活躍です。
アルゼンチン出身でスペインリーグなどでもプレーしたMFルシアーノ・ビエット選手はクラブワールドカップ準決勝と決勝の2試合で3得点をマーク。元マリ代表FWムサ・マレガ選手も欧州王者から1得点を奪いました。
このほか、サウジアラビア代表のFWサレム・アルドーサリ選手やMFモハメド・カンノ選手ら多彩な攻撃陣が揃い、コロンビア代表MFグスタボ・クエジャル選手が中盤を締め、元韓国代表DFチャン・ヒョンス選手が最終ラインで守備を固めています。
浦和、Jリーグ7戦負けなしでアジアの決勝へ
今回4度目の決勝進出となる浦和は、2019年決勝で優勝を阻まれたアルヒラルに借りを返して3度目のアジア制覇を目指しています。
昨年4月にタイで集中開催されたグループFを2位で勝ち抜き、8月に埼玉で行われたノックアウトステージではジョホール・ダルル・タクジム(マレーシア)に5-0、準々決勝でBGパトゥム・ユナイテッド(タイ)に4-0と快勝。準決勝では2度の大会優勝経験のある全北現代モータース(韓国)を延長2-2の末にPK戦で3-1と競り勝って決勝進出を決めました。浦和にとっては、シーズンをまたいで臨む決勝です。
この間に指揮官も交代。昨シーズン末にスペイン出身のリカルド・ロドリゲス監督が退任し、今季からポーランド出身のマチェイ・スコルジャ監督を迎えています。
チーム編成でもFWキャスパー・ユンカー選手やMF江坂任選手、MF松尾佑介選手らがチームを離れましたが、FW興梠慎三選手が札幌から、DF荻原拓也選手が京都から復帰。スペイン出身のFWホセ・カンテ選手、ノルウェー出身のDFマリウス・ホイブラーテン選手らも加わっています。
チームはスコルジャ新体制の下、リーグ戦では2連敗でのスタートでしたが、徐々に調子と順位を上げてきました。サウジアラビア遠征出発直前の4月23日のアウェイでの川崎フロンターレ戦では先制を許したものの、FWブライアン・リンセン選手のリーグ戦初ゴールで追いついて1-1のドロー。リーグ戦7試合負けなしで、順位も4位を維持しています。
チームは元日本代表守護神GK西川周作選手、DFアレクサンダー・ショルツ選手とホイブラーテン選手のセンターバックコンビ、MF岩尾憲選手とMF伊藤敦樹選手のダブルボランチの活躍で、チームの守備は安定しています。
前線では興梠選手が攻撃をけん引。荻原選手とDF明本考浩選手の両サイドバックの攻撃参加、MF関根貴大選手、MF大久保智明選手、MF小泉佳穂選手らとの連係にも滑らかさとスピードが出てきています。負傷離脱からACL決勝へ向けて復帰調整中のDF酒井宏樹選手がどのタイミングでチームに戻るかも、決勝2試合を戦い抜くポイントになりそうです。
「就任初日からACL決勝のことは常に頭にあった」というスコルジャ監督は、川崎との試合後に「勝点3を取って自信を持ってACLへ行くことが狙いだった。前半は焦れずに戦えたし、ゲームをコントロールする時間も長かった。チームスピリット、メンタル面のレベルは非常に高いものがあった」と話して、同点から逆転へ意欲を見せたプレーに言及。サウジアラビアの強豪との対戦を前に、まずまずの手ごたえを覚えた様子です。
ショルツ選手は、「ACLは自分のサッカー人生において最も重要なタイトル」と話し、攻撃力の高いアルヒラルとの対戦へ「アウェイのタフな試合だが、負けなしが続いているので自信を持って挑める。ナーバスにならないようにして、自分をコントロールして自分たちの最大限の力を出すことが大事になる」と話しています。
また、2017年と2019年決勝を経験している興梠選手は、「簡単な相手ではない。アウェイはハーフコートゲームになると思って臨むが、1、2本ぐらいはチャンスがあると思う。そこを決めて第2戦へつなげたい」と静かな口調ながら強い意気込みを示しました。
ACL決勝第1戦は4月29日(土)20:30(日本時間30日(日)02:30)開始の予定です。第2戦は5月6日(土)、埼玉スタジアム2002にて18:00キックオフの予定です。
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